相次いで惨殺された2人の女子高生。
喉元にハサミが十字架のように突き立てられた遺体の様子から、
マスコミは犯人を“ハサミ男”と名付ける。
やがて警察の捜査の遅れに非難が集まる中、第三の事件が起こってしまう。
夜の公園に十字に横たわる少女の遺体を発見したのは、
知夏という若い女性と安永という長身の男。
2人はある理由から被害者の少女の身辺を探っているうちに、
偶然に遺体の発見者となったのだった。
重要参考人として警察の監視下に置かれた知夏と安永は、
事件の真相を突き止めねばならない立場に追い込まれてゆく…。
(goo映画より引用)
出演:
豊川悦司、麻生久美子、阿部寛、斎藤歩、樋口浩二
監督:
池田敏春
同名ミステリー小説の映画化で、「このミステリーがすごい!」でも高評価だった作品。
読まなきゃなって思いつつ、結局今に至っている訳であります。
(最近、本を読んでない、読みたいけど時間がないというのが本音。)
原作のテイストがどの程度生かされているか分かりませんが、
作品自体の方向性、メッセージ性は共感できる部分があります。
自殺癖のある主人公・知夏のトラウマからの脱却といえますし、
辛い過去が生み出した憎悪が生み出す凶暴性と残忍さが見え隠れする点は、
説得力があるものと思います。
しかし、テーマが全然生かされていない画作りがどうにも拙く、
映画という枠ではなく、出来の悪い2時間サスペンスという薄っぺらい印象しか残りません。
(TVと映画という枠は別物なんですが、そう思わずにはおれませんでした。)
タイトルロールの麻生久美子と豊川悦司は、
2人が背負うものと凶暴性という二面性を巧みに演じ分けていました。
一方、「ハサミ男」を追う警察側の面々は2人と比べると何枚も落ちる演技は酷かった。
特に、若いために手柄が欲しい刑事の磯部。その熱気は伝わってきますが、
肝心の台詞回しも根本的に大仰なこともあるが、追う側のジリジリとした切迫感がない。
当然のこととして、ミステリーの謎解き的存在となるべきであるのですが、
遠く及ばないキャラクターとなってしまい、重要なパーツであるだけに非常に勿体ない。
更には、本多俊之が担当している音楽もただ五月蝿いだけだ。
劇中、彼のサックスがずっと鳴り響いていて、集中して画面を見ていられなくなる。
映画冒頭から、小説の「叙述トリック」の逆説的視点を巧く映像化していますが、
如何せん作品自体の出来栄えが悪いため、インパクトが薄まってしまっています。
大胆な味付けであるのに、それすら活かされていません。
主役も当然ながら、脇も映えなければ、映画はつまらなくなる。
更に、画に被せる音楽も効果的でなければ何の意味も持たない。
映画作りというものの難しさを感じさせてもらった1本であります。
喉元にハサミが十字架のように突き立てられた遺体の様子から、
マスコミは犯人を“ハサミ男”と名付ける。
やがて警察の捜査の遅れに非難が集まる中、第三の事件が起こってしまう。
夜の公園に十字に横たわる少女の遺体を発見したのは、
知夏という若い女性と安永という長身の男。
2人はある理由から被害者の少女の身辺を探っているうちに、
偶然に遺体の発見者となったのだった。
重要参考人として警察の監視下に置かれた知夏と安永は、
事件の真相を突き止めねばならない立場に追い込まれてゆく…。
(goo映画より引用)
出演:
豊川悦司、麻生久美子、阿部寛、斎藤歩、樋口浩二
監督:
池田敏春
同名ミステリー小説の映画化で、「このミステリーがすごい!」でも高評価だった作品。
読まなきゃなって思いつつ、結局今に至っている訳であります。
(最近、本を読んでない、読みたいけど時間がないというのが本音。)
原作のテイストがどの程度生かされているか分かりませんが、
作品自体の方向性、メッセージ性は共感できる部分があります。
自殺癖のある主人公・知夏のトラウマからの脱却といえますし、
辛い過去が生み出した憎悪が生み出す凶暴性と残忍さが見え隠れする点は、
説得力があるものと思います。
しかし、テーマが全然生かされていない画作りがどうにも拙く、
映画という枠ではなく、出来の悪い2時間サスペンスという薄っぺらい印象しか残りません。
(TVと映画という枠は別物なんですが、そう思わずにはおれませんでした。)
タイトルロールの麻生久美子と豊川悦司は、
2人が背負うものと凶暴性という二面性を巧みに演じ分けていました。
一方、「ハサミ男」を追う警察側の面々は2人と比べると何枚も落ちる演技は酷かった。
特に、若いために手柄が欲しい刑事の磯部。その熱気は伝わってきますが、
肝心の台詞回しも根本的に大仰なこともあるが、追う側のジリジリとした切迫感がない。
当然のこととして、ミステリーの謎解き的存在となるべきであるのですが、
遠く及ばないキャラクターとなってしまい、重要なパーツであるだけに非常に勿体ない。
更には、本多俊之が担当している音楽もただ五月蝿いだけだ。
劇中、彼のサックスがずっと鳴り響いていて、集中して画面を見ていられなくなる。
映画冒頭から、小説の「叙述トリック」の逆説的視点を巧く映像化していますが、
如何せん作品自体の出来栄えが悪いため、インパクトが薄まってしまっています。
大胆な味付けであるのに、それすら活かされていません。
主役も当然ながら、脇も映えなければ、映画はつまらなくなる。
更に、画に被せる音楽も効果的でなければ何の意味も持たない。
映画作りというものの難しさを感じさせてもらった1本であります。