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人権保護実現のプロセス

2020-04-13 00:50:00 | 分析・観察
人権が話題になる時、その強制力に疑問を持つ方はいないだろうか。
例えば今回新型肺炎の初期のニュースのなかで、アジア系の旅行者への差別的な行いなどが話題になった(今では欧米の方が感染者が多いが)。
ここで、差別禁止・迫害禁止という観点から人権の法的な実現プロセスを主要項目についてみると、

・憲法で国の私人の扱いについて差別を包括的に禁止している(憲法14条)。
但し憲法は私人同士の問題には直接適用されないことが三菱樹脂事件の判例で示されている。
・私人同士の関係については、男女雇用機会均等法(厚労省の解説)で性的な差別の禁止を明記している
パワハラは今年、大企業で社内に対策体制を作るところまでが義務になったくらいで、まだ公には保護の対象ではないと言える。(厚労省サイト
・国籍の差別については、民法709条の不法行為に対する損害賠償義務と人種差別撤廃条約等の条約および憲法14条を組み合わせて違反者に損害賠償させた判例があり、実質規制が存在する。(小樽温泉入浴拒否事件の判例
・残業の強要は禁止された。(厚労省の解説サイト
・宗教での労働差別は、厚労省からなるべくなくすように企業へ協力依頼が公式に出ている。(厚労省サイト
義務ではないので社会での評判を考慮して企業が自律的に努力するにとどまる。

今後の世論動向、それを形作るような、人権に目を向けるだけの社会の豊かさによってさらに規制は人権尊重に動くと思われるが、現状は上記の通りである。今はパワハラが微妙な扱いにあり日常生活でも許容度に人による差があるなど、まだ議論の途上にあるようだ。
以上から、人権尊重の実現プロセスは未だ発展途上にあり、今後さらに議論が広くなされ強化が分野により進む、というのが僕の見解である。


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