カヤ日記

活動する研究者、かやちゅ。@カヤニストの行動記録
カヤネズミの研究&保護活動や野生生物の保全に関する話題をつれづれに

冬の茅原

2011-12-31 | フィールドノート

12月24日、久しぶりに桂川の球巣調査に行ってきた。
年明けに、河川敷内に生育した樹木の伐採が行われることになり、重機の侵入路がカヤネズミの営巣場所にかからないか、国交省の管轄部署から問い合わせがあったためだ。

自転車で堤防沿いを走りながら、河川敷を俯瞰すると、くしゃくしゃとした黒ずんだ枯れ野のあいだに、ポツポツと白い穂の固まりが見える。クズに浸食されたオギ群落の姿だ。
1999年から調査してきたメインフィールドは、このところますます乾燥化が進んでオギ群落が縮小し、代わりにクズと灌木類が多くなっている。

ずいぶんと増えてきたノイバラに上着やスボンをひっかかれつつ、3時間ほど茅原を捜索して8個の巣を確認。
重機の進入路に近い場所に巣があった箇所は配慮して貰うように、担当者に伝えた。

見つけたうちの1個は、アキニレのすぐそばに営巣していた。よく見ると、葉のついた小枝をオギが巻き込んでいる。

中央が巣。紅や黄色に色づいた葉と巣の取り合わせをみて、クリスマスっぽくてきれいだなと一瞬思って、すぐに打ち消した。これは茅原の環境が悪化している証拠だからだ。
オギなどのイネ科高茎草本の被度が相対的に少なくなると、カヤネズミは巣の高さを維持するために、セイタカアワダチソウや灌木類を支柱に使用する(Hata, 2011 関連記事)。

トップの写真は、はやにえにされたトカゲ。
少し時間が経っているようで、手足が干からび始めている。
冬の茅原は見通しが良いので見つけやすい。

ちなみに、カヤネズミもモズのはやにえにされることがある。
私は未発見だが、見つけたいような見つけたくないような(^^;

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東日本大震災を筆頭に、悲しい出来事が多かった一年を振り返り、来年こそは、多くの生きものと人々にとって、良い年であって欲しいと願う。
私自身も、次のステップに進むために、努力していきたい。


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