年を重ねて友人からの嘆きを聞く。夫が家に一日中いて妻を束縛して困ると、退職して交友関係が狭まり妻だけがたよりなのです。一方夫に先立たれた妻は孤独からか鬱になり老人ホ-ムに入所、住む人のない家にみかんがなりさびしさが増す住宅地です。時代とともに変わっていく家族について「子供が育つ条件」柏木恵子著は問題を投げかけています。なぜ育児不安なのかと、高学歴の女性が増え、家事労働の簡素化(電気製品利用)結婚しても夫の帰宅時間が遅く父親の育児不在、隣近所の絆もなく、少子化の過程の中で閉ざされた「子育てだけの生活』社会的孤立を生み子への虐待になったりしているのではないでしょうか?
幼児のバイオリンの音と共に母親の怒鳴り声が聞こえて、とびだいていきたくなったこともあります。普段は優しい美人の母親が、虐待ともいえる態度で接しているのです。また過保護で、バナナの皮がむけない子 なぜ遅刻したのかと聞けば「お母さんが起こしてくれなかった」と、「先回り育児」からか指示待ちの子 他人との対立を極度に避け活力の低下がみられます。私は八人兄弟の末っ子でしたから兄に将棋を教えられ負ければからかわれたものです。今の子は負けるとわかる相手とは挑戦しない傾向があります。自立してしかるべき青年が母親の年金生活にぶらさがってる問題も多発しています。
また家族の変化 手伝いよりも「勉強」 欧米では男性も子供も家事参加します。「共食」は家族の相互理解が深まるのに親たちの遅い帰宅が家族をバラバラにしています。結婚しない女性 子供を産まない夫婦が増えています。
「子供も育つ、親も育つ」ための生涯発達の視点を著者は提示しています。
○生涯にわたる人間の成長 自分が日々成長しているという実感 高齢化社会の中で個として生きる力を!
○発達しつづける親 大人の役割 ○おとなが子育てから学ぶ価値 ○「子を育てること」と「自ら育つこと」を述べ女性が仕事と家庭を両立できる環境を作る。複数の役割を主体的に担うことの重要性についても書かれています。働くことは、性を超えて 人間の権利 責任です。と同時に家族役割を担い家族生活を享受する権利と書かれています。私自身三人の子を育て教職を兼ねてきましたが、やはり女性が自立し個として生きることの重要性を痛感しています。
次女はともがせきの親に育てられたせいか、家庭での子育てに専念していますが、やはり過保護と先回り教育が見られます。家庭だけでなく仕事を通しての社会参加が視野を広げて個の成長にも役立つのです。子育てを終えた母親が、もぬけの殻になりぼけていく人を見ると、生涯仕事と家庭が両立できるような社会を創っていくことが課題ですね。
オランダでは同一賃金がパ-トでも保障され、時間も長時間労働は禁止されています。ワ-ク ライフ(勉強 教養 趣味 スポ-ツ等個人の活動)バランスを長い人生の中で再確認する必要があります。経済成長のみでなくいかに人生を送るかと問いかけています。
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