和子の記録 フォト&俳句

長い間ネイチャーフォトを楽しんで来ましたが最近これに俳句の趣味が加わりました。まだ不慣れですがブログに載せていきます。

萬葉集で詠まれた春の草花木 松戸21世紀公園

2021-05-02 09:02:30 | 日記

やまたず ニワトコ
君が行き日長くなりぬ山多豆の迎へを行かむ待つには待たじ  作者 衣通王(そとほしのおおきみ)



藤浪の花は盛になりにけり平城の京を思ほすや君  作者 大友四綱


すみれ
春の野に菫摘みにと来し吾ぞ野を懐かしみ一夜宿(ね)にける   作者 山部赤人


えぐ 回具 おもだか
あしひきの山沢ゑぐを摘みに行かむ日だにも逢はせ母は責むとも  作者不詳 


あせび 馬酔木
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと言はなくに   作者 大伯皇女


やまぶき
蝦鳴く甘南備河に彰見えて今や咲くらむ山振の花  作者 厚見王


せり
明日よりは春菜摘まむと標めし野に 昨日も今日も雪はふりつつ.   作者 山部赤人


さわらび
石ばしる垂水の上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも 作者 志貴皇子
             

先日、21世紀森のパークセンターで万葉集に出てくる春の草花の講座があり参加しました。
講師は21世紀の森と広場の自然解説員です。最初に映像を使って万葉集の一首ずつを紹介して解説をしながら詠われている草花の紹介がありました。
講義が終わった後は外に出て実物を探して廻りました。
ニワトコ(山たづ)は神迎えの霊木として用いたことから「迎へ」の枕詞になっているそうです。万葉集では2首あります。
2番目の藤の花を詠ったものは26首ありこちらは大宰府の長官大伴旅人に向けて詠んだ歌といわれるて、さかんに咲き誇る藤の花を見て、奈良の都を思い出しませぬか、と奈良を離れて遠く大宰府に赴任している旅人を思いやっての歌。
オモダカは日本各地の低地の水田や用水路に見られる多年草です。走出枝(そうしゅつし、ランナー)を伸ばして、その先端に丸い球根をつくりクワイになります.
春の七草の一つであるせりは、数少ない日本原産の野菜の一つで湧水のある21世紀の湿地には野生種が沢山自生しています。
野草園ではその他の万葉集に出てくる「よめな」「わすれぐさ」「やえむぐら」「はぎ」「のじぎく」「しょうぶ」「ひるがお」「くくらみ」「くず」「つきくさ」「はぎ」なども観察しました。一時間半と短い時間の中でも充実した勉強ができて万葉集が身近になったようです。

山藤を散らす風雨に意気阻喪