雪解けが進み、春らしく穏やかな風が降り注ぐ清里高原。
今年度最後のやまもりキャンプは、「春一番の山登り」です。
総勢33名で飯盛山頂上を目指して歩きました。
始まりの会が終わって、さっそく森へ出発です。
あたたかなお日様と春の初めのひんやりとした風が合わさって、初日から外遊び日和の天気でした。
3日程前に降った雪は早くも水に変わり、普段川にならないような道も川のように水が流れます。
雪解けからも春の足音を感じました。
ファームショップ横のフィールドに到着すると、
牧柵の上でのんびり景色を眺める男子がいたり、
とにかく心行くまでドロケイをするこどもたちもいました。
大勢の子どもが関わったドロケイでは、高学年たちがリーダーシップをとり、
ケイサツの数やドロボウが隠れる時間数まで決めて進めて行きました。
スタッフが介入し過ぎるとなかなか定まらないルールも子ども同士が関わることで、
みんなが納得した上で遊んでいるようでした。
クラフト女子チームは職人のようにモノづくりに励んでいます。
ファームショップ横からは、飯盛山が良く見えるので一足早くのぞいてみました。
遊びが一段落するとファームショップ横に残って遊ぶチームとリスの森で雪合戦をするチームに分かれました。
高学年を中心に激しい雪玉の応戦です。
ルールをここでも決めたのですが、どちらかのチームが「まいった!!」と言うまでということになりました。
なかなかまいったせず、体力の続く限り続いたのでした。
卒業式や終業式を終えて、学校生活に一区切りついたからか、リミッターが外れたように遊んでいました。
自然学校へ戻って夕ごはんをすませたら、翌日の飯盛山登山に向けた作戦会議です。
この日は、作戦会議に先駆けて「やまコント!!」と題して、
かんちゃん・ベリー・むーみんの3人で笑いを交えながら、山で起こりそうな危険を子どもたちに伝えました。
セリフが飛んでしまうアクシデントはあったものの、子どもたちは大爆笑!
コント中は、笑っていたみんなもスタッフが伝えたかった安全については、しっかりと頭に入っていてくれました。
引き続き、作戦会議です。
今回は、小学1年生から中学2年生までの子どもたちが参加したのですが、
特に小学校6年生以上の子どもは12名と多かったのも特徴的でした。
今回は全員の持っている力を最大限に引き出したい、
という考えから小学校6年生以下のグループと中学生以上のグループに分かれて話し合いました。
中学生以上のグループは、八ヶ岳登山などを経験してきた子もいる頼りがいのあるメンバー。
登山中の配置やペース配分など、自分たちの経験を交えながら考えてくれました。
小学生グループでは、登山の役割について話し合いました。
子どもたち自身で意見を出し、決めてゆきます。
自ら司会担当や書記に名乗りでてくれる子がいました。
決まったのは「ゴミ(美化)・保健・地図・おかし・写真」など。
子どもも多いとそれだけ多くの意見が飛び出るのですが、意見を聞くときには聞き、
決断しないとならない時にはしっかりと決断してくれていたので、不満がでることもなく、スムーズに決まっていきました。
両方の作戦会議が落ち着いたところで、飯盛山登山のスローガンをみんなで決めました。
スローガンは、「あんぜんに たのしく なかよく あきらめずに あるこう そして おどろう!」
このスローガンをむねに明日は全員で山に向かっていきます。
2日目、朝食前に登山を控えて心を一つになろう。
という思いでゲームを行いました。
1つ目は、全員で手をつないで「フラフープリレー」です。
全2回リレーを行ったのですが、コミュニケーションをとることで1回目うまくいかなかったところを見事に修正。
「ならぶ順番を変えてみようか?」や「逆回りに回してみよう!」など。
そうした声掛けもあって、2回目はなんと30秒も短縮できました。
2つ目は、「伝言ゲーム」。
お題は「ここは キープ協会です」でしたが、
簡単なようでいて最後までゆくと「ここは キット教会です」に…。
短いことばであってもみんなに確実に言葉を伝えることの難しさを感じました。
朝のラストは、登山前の準備体操にパーフェクトヒューマンならぬ「マウンテンヒューマン」を踊りました。
思いがけず子どもたちは大盛り上がり!もちろん身体もほぐれ、気持ちもあたたかくなって山登りへの準備が整いました。
朝ごはんを食べたら、車に乗っていよいよ飯盛山に向かいます!
登山口の獅子岩駐車場へ到着したら、マウンテンヒューマン!
登山前最後に全メンバーで円陣を組んだらスタートです!
昨夜決めたスローガン
「あんぜんに たのしく なかよく あきらめずに あるこう そして おどろう!」
を叫び、もう一度心を一つに山へ向かいました。
この日の最高気温は約10℃。スキーウェアを着ていると汗ばんでくる程です。
北川斜面にはまだ雪が、日当たりの良い場所は泥も目立ちました。
そんなことはおかまいなく、ぐんぐん進んでいきます。
先頭は、中学生に立ってもらったのですが、ペースを気にかけてくれ、
こまめに「うしろ大丈夫ー!」と声掛けをしてくれました。
そのおかげで少し歩いて立ち止まっては給水や行動食をとったり、
着脱なども体力が少ない子どもの目線にたってとることができました。
一歩一歩前へ進んで、パーっと視界が開けた。
と思ったら1つめの頂上の平沢山へ到着です。
お待ちかねのお弁当タイムです。
八ヶ岳から南アルプス、富士山まで見渡せる景色の中、
飯盛山を眺めながら、のんびりお弁当を食べました。
お腹いっぱいお弁当を食べたらおやつの時間。
この日は、「花豆ぜんざい」です。
中学生たちが中心になってつくってくれました。
おいしくできた花豆ぜんざいは、大盛況!
皆列をつくって食べにきていました。
ぜんざいを食べたら平沢山をスタート!
目標の飯盛山もぐんぐん近づいてきます。
山頂に全員で到着!
雲一つない絶景に子どもたちからも「景色がいいね~!」と声が聞こえてきました。
頂上から一つ降りた場所で乾杯!
ポカリスエットとレモネードで登った仲間たちと喜びを分かち合いました。
登りは大変だった道も下山は場所によってはおしりすべり。
雪まみれの泥まみれで自然学校まで戻ってきました。
かえったら、お風呂で疲れをいやして早めの夕ごはん。
夜はたき火を囲みながら、今日の登山の分かち合い。
そして、翌日の森遊びの作戦会議を行いました。
分かち合いでは、「たいへんだったけど、たのしかった」や
「下山が面白かった」「山頂に住みたかった」など素直な思いが多くでました。
ひとり一人をみんなが尊重し、大事にできるからこそ
このような意見が自然とこぼれてくるのかなと感じました。
最後はやまもりテーマソング「ふるさと」を合唱。
明日は最終日、思い残すことがないよう、思いっきりあそぼう。
3日目、最終日もスカッとした青空です。
昨夜の作戦会議のリクエストにこたえて、テントの森へ行きました。
森へ到着するとスタッフが介入しなくとも、いろいろな遊びを展開する子どもたち。
特に高学年たちが遊びの拠点に入るとリーダーシップをとって、周りをリードしてくれました。
クラフトやノコギリ、ダム作りなど…ゆるやかにのびのびとした空気が広がります。
森での思い出作りを終えたら、自然学校へ。
今回のキャンプを振り返るとやさしさに溢れた3日間だったなと思います。
特に中学生を含む高学年のみんなは大活躍でした。
スタッフから何かをお願いしてもイヤな顔をせず、やることをやり、
ふとあたたかい声をかけることができる子どもたちは、こんなふうに育って欲しいと本当に思う姿でした。
きっとあたたかく手助けしてもらった子ややさしい声をもらった子たちは、
その満たされた時の心でいつかまた大きくなった時、
困っている誰かに手を差し伸べてあげられる人になるんじゃないかなと思います。
そんな良い循環を生み出せる手助けを今後もしていきたいです。
17年度、一年間を終えてみて大きな怪我や事故なく終えることができ、
こころから皆さんに感謝しています。
そして、2018年度さっそく4月に第1回目を控えておりますが、
また新たなスタッフ体制でスタートします。
メンバーは変わっても大切なことはいままで通り、
これからも、子どものこころの「ふるさと」として
帰ってこられるやまもりキャンプでいたいと思っていますので、
よろしくお願いします。
かんちゃん・ベリー・むーみん
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