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「富山県の絶滅のおそれのある野生生物 レッドデータブックとやま2012」が発行された。
2002年度に初めて県版RDBが発行されて以来、10年ぶりの改訂。
カヤネズミのランクは、前回は「情報不足」だったが、今回新たに「準絶滅危惧」に指定された。
該当項目のページには、私が提供したカヤネズミの写真を使っていただいた。
前回のRDBが発行された翌年(2003年)に、富山県でカヤネズミの生息調査を行った。
これまでカヤネズミの生息が確認されていないとされてきた富山県で巣が見つかったという情報がRDBに記載されたためで、どんな生息環境なのか、ぜひ自分の目で見てみたかった。
カヤネットで有志を募り、富山市ファミリーパーク、ねいの里と合同調査を行い、カヤネズミの新産地を発見し、県内で初めて繁殖を確認した。
その報文が、改訂版RDBにおいて、カヤネズミの参考資料として使われている(→富山県のカヤネズミ)。
カヤネズミが準絶滅危惧種に記載されたことは、決して良いことではないが、少なくとも私たちの調査によって、生息状況の評価に貢献できたことは良かったと思う。
カヤネズミに限らず、野生動物の生息状況は、現地調査による地道なデータの積み重ねでしかわからないことがたくさんある。
しかし、開発に絡む調査は別にして、現地調査はボランティアレベルで行われていることが多く、なかなか進まないのが現状だ。
今回の改訂版発行で、さらにカヤネズミも含めた富山の生き物の保護保全が進むことを願う。
「富山県の絶滅のおそれのある野生生物 レッドデータブックとやま2012」
富山県生活環境文化部自然保護課 2012年
→(PDF)改訂版レッドデータブックとやまの発刊について - 富山県
→県レッドデータ初改訂 18種絶滅 248種増899種を選定(中日新聞、2012/9/1)
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