教科書採択は8月26日の教育委員会
来年度から使用するすべての小学校の教科書の検定が8月26日に行われます。
教育基本法の改定を具体化した新学習指導要領、新検定基準後、初の全面的な教科書検定です。
展示会にご参加を
こどもたちにより良い教科書を手渡すために、ぜひ展示をご覧になり、アンケートにご記入ください。
今回の教科書の主な特徴をまとめました。
過去最大のページ数
各教科の平均ページ数の合計は、現行の8475ページから9323ページ(英語を除く)と過去最大になりました。わずか週1回の道徳教科書なのに国語教科書と同じ厚さです。教科書が大きく厚くなると、ランドセルが重くなります。来年の4月から4年生以上は殆ど毎日6時間授業です。子どもたちの負担がいっそう増えることが心配です。
初めての英語教科書
目次からたくさんの英文が並んでいます。「名刺交換をしよう」「誕生日はいつ?」など、英会話に慣れさせるための活動が中心です。そのため「What would you like?」(どれにする?」など、文法的にもむずかしい言い回しが出てきたり、それに答えるために沢山の単語が紹介されています。5~6年生の間に600~700語の単語・連語を習わなくてはなりません。理屈抜きで丸ごと覚えるのは、子どもにとって大変なことではないでしょうか。
道徳教科書ー批判を受けてなくなったものもあるが
安倍首相の写真を掲載したり、「正しいあいさつ」を問うなど、批判されていた題材の中には、今回なくなったものもあります。
しかし、全体としては依然として「規則を守る」や「愛国心」など、文科省の定めた価値観をおしつける内容がほとんどです。「義務を果たさない人は、権利を主張することはできません」などと、権利と義務を並列させたものも目につきます。
一方、子どもの権利条約や世界人権宣言を扱う教科書が増えました。戦争と平和、人権について考えることのできる題材もあります。
社会科教科書は
領土問題で露骨な検定
領土問題について「政府見解」を教科書に書き込ませる露骨な検定が行われました。そのため、5・6年生で繰り返し取り上げられ「日本固有の領土」「領土問題はない」などと変更になりました。日本政府の見解だけを繰り返すよりも、歴史的な背景を示して、子どもたちに考えさせた方が、勉強になるのではないでしょうか。
本来教科書内容は学問的な見地から妥当性が認められることを基準に書かれるべきで、時の政権の政治方針を子どもたちに押し付け刷り込んでいくような検定は「教育の政治利用」ともいうべき事態です。
歴史の事実でしょうか?
「ヤマトタケル」などの神話が、どの教科書にも登場しています。また、どの教科書も「日露戦争の結果がアジアの人々に勇気を与えた」などと、一面的な歴史認識に貫かれていることも重大な問題です。
私が驚いたのは、東京書籍の6年生社会科教科書でした。「ヤマトタケル」の記述も他社と違い神話と史実が混同。憲法の記述もひどいものでした。同じ教科書とはいえこんなに違うものかと感じました。