空美風~私らしい言葉で~

二胡と歌の親子ユニット空美風のボーカル担当ひとみが綴るブログです。

アリーシャの奇跡

2011-01-10 00:43:33 | ポエム

争いの止まない街に

突然 雷が鳴った

みるみるうちに闇に包まれ

歪んだ空から

大粒の雨が降り出し

街中を叩きつける

狂気に満ちた人々のうえに

逃げまどう人々の群れに

容赦なく叩きつける雨

神の怒りに触れたのか

雨は 鋭い痛みで突き刺し

恐れをなした者達は

固くドアを閉ざし 怯え続けた

やがて


壊れてゆく心

人々の瞳には

絶望しか映らない

生きているのかさえ

解らない


何日も家に閉じ込められたアリーシャは

母の目を盗んで外へ出た

叩きつける雨の音さえ アリーシャには心地いい

走る稲妻も 歪んだ空も

アリーシャの瞳には映らない

その瞳に映っているのは

乳白色の何も見えない世界

その瞳で空を見上げ

祈りを捧げた


”天の神よ 

今 私が感じているのは希望です

私の前に道が現れ

私の前に明日が生まれる

雨はいつしか太陽を誘い(いざない)

空には虹の橋が架かるでしょう

この瞳には見えなくても

心の瞳で感じます

あなたの優しさ あなたの温もり

慈悲深いお方


 天の神よ 

もう 争いは終わりです

空に太陽を 風になびく草花を 命に愛を与えてください

今日の日に希望を感じている私には

あなたがいつも必要なのです”


祈りを終え 

歩き始めたアリーシャの肩に

優しく降り注ぐ雨

いつしか

重い雲は払われ 雨は止み 太陽が覗く

乾いてゆく土からは 命の芽が生まれ

空には鳥が遊ぶ

街には歓喜の声が上がり 手を取り 抱き合う人々

駆けまわる子供達

その中を 微笑み歩くアリーシャの姿に

誰ひとりとして気づかない

ただ 天の神が知っていること

アリーシャの祈る心が

奇跡をもたらせたことを・・・







長い文を、最後まで読んでくださって、

本当にありがとうございます


風香・・





 







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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
風香さんへ (独人)
2011-01-10 21:46:54
不思議なんですが今朝、落雷の夢を見ました。
雷大嫌いの私ですが、夢では怖くありませんでした。

アリーシャの奇跡 祈る事を忘れなければ奇跡は起こると私も思います。
返信する
奇跡とは (kan)
2011-01-10 22:34:44
こんばんわ
古い映画で「ベンハー」があります、若い頃最後のシーン、主人公ベンハーの母、妹が牢獄で今で言う
ハンセン氏病になり絶望した時、雷と共に病が治る場面がどうしても理解出来ず、その後10回以上観
たかな。理解できたのは15年後位でしょうか、ベンハーが世間への恨みを捨て穏やかな心になった
時、神の慈悲を受けたのです。これをキリスト教においては奇跡と言うのでしょうか。
今回はファンタジーの素晴らしい物語ですね。
返信する
独人さんへ・・☆ (風香・・)
2011-01-10 22:34:45
こんばんは☆

落雷の夢・・何か、素敵なことが起こる予感がしそうな夢ですね

昨夜遅くに、心の引き出しを開けて、祈るように綴っていたので、
もしかしたら、独人さんの心に繋がっちゃったのかな・・


「祈る事を忘れなければ奇跡は起こると私も思います。」

私も、そう思います
返信する
kanさんへ・・☆ (風香・・)
2011-01-10 22:53:49
「ベンハ―」
素敵な映画なんでしょうね
是非、一度観てみたいです

こんなことを言うと、おごっていると思われてしまいそうで怖いのですが、
時々、突然、言葉が勝手に浮かんでくることがあります。
そんな時は、神様からの授かりものだと思い、
心の声に耳を傾け、浮かんでくるままを綴って行きます。
この詩も、突然だったので、夜中までかかって綴っておりました。

私は、洗礼を受けたものの、カトリック信者としての信仰心には乏しく、
聖書もあまり読んでいません
でも、いつも、心の中にイエス様、マリア様を感じて生きています。
他にも、たくさんの神様がいらっしゃいます。
というか、勝手に、いて頂いてます

何故、この詩が浮かんできたのか、自分ではよくわからなかったのですが、
kanさんのお話を聞いて、不思議なほどに安心感を得ています。
そこに、すべての答えがあるような気がして・・

kanさん
kanさんの言葉こそ、奇跡です
返信する
本当の祈りとは・・・ (夕美)
2011-01-11 07:59:15
おはようございます・・・風香さん

詩を通して、風香さんの大きな願いが、”ことば”というスクリーンで表現されているみたいです。
力強い世界です。
揺るぎない風香さんの願いや希望を感じます。

本当の祈りとは・・・私が思うには、自分のためにではなくて、誰かを思って祈る時に
”願い”として神様に届くものだと・・・夕美は、そんなふうに思います。
でも、もしかすると手を合わせようとする心を
お受け取りになって下さるのかもしれませんね・・・

風香さんの詩には、いつも心を揺さぶられます
いつ何時でも、自分のことより誰かを思える人でいたいと思います・・・
きっと風香さんは、そのような女性なのだろうな~って思います
返信する
夕美さんへ・・☆ (風香・・)
2011-01-11 16:18:55
私は、とても頑固な人間です。
時々、自分の殻に閉じこもって、ひとりの世界に浸ってしまいます。
そんな時、祈りは心を和らげてくれます

自分の為に祈ることも、誰かを想い祈ることも、世界に向けて祈ることも、
すべて心のこもった祈りには違いないはず。
どんな祈りでも、神様は耳を傾けてくださると思います。
その祈りに、愛が籠っているのなら

私はちっぽけな人間なので、時々、神様にげんこつを貰っています
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Unknown (春水)
2011-01-11 17:34:29
読んでいて引き込まれました。
って言うか、はじめ何かの物語りなのかな?と思ってました^^;


「傑作」ボタンが無いのが残念です。

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春水さんへ・・☆ (風香・・)
2011-01-11 20:23:52
こんばんは

私自身も、書きながら、引き込まれて行きました
っていうか、完結できて良かったです

「傑作」ボタンって、あの憧れの「ポチっと」ボタンですね
そのお気持ちだけで十分幸せです
ありがとうございます
返信する

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