京都市市長選が近く行われる。
投票率向上のための啓発活動として
選挙管理委員会が街中にポスターを貼っている:
そこには笑顔の男性と女性が
「『優しさ』かな」
「『絆』だよね」
というセリフと共に描かれている。
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そんな曖昧で悠長なこと言ってる場合じゃないだろう、
と実情を知っている人なら思うはずだ。
京都市は放漫経営により財政破綻寸前なのである。
大阪を笑ってはいられない。
世界に冠たる観光都市で外部からの資金獲得には困らないはずなのに、
どうして借金を溜めこむことになったのか。
このポスターに反発を覚えるのは、
こうした実態を綺麗な言葉で糊塗しようという思惑が透けて見えるからだ。
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大阪は維新の会を率いる橋本市長が辣腕を奮っている。
まだ評価をするべき段階ではないが、少なくとも現状の課題に対し
正面から取り組んでいるようには見える。
対する京都はどうかというと、立候補者は前回と同じ、
門川大作(現市長)と中村和雄である。
この二人は前回市長選で競って(差は千票未満)
僅差で門川が勝った。
門川は教育畑出身らしく、公立中学・高校の改善には
一定の効果を挙げている。
市会計にもメスを入れ、実質収支は22年度決算で黒字に転換した。
http://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/cmsfiles/contents/0000105/105022/22kessanngaikyou.pdf
ただし。この資料の6ページで騙されないでほしいのだが、
市の実質市債残高は1兆9000億円もある。
グラフの縦の目盛を細工して大きく残高削減しているように見せているが、
実際は3年かけて3%程度しか減らせていない。
借金を100年かけて返済しようとでも思っているのだろうか。
絶望的な金額である。
あと、門川は金銭授受に関して色々黒い。
中村は、共産党の支援を受けている。
京都市は、過去に共産党出身者に市政を任せたときに
教育・インフラともに痛い目にあった歴史があるので、
(元々アンチ共産であることを除いても)私は到底支持する気になれない。
門川に不満があったとしても、である。
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結局、どちらが「まだマシか」で市長を選ばなければならないところが辛い。
京都市はいずれかの段階で、利権に切り込まないといけないのだが。