4月18日、緊急を要する課題について、区長あてに緊急申入れ・提案を行いました。対応してくれたのは副区長。前向きな対応をしていただきました。はたの・浅子・山中・横田・きたがわ議員から各分野の項目をだしてもらい、私ぬかがが調査したうえでまとめて、つくり上げました。その内容をお届けします。
足立区長近藤やよい様
緊急要望
2022年4月18日
日本共産党足立区議団
Ⅰ 平和の課題について
ロシアのウクライナ侵略により世界の平和秩序が脅かされています。平和と安全の都市宣言自治体として、緊急の対応を求めます。
1 平和の横断幕を
区は、予算委員会でのわが党の「(ロシアのウクライナ侵略戦争などが起きている)平和が問われているときだから、区の玄関正面に平和の意思を表す横断幕掲示を」と求めたのに対し、「今まさにそういう時期、調整させていただく」と答弁しました。ウクライナへの人道危機支援募金を取り組んでいることと連動し、時期を逃さずただちに平和への願いを込め、区の意思を示す横断幕を掲げていただきたい。
2 ウクライナ避難民都住受け入れ支援を
厚木市では、国際平和と核兵器廃絶を求める都市宣言(1993年4月1日告示)に基づき、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴う厚木市への避難民に対して支援を行うための指針を設け、「あらゆる相談の受け付けを通じ、平和を願う世界の一員として、避難民の皆さまを不安なく受け入れられる体制を整えていく」と市長が表明しています。
東京都が最大700戸の都営住宅への受け入れを表明、最も都営住宅が多くウクライナ人も在住する足立区として、現状を明らかにするとともに、積極的な支援策を講じていただきたい。
(1)ウクライナからの避難民の生活を支援しようと、東京外国語大(府中市)は、受け入れを行う自治体や企業向けにオンラインのウクライナ語講座を開講します。期間は4月22日~5月20日で、月・金曜に計6回を予定。受講料は無料で、申込期限は4月19日までとなっています。担当者を決め受講をし、支援につなげていただきたい。
(2)東京都は住まい(都営住宅)や電化製品等を支援していますが、受け入れる基礎的自治体ができることも沢山あります。横浜市では「オール横浜支援パッケージ」を打ち出し、各区でも相談体制、「ポケトーク」による通訳体制を整えるなどしています。足立区でも受け入れ相談窓口を設け、支援体制を整えていただきたい。
(3)そもそも日本はすべての難民申請の0・4%しか受け入れていません。この改善を政府に働きかけていただきたい。
3 足立の戦跡マップ(足立区の戦跡マップ作成とホームページ等への公開)
予算委員会で「区内の戦跡マップの作製とHPへの公開」を求めたところ、区は「HPで公開している」と答弁しましたが、実際には戦跡マップはありません。採択された議会請願の具体化を図るために、緊急に対応していただきたい。区制90周年の今年、北区や新宿区などを参考に、①「区内にあった9ヶ所の対空高射砲陣地やサーチライト陣地の場所、東京大空襲の被害」などを記入した足立区独自の「平和マップ(戦跡マップ)」を作成し、ホームページでの公開②区民の誰もが手に取れるよう区施設での配布、③小中学校での「平和マップ(戦跡マップ)」を活用した平和教育の推進、に向けて具体化されたい。
Ⅱ 物価急騰対策・くらし支援策
1 学校給食食材費緊急支援
令和3年2月に文部科学省が「学校積極的な支援策を講給食実施基準」を一部改正し、学校給食における児童・生徒が摂取すべき栄養量が変更され、足立区でも基準を満たせない日もありました。また、小麦・油脂だけでなく、野菜類、乳製品をはじめありとあらゆる食材価格が高騰しています。区は「より安価で購入できる旬の野菜や魚の使用、または果物の提供回数の削減を検討するなど、献立を工夫」と言いますが、工夫には限度があります。葛飾区や新宿区では、今年度公費負担を増やしています。足立区でも現場(栄養教諭)の声を聞きながら、緊急に公費支援を拡充していただきたい。
2 シルバー人材センターのインボイス制度導入について
令和5年10月から導入が予定されているインボイス制度は、高齢者の就業機会の提供などにより、社会参加を促進、生きがいの充実、健康の保持増進ばかりでなく、減り続ける年金を補う上でも生活を支えている「シルバー人材センター」も対象となっています。
現在、センターは会員に対し、「分配金」に消費税が含まれていることを周知している。インボイス制度が導入された場合の対応としては、消費税分を支給しないことで事業者登録しなくても済むようにするとのことだが、これでは結局社会保険料の負担増や物価の高騰の中で手取り額が減り、くらしの困難を広げる事になります。
形式的に個人事業者であることをもって、インボイス制度をそのまま適用することは、地域社会に貢献しようと努力している高齢者のやる気、生きがいを削ぎ、ひいては地域社会の活力低下をもたらすものと懸念されます。
区として国に対しシルバー人材センター業務に対し「インボイス制度」を適用しないよう求めるとともに、導入された場合でも会員の収入減とならないよう区として対応をして頂きたい。
3 食糧支援(福祉事務所)
物価高騰により多くの区民が食費など困窮・ひっ迫状態に追い込まれています。苦しいのは子育て世帯や非課税世帯だけではありません。防災備蓄物資のアルファ化米などを活用し、福祉事務所やくらしとしごとの相談センターでの配備・配布を、緊急に実施していただきたい。
4 祝レシートde90周年事業について
4月から祝レシートde90周年事業が始まっていますが、周知が不十分で見切り発車の感はぬぐえず、このままでは失敗に終わりかねません。
(1)区民・事業者の中には「申し込みは一人1回」「2店以上にまたがれば有効である」ことなど、まだ理解していない方がいます。周知を強めていただきたい。
(2)「ポスターが小さくて分かりにくい」の声もあり、以前から指摘しているように大型のポスターも掲示していただきたい。
(3)小売店によっては、「用紙を10枚しか貰えなかったので足りない」など、不満の声が上がっています。必要に応じて追加配布をして頂きたい。
(4)地域ごとの参加店舗一覧を作成し、公共施設や参加店で配布できるようにしていただきたい。(5)周知に時間がかかることから、期限を延長していただきたい。
Ⅲ新型コロナ対策
新型コロナの新規感染者数は1月後半~2月末までの期間に比べて減少しているとは言え、今なお区内では1日300人前後の新規感染者が確認されており、高止まり傾向にあります。さらにオミクロン株の新系統で、従来型(BA・1、BA・2)よりも感染力が強いと言われる「XE」型の感染が国内でも確認されており、今後、第6波以上に感染が広がる危険性も懸念されています。「第7波」の感染急拡大を避けるためも、第五~六波の教訓を生かし、今こそ「いざという時」の体制等の整備を緊急に求めます。
1 教職員の定期的検査と、PCR検査キットの配布・常備
(1)教職員の定期的PCR検査キットは、都に活用を希望した学校では、有効に活用されていますが、未実施の学校も多くあります。手続きも煩雑ではなく、利用したいと教員が考えていても学校として申し込んでいなければ利用できません。とりわけ中学校は濃厚接触者の特定を行わないという変更があり、感染拡大防止のためにも必ず全校が取り組むようにしていただきたい。
(2)「一人感染者が出たら感染防止策」を講じるために、都の事業が終了しても、学校にPCR検査キット若しくは定性抗原検査キットを常備し、必要な時に学校長が判断して活用できるようにしていただきたい。
2 保育園職員等のPCR検査実態把握と勧奨
数は減っているとはいえ、感染者が出て休園する保育園はまだ続出しています。
(1)保育施設の定期的PCR検査は、都に直接申しこむので、どのくらいの施設が定期検査を受けているかすら全くわからないことを予算委員会で指摘し、区は「申し込み状況まで個別には把握していない。なるべく検査をして欲しいのでの実態の把握も含めて案内も強化」と答弁しましたが、実際には行われていません。直ちに改善を求めます。
(2)世田谷区の事例も紹介して抗原検査キットを各家庭に配布し、心配・疑いがある場合に活用できるように求めたところ、「子どもの検査が受けられないことは一つの課題」としながらも、区長がキットが手に入らないと言及しました。感染が収まっている時期に何をするのかの違いは大きく、感染者数の落ち着いている今こそ、先手先手で対応し最優先で今後に向けて取りくんでいただきたい。
(3)「小学校等休業支援金の案内チラシ」「休園時の保育園給食キャンセル事業者への支払い」について、所管により取り組み始めていますが、未だ実現していません。ただちに対応していただきたい。
3 デイサービス利用者へのPCR検査
高齢者施設への定期的PCR検査についてわが党は、第1回定例会での代表質問や予算特別委員会で「デイサービスの新規利用者だけでなく従前からの利用者への拡大」を求めてきたところ、区は予算特別委員会で「区としても継続的にデイサービスを使われている方に関して予算も勘案しながら検討していきたい」との答弁を示しました。従前からのデイサービス利用者も対象とした定期的PCR検査実施の具体化を早急に図っていただきたい。
Ⅳ その他の緊急課題
1 北鹿浜小跡地問題(私立校誘致に3億円)
区は学校統廃合で北鹿浜小学校を廃止し、その跡利用として「幼稚園など文教施設が隣接しているので文教施設を誘致したい、サウンディング型市場調査で1法人が活用の意向があった」と1月に報告。区議団は「地元の声を生かすべき。1法人が活用意向があると言っても、建築費や貸付要件が合わずに中止になる可能性がある」と指摘。2月の委員会ではわが党の指摘通りに「法人が採算面で折り合わないから進出は辞退する」となったことが報告されました。すると区は3月に「小中高校を新規設置する場合に、3億円程度を上限として建設費用を一部助成する」ことを打ち出してきました。 統廃合で地域の学校をつぶし、その跡にわざわざ学費のかかる私立学校を呼ぶこむために税金をつぎ込むことは、お金の使い方が間違っています。十分な説明もなく「私立学校なら何でもアリ」のように税をつぎ込むことは、直ちに撤回していただきたい。
2 障害者の投票バリアフリー
郵便投票の改善など障害者・要介護者の投票バリアフリーの実現は、公選法など国の規定の改善が必要なモノも多くあります。今参院選から、足立区でできることを直ちに実施していただきたい
(1) 国は視覚障害者の広報全文を点字、音声、拡大文字による「選挙のお知らせ版」を発行するよう都道府県選挙管理委員会に通知を出しており「必要な財政措置を行う」としています。視覚障害者から広報の配布が遅いとの苦情が寄せられている事から、7月の参議院選挙では、視覚障害者の実態をつかんだうえで、できるだけ早く視覚障害者にきちんと届く措置を講じて頂きたい。
(2) 身体が不自由で自動車で投票に来た場合、駐車場がなく路上駐車をせざる得ない投票所があります。路上駐車中に安全に投票ができるように係員つける、または投票中のステッカーを作るなど安心して投票ができるようにして頂きたい。
3 生産緑地の買い取り枠組み
区の第二次都市農業振興プランでは「生産緑地でも区民農園の開設が容易になったため、今後は、生産緑地を含めた新たな区民農園の開設を目指す」「区民農園の申込み倍率は約3倍。10年後に1倍になるよう年間で140区画を増やす」としている。「令和6年度に1400区画に、11年度に2100区画をめざす」としていますが、スタートから大きく立ち遅れ、現在12農園729区画で、令和4年度の増計画はありません。
都の「生産緑地買取・活用支援事業」は農地を福祉農園や区民農園に活用した場合に都が1/2補助する仕組みですが、活用について全く検討されていません。産業経済部・都市建設部が力をあわせ、区としての支援の枠組みをただちに構築していただきたい。
4 小規模工事
(1)足立区契約事務規則の一部改正に伴い、学校長権限における工事契約が「100万円未満まで」拡大されました。
小規模工事契約における発注の多くが学校関連ですが、学校長権限の拡大によって、職員収賄事件における足立区公契約等審議会答申を受け取り組んだ予定価格の不適切な算定、事業者の偏り、競争見積りの不適切な実施等の改善策が確実に実施されるよう、契約課としてチェックすること。
(2)収賄事件の教訓の「見える化」は、未だ具体化されていません。ただちに改善されたい。
5 アスベスト調査事業者実態把握と資格取得支援
予算委員会で求め、その後確認した所、環境部は「産業経済部と相談しながら、資格取得をできるよう支援策を検討する」とのことでした。9000件ある対象事業に対応できるよう、スピーディに対応していただきたい。
6 東京女子医大の運営について
厚生委員会で指摘したように「荒川区にあったときよりも酷い」との苦情が相次いでいます。「コンビニや売店がないために、入院時に必要なものも買えず不便」「飲料は自販機で買うしかないが、売り切れで水も買えないことがあった」「以前あったランドリールームがなくなり、多額の負担が生じた(パジャマ・タオルセットで数千円)」「TV・Wifi・冷蔵庫は使用しなくてもパッケージで1日600円かかる」「入院で多床室を希望するとイヤな顔をされた」「金儲けに走っている。評判が悪い」など沢山の声が寄せられています。また「医師や看護師数が少ない」との声もあがっています。
多額の税を投入してきた責任をはたすために、以下の対応を求めます。
(1)売店不足を早急に解消するよう働きかけていただきたい。患者のいのち・健康に関わることでもあり、当面キッチンカーを誘致するなど対応していただきたい。
(2)患者からも「営利主義」とみられるようなあり方を改めるよう、働きかけていただきたい。
(3)かねてより懸念してきた医師や看護師数について、明らかにされるとともに、必要に応じて改善を働きかけていただきたい