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金融サイクルと社会

2020-08-15 23:59:00 | 分析・観察
終戦記念日にあたって、社会の平和と関連する経済プロセスの話を一つ記載したい。それは、過去に戦争が起きてきた要因の中には金融環境のなかの「バブル崩壊」の影響があり、且つ現在は対策が開発されつつあるという話だ。

その金融サイクルは、シンプルな貸し借りのメカニズムで成り立つ。
①初期
お金を慎重に借りて、働き手が道具や機械を改善することで有効に借入金を活用し、きちんと返す循環が成り立つ。
②中期
貸したお金と金利が返ってくることで安心した貸し手は「もっと貸そう」と提案する。借入を行う働き手も、もっとお金を借りてたくさん稼ごうと考えて借入を増やす
③バブル期
借入を行う借り手は、やがて業務に関係ないような金融利益目的での土地などの売買にお金を使うようになり、価格はバブル状態となる。貸し手も金利で稼ごうと、信用状態をよく確認せずに貸出を増やす
④後期
返済に困った借り手が現れ始め、返済のために土地などを売り始め、価格は急落し始める。返済出来ない借り手がたくさん現れて、貸し手も事業を縮小したり閉鎖したりする

このサイクルは、ヘッジファンドの有力マネージャーであるレイ・ダリオの研究によれば世界史の多くの局面に現れていて、④の不安定な社会はマイノリティへの迫害や海外への戦争につながっていた。1920年代の世界恐慌による大日本帝国の始まりにも影響する話であろう。国が豊かで満ち足りていたら、「資源獲得のために侵略」という意見は多数派にならない。
2008年のリーマンショックは、FRBが銀行の民間救済を仲介したりAIGに資金を供給して流動性を保つなど、ダメージを軽減することに努めて社会不安を抑えた。確かに経済のダメージは一定あったが、争乱も起こさずに収めたことは快挙だった。
金融サイクルへの対策はグレードアップされているのだ。

現在はコロナショックで生活のメカニズムや経済の流れに変化が起こり、社会不安は増している。金融対策はとられているが、ニュースを日々見ていて、以前から各国で右派の台頭に見られた外部者への怒りは社会の中で強まっているように思う。
次の対策グレードアップが待たれている。

社会不安の原因を少しずつ解き明かし対策して、平和な世の中にし続ける動きが常に必要とされているのだと改めて思う。



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