本日お伺いした57歳の女性の遺品は段ボールケースにして約10個と蒲団が2枚のみ。
えっ!と、思いますよね。
でも本当に彼女の遺品はそれだけだったのです。
テレビも冷蔵庫も洗濯機も電子レンジもポットも何もないのです。
敷きっぱなしのお蒲団の周りには、例の如くコンビニ弁当の容器と数本の調味料が無造作に置かれ、その周りには衣類が脱ぎ散らかしたまま放置されているのです。
死に様が生き様を物語ると言っていますが、この女性の生き様がそうであったとは想像したくはありませんでした。
彼女が発見されたのは、死後3日目だったそうです。
不幸中の幸いと言っていいのか分かりませんが、吐血した血による異臭は多少有ったものの体はさほど腐乱しておらず、ウジ虫が発生した様子は有りませんでした。
友人が偶然電話に出ない彼女の事を心配し、警察に電話をして同行してもらっうように話して、自宅へ尋ねたところ亡くなっている彼女を発見したようです。
私は話を聞いて、その凄い直感と、素早い判断と行動に驚きました。
もし自分自身がその立場になった場合、”もしかして友達が死んでいるかも?”なんて真面目に考える事はありえません。
たとえ2日間連絡が途絶えてしまったとしても。
さらに、その状況判断で根拠なくいきなり警察まで連れていくなんてできませんよね。
なのになぜその友達は、そこまでの判断ができたのでしょうか?
実は友達である女性は、半年前に身内を死後1週間の孤独死で亡くされたばかりだったのだそうです。
その時も偶然第一発見者となり、その死に様を見た事で精神的にも大きなショックを受けていたのです。
その印象が強烈に残っていた為に、躊躇どころか咄嗟に行動していたのだそうですが、友達の事を気にしていたのでしょうね。
先にも書きましたが、不幸中の幸いというか、友達の行動のおかげで、室内の状況が極端にひどくならなかった為、ご遺族の負担もそう大きくはなりませんでした。
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今年になって死後3日以上発見されなかった孤独死の現場は、当社の取り扱いだけでも今年50件を超えました。
身内や友達との連絡が少し途切れたら、”もしかして死んでいるかも”なんて考えなければいけない時代になってきたのかと思うと悲しくなりますが、こんな現実を見ていると、”もしかして”を意識する事は大切な事なのですね。
故人となった彼女には、”もしかして”と思ってくれるお友達がいたのでまだ良かったのですが、一カ月たっても”もしかして”気づいてもらえない人が多いのが現実です。
読者のみなさんには、”もしかして”と心配してくれる人は何人いますか?
自分から、家族やお友達の事を意識して身近な人たちで孤独死を防ぐためにネットワークを作ってもらいたいと思います。
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私は現在単身赴任中なのですが、3日以上連絡がなかったら職場に連絡して見に来て貰ってね、と夫にお願いしています。
というのも、昨年、40代の友人が突然死してしまい、人事ではないなぁと実感して・・。
貴社のブログを読んでいても強く感じますが、未来は誰にもわかりませんし、日頃からの備えをしておかないとと思います。
・・・まずは家の掃除から始めないと・・。
は昔の話になったのですね。
家族以外のネットワーク・・・・・
男性には難しいのかもしれません。
家族以外にもそういった仲間を見つけられたら幸せですね。
携帯電話を持っていても、メール・着信もほとんどないですし
ここのブログを読み始めてから孤独死ということが決して他人事ではないと思うようになり、自分の持っている物などの整理をするようになりました。なんだか「いつそうなってもいいように準備」しているようで淋しい気持ちにもなりますが、ほんとに先のことなんて分からないですからね。