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3つ目のレゴブロック

2017年09月26日 21時54分56秒 | 子育て

息子も2歳と6ヶ月となって、
勿論歩いて走り回るし、言葉も流暢になってきた。


寝る顔も赤ちゃんから幼児に。

家では様々な僕や妻のものも「ぼくの!」と言って離さなかったり。
場合によっては泣いて訴えることもある。
成長したということでもあるんだろう。


今日は仕事が休みで、妻と息子の予防接種に出かけた。
小さな市内の病院はお母さんと一部のお父さん、そして子どもたちで溢れていて。
注射にむせび泣く子どもたちの叫び声やあやすお母さんの声。
僕も含めて、どこか居心地の悪い、静かなおとうさんがいた。

体温計を計って体温が聞かれるまで30分。
診察室の前に呼ばれるまでそこから45分。
診察室前で15分。

いつも妻はこのように予防接種に来ているのかと思うと、
大変だなと感じる。

ちゅうしゃ?びょういん?

よくわからない息子はなんとなくキャッキャと騒ぎ、
病室に入ると、よろしくおねがいしますと挨拶ができて、えらかった。
その後、随分泣いたけれど。

注射を刺して待合室に戻った。
あっちいきたい。
息子がそう言うので畳の遊戯スペースに移動した。

透明な遊び道具入れの中にはおもちゃが無造作に入っていて、
壁際にはたくさんの絵本があり、何冊かを読んだ。

すると、かえして、と、僕の方向に声がした。
顔を向けると、息子が手に持っていたレゴブロックが1つ、
同い年くらいの男の子に取られていくところだった。

息子は何があったのか分からず、また遊び道具入れの中から色の違うブロックを手にとって、
僕に、みてー、と言おうとまさにしたところで、かえして、とまた同じ子に取られてしまう。

流石にボヤッとしているうちの息子も、気づいた。
自分のブロックが取られたと。

息子は僕を見て、泣いた。なくなっちゃった、と。あそびたかったよ。と。

息子からレゴを持っていった男の子はレゴを積み重ねて何も知らないかのように遊んでいる。
親はどうやら周りにいないらしい。

僕は、息子が健気に思えた。涙が出そうにもなった。

自分が持っていたものが奪われたからといって、
それを取り返しに揉め事を起こすわけでもなく、
僕に、取り返してというわけでもなく、
ただ自分の手元からそれがなくなってしまったことを悲しんでいる息子が。
僕は咄嗟にぎゅっと抱きしめて、いいじゃないか、お友達にあげちゃえばいい。違うことをしてあそぼう。
そう言って、ぽろぽろ涙を流す息子の背中をさすっていた。

あそびたかったよう

そういって泣く。

いいじゃないか。ブロックはお友達にあげちゃえばいい。

しばらく、ひっくひっくと泣いた後、息子はその男の子を眺めていた。
どうやら同じ形のブロックを集めて、高い塔を作ろうとしているらしい。

息子は、3つ目のブロックを手にとって、はい、とその子に差し出した。

その子は、ありがとう、息子の顔を見ずにいった。いいよ、と息子は言って、

4つ目のブロックを探して、またその彼に与えていた。
4つ目のブロックをわたしたあとは、僕の顔を見て、笑っていた。
何か言葉をかけてほしいという顔だったから、とってもえらいねと伝えた。

欲がないと言われればそうだし、弱いという言い方もできるかもしれない。
けれど、笑顔でブロックを渡そうとする息子の姿を見て、
俺は少し誇らしくなり、また愛しく感じた。なんていじらしいんだろうと。

いつかキミも、俺やお母さんのように、
誰かから何かを奪って、また奪われて生きていくんだろう。

そのたびに、与える、取り返す、自分で作るなど、いくつかの選択肢の中から、
その時の思いを行動にするんだろうね。

だけど、できれば覚えておいてよ。その優しい気持ちを。
その3つ目のブロックを、選択肢に入れておいてちょうだい。

俺は、キミに、
そういう選択肢のある男になってほしいって思っているよ。


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