体の大きさや遠近感を考えた発声方法
例えば登場人物の性格を知ることにより、その登場人物の調子をつかんで話すと、それらしく聞こえます。あえて声色を使うことなく登場人物の棲み分けが出来ます。落語家が、一人で長屋の大勢の人を演じられるのも同様のことです。
また体の大きさによって、早口に言ったりゆっくり言ったりして分けることもできます。実は拍動は身体の大きさに比例していて、体の大きい象はドックンドックンですが、小さいネズミは、どくどくどくと早くなります。これは体の動きにも関係していて、しゃべりも関係しています。
しゃべることは口の運動です。小さな体のネズミが早口でしゃべっても違和感がありませんが、大きな体の象がネズミのようにしゃべっては違和感が出ます。これは拍動と体の動きが連動していて、台詞を言うときの差が生まれるものです。たくさんの動物が登場する絵本の読み聞かせや人形劇での、動物たちのしゃべり方を区別することができます。
別に早口の象がいたり、ゆったりしゃべるねずみが登場したりしてもいいのですが、その逆のほうが登場したときに違和感が少なくなります。その元となっているのは、心臓の収縮運動になっている拍動の早さです。体の大きさに比例しています。