![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/53/021ea0de446c04790708640945c6e85c.jpg)
アルカロイド - Wikipedia
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89
アルカロイド
アルカロイド (alkaloid) は窒素原子を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称。かつては植物塩基(英語 plant base)という訳語も用いられた。この訳語が提唱されたのは1818年である。現在、近似種を含め約数千種があるといわれている。その元祖と言われているのは、ドイツの薬剤師ゼルチュネル (Sertrner) が1804年(1805年という記述もある)にアヘンから分離抽出したモルフィン、つまりモルヒネであるとされている。
構造
大半はアミノ基やイミノ基を持つ。窒素源がアミノ酸に由来する場合が多いが、アンモニア性窒素に由来するものも存在し、そのようなものを偽アルカロイド (擬アルカロイド, プソイドアルカロイド, pseudo-alkaloid) と呼ぶ。また、窒素源をアミノ酸由来とするものは脱炭酸反応を伴うものとそうでないものが存在し、それぞれ真正アルカロイド (true alkaloid)、不完全アルカロイド (proto-alkaloid) と呼ぶ。
存在と性質
多くは植物から発見されているが、動物由来のアミンもアルカロイドとしての性質を有するものがある。生理学的に共通した性質はあまりなく、多彩な効果を発揮する。化学的には塩基性を持つため、酸と反応しやすいという性質を持つ。そのため、塩として存在する場合も多い。
アルカロイドは植物体内の各種アミノ酸から生合成され、シュウ酸・リンゴ酸・クエン酸・酢酸・酒石酸などの有機酸の塩の状態で各々の体内に保持されている(例えばクエン酸塩、リンゴ酸塩など)。それが何らかの要因で分解、分離、もしくは抽出されればアルカロイドと呼べる物質になり、摂取した動物の体内に諸影響を及ぼす。
基本的に植物は、体の中に何種類ものアルカロイドを保持している。例えばケシの実から作られるアヘンにはモルヒネ、コデインなどをはじめとして約20種が含まれる。同一の植物に含まれるアルカロイドは化学的に近い性質を持つものであることが多い。植物がその体内に保持しているアルカロイドの中で、比較的含有量が多いものは主アルカロイド、それに伴う幾種ものアルカロイドが副アルカロイドと呼ばれる。
アルカロイドは主に顕花植物、殊に双子葉類の植物に見出される。体内にアルカロイドを含有する植物としては主に、キンポウゲ科、ケシ科、ナス科、ヒガンバナ科、マメ科、メギ科、ユリ科、トウダイグサ科、ウマノスズクサ科など。
アルカロイドは強い生物活性をもつものが多く、植物毒の多くはアルカロイドである。また、薬用植物の主成分もアルカロイドであることが多く、医薬品の原料として用いられる。
アルカロイドの例
ウィキメディア・コモンズには、アルカロイドに関連するメディアがあります。
アコニチン(トリカブトに含まれる猛毒成分)
アトロピン(ベラドンナなどのナス科植物に含まれる猛毒成分。パーキンソン病、サリン、VXガス中毒の治療に使われる)
アリストロキア酸(ウマノスズクサ類に含まれる)
アレコリン(ビンロウに含まれる。興奮、刺激、食欲の抑制作用あり)
エフェドリン(麻黄に含まれる。鎮咳効果あり)
カフェイン(コーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。中枢神経興奮作用あり)
カンプトテシン
キニーネ(キナの皮に含まれる。マラリアの特効薬として使われる)
クラーレ(アマゾンで矢毒としてつかわれた)
コカイン(コカから抽出。中枢神経興奮作用あり)
コルヒチン(痛風の特効薬)
シロシビン(シビレタケ属ヒカゲタケ属に含まれる成分)
スコポラミン(ナス科ハシリドコロなどに含まれる成分。交感神経抑制。主に乗り物酔い止め薬として使われる)
スワインソニン(アメリカホドイモの莢に含まれる成分。)
ストリキニーネ(マチンに含まれる成分)
セダクリプチン
ソラニン(ジャガイモの芽や皮に含まれる)
タキシン(イチイの果肉を除く部分に含まれる)
テオフィリン(利尿薬、気管支喘息治療薬)
テオブロミン(カカオに含まれる成分)
テトロドトキシン(フグなどが持つ猛毒成分)
トマチン(トマトの花、葉、茎、未熟果実に含まれる。トマトの害虫忌避成分。人体へは腹痛下痢等の症状)
ドーパミン(覚醒アミン)
ニコチン(タバコ草に含まれる。喫煙による摂取では人体への影響は弱いが依存症になる傾向大)
ビンカアルカロイド(ニチニチソウに含まれる10種以上のアルカロイドの総称。ビンクリスチン、ビンブラスチンなどには細胞分裂阻害作用があり抗がん剤として用いられる)
ベルベリン(キンポウゲ科オウレン、ミカン科キハダの成分。止瀉薬として使われる)
モルヒネ(アヘンより抽出されるオピオイド。中枢神経抑制、鎮痛効果あり)
リコリン(ヒガンバナ科の植物に含まれる毒・ヒガンバナ自身はガランタミンも含有)
サマンダリン(主にファイアサラマンダー(Salamandra salamandra)の皮脂腺に含まれる)
関連項目
ステロイドアルカロイド
インドールアルカロイド
表・話・編・歴
アルカロイド
インドール
5-MeO-DMT | ジメチルトリプタミン | ハルマラアルカロイド | プシロシン | プシロシビン | レセルピン | セロトニン | トリプタミン | ヨヒンビン | シロシビン
フェネチルアミン
アンフェタミン | カチノン | エフェドリン | メスカリン | メタンフェタミン | フェネチルアミン | チラミン
プリン
カフェイン | テオブロミン | テオフィリン
ピリジン
コニイン
ピロリジン
ニコチン
キノリン
キニーネ
イソキノリン
コデイン | モルヒネ
トロパン
アトロピン | コカイン | ヒヨスチアミン | スコポラミン
テルペノイド
アコニチン | ソラニン
ベタイン
コリン | ムスカリン
主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体
Wikipedia
デスクトップ | モバイル
利用規約 | 画像 ON/OFF
Article by contributors like you
コンテンツはCC BY-SA 3.0で提供されています
連絡先 プライバシー このサイトについて 免責事項