徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

【映画感想・サ行】 サマータイムマシン・ブルース ★★★

2005-08-14 | 【映画感想・サ行】
ストーリー:
夏休みなのに毎日大学に来ては、部室でたむろしている「SF研究会」の面々は、
大切な部室のクーラーのリモコンを壊してしまう。
翌日、いつものようにメンバーが部室を訪れると、
そこには見慣れない金属製の物体が置かれていた。
座席とダイヤル、レバーがついたそれは、タイムマシンのようにも見える。
そんなワケない、と言いつつも
「とりあえず昨日に戻って、壊す前のリモコンを持って来よう」と、
部員たちは軽いノリでマシンに乗り込むが・・・?!
(goo映画より引用)

出演:
瑛太、上野樹里、真木よう子、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、
永野宗典、本多力、佐々木蔵之介

監督:
本広克行

京都にある劇団「ヨーロッパ企画」による同名舞台の映画化。
舞台の評価も高いだけに、映画版も面白くできている。

「タイムマシンもの」。
となると、大昔か数十年先の未来へ行くイメージが強い。
だがしかし、この映画で戻るのは前日で、
戻る理由というのが、ぶっ壊れた部室のクーラーのリモコンを取ってくるため。
嗚呼、何という緩い理由なんだろう。 この緩さがいい。
でも、今日と昨日の伏線の張り巡らせ方がとても巧妙となっていて、
ラストで全て1つの話が繋がる脚本が、面白い要因の1つだ。

ストーリー冒頭で、何気ないSF研究会の野球をしている風景、
そして、彼らを撮影する写真部の風景が断片的に描かれていく。
その日常は、非常に不自然な描かれ方をされていて、1つに繋がらない奇妙な感覚を憶える。
この不自然さが、後のストーリーに大きく絡んでくるのだが、
ちゃんと時系列で描かれるべきであったように感じる。
伏線を張るために必要なのは明白なのだが、自然に描くべきであった。

脚本の巧妙さにばかりに目が行ってしまうのだが、
SF研究会の5人の面々の会話が面白く、
ボケと突っ込みの入れ方のタイミングが見事である。
また、ペンギンの置物、ファミコンカセット「ハリキリスタジアム」、
「ヴィダルサスーン」のシャンプー、河童の銅像などなど、
小道具の使い方の巧さも目が離せない所である。

全体を通してネタバレに繋がるため、細かなことが書けないが、
2度、3度楽しめる映画であることに違いない。


※余談
先行上映会のゲストとして、本広克行監督、川岡大次郎、ムロツヨシの舞台挨拶があった。
演じている側は、一体今日なのか昨日なのかどちらの日にちを演じているのか?
訳が分からなくなったのが、一番辛かったというエピソードを明かしてました。
本広監督は、今回は『踊る』と違うため、全面的に宣伝も行っているらしく、
『踊る』の時は撮影時の制限が大きいという秘話も暴露。
監督的には、今回は好きに撮れたから監督冥利に尽きるのでは??

兎に角、

ムロツヨシ

が面白いです。
本広監督はこの作品をきっかけに『交渉人 真下正義』に出演させたとのこと。
(でも、どんな役柄だったか全然知らないけどね。)
今後、注目の役者さんです。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
意外と (kossy)
2005-08-30 23:40:05
面白かったですね~

本広さんは「踊る」をやめて正解だったのかな。
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TBさせていただきます♪ (たましょく)
2005-09-04 11:37:23


 「タイムマシン ムダ使い」正にこの一言に

集約される作品でしたね♪



 ドタバタとおバカっぷり炸裂なSF研とそれ

を見守る?カメラクラブのふたりが絶妙なバラ

ンスでお話を進めてゆく演出も見事!



 小ネタや伏線など、もう1度観てチェックし

たいと思ってしまうほどに♪
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存外・・・。 (kazuki-kt)
2005-09-06 22:56:03
kossyさん、コメントが遅くなりました。



元々が舞台劇ですから、練られた脚本でした。

私も意外と面白く観ることができました。

もう1度観て、見逃している場面を確認したいと思っています。



本広さん、『踊る』から脱皮したいオーラが、

舞台挨拶から見て取れましたよ。
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Unknown (TBありがとうございます。)
2005-09-06 22:59:50
SF研とカメラクラブの面々の面白いこと!!

その中でも、メガネをかけているムロツヨシ、

最強に面白い!!



辻褄合わせ、小ネタ確認のため、

もう一度観てみたいと思っています。
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TBどうもです (かのん)
2005-09-06 23:35:27
冒頭は確かに不自然さを感じる一方で何か期待感も持っちゃいました。ビデオテープ巻き戻すみたいなキュルキュルって効果音がドキドキしちゃった。監督さんは最初は退屈だとおしゃってたらしいので、それをなるべく回避したかったんでしょうかね。
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TBさせていただきました (ミチ)
2005-09-07 19:35:27
夏も終わった今頃公開なんですよ~。

こういう映画大好きです。

舞台の映画化なんですね~。

集中して見ていないと、ときどき一日未来の人とか一日過去の人が混ざってたので混乱しそうでした(笑)
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TBありがとうございます (kazuki-kt)
2005-09-20 23:02:19
カノンさん、お返事が遅くなりました。



この映画を2回観て、

如何に冒頭の15分が重要かがよく分かりました。

ちゃんと辻褄が合っているのに驚きました!!



是非、もう一度観られることをお薦めします。
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TBありがとうございます (kazuki-kt)
2005-09-20 23:06:40
ミチさん、コメントが遅くなりました。



まぁ、微妙な季節の公開となってしまいました。

ギリギリ夏かなって所でOKじゃないかな??



こういう綿密に練られた脚本の映画は好きです。

元々は舞台ものですから、脚本がいいのは当然。

でも、今日と昨日がゴチャゴチャしそうになる。

それも分かる気がします。はい。
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遅くなってしまいましたが、 (健太郎)
2005-10-30 12:27:28
遅くなってしまいましたがTBありがとうございました。

楽しい作品でしたね。

SF研のおバカぶりと、未来人のふるくささが好きです。

細かいネタが多くて楽しかったです。

コミカルタイムスリップものの傑作ですね。

上野樹里が凄く素敵に見えました。

大好きです。

上野樹里も作品も。
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コメントありがとうございます。 (kazuki-kt)
2005-10-31 22:57:40
健太郎さん、コメントありがとうございました。



『STMB』(この映画のタイトル)、

お馬鹿なSFコメディで面白おかしかったですね。

馬鹿さ加減に目が行ってしまうんですが、

実に細かく計算された内容なんですよね。

これに一番驚いた次第です。



上野樹里、素敵でしたね。確かに。

私は真木よう子かな? あんまり目立たなかったけど。
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