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年金の運用

2020-06-24 09:46:00 | 分析・観察
日本の年金の原資は独立行政法人によって運用されていて、この運用成績は大体アメリカの上場株式のリターン(S&P500)に近い。2001年から平均年3%で増やす運用が成されている。
かつてウォーレン・バフェットがほとんどのファンドはS&P500を上回るリターンを出さないと述べて実証したことからすれば彼らは優れた運用をしていると考えられるだろう。
この独立行政法人(年金積立金管理運用独立行政法人、略称GPIF)は、運用の原則としてESG投資を挙げていることで知られている。環境・社会・企業統治の観点から企業を評価して投資判断を行うという手法である。
これは世界の公共善のためにそうしているのではなく、百年などの長期かつ170兆円近い巨額運用という前提からすれば、最高のリターンをあげるのがESG投資だから、という見解からきている。
(公式サイト
これまでに良い成績をあげてきたファンドが、これからも良い成績をあげるために最高の戦略がESG投資であると判断していることの意味は大きい。
これからこの巨額の資産は、ESGの観点から優れた企業に投資されていき、マーケットで評価されることになる。裏を返せば、マーケットで評価され、効率的に多額の資金を集めてビジネスを拡大しようと思ったら、ESGの観点に着目したESG経営をすることが正解だという世界になっている。

ここまでくると、ではESGの評価を決めるトリガーは、環境・社会・企業統治で具体的に何なのかという問いを考える必要が出てくるのだが、これは他の経営要素とおなじで、何となく正解の方向性は分かるが曖昧な状態である。
温暖化ガスの削減努力、男女平等、多様性のある取締役会などの観点があり、その程度についてはどこまでやれば優秀とするかファンドごとの考えがあり…百家争鳴である。
今後の経済の在り方に大きな影響を与えるであろうESGについて、色々な企業が思い思いにレポートを出しているし、メディアもニュースを出している。日頃のビジネスの意思決定に広く影響してきそうなので、情報収集を続けようと思う次第である。



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