スペインが優勝しました。
前回の決勝ではがっかりしたと書きましたが、今回は満足しました。理由がいくつかあります。
1)攻撃的である
2)最もクオリティが高い
3)日本にとってもためになる
まずは攻撃的なチームが勝ったことを喜びたいと思います。私は守備的な試合があまり好きではありません。オシムさんは負けないサッカーを「モウリーニョ・シンドローム」と揶揄していましたが、結果を重視するがために、リスクを冒さず負けないことを第一義に置くサッカーは、ふつうつまらないと思います。(これには例外があって、マイチームになると話しが変わります。でも日本戦以外のワールドカップはマイチームではないので、ぼくは楽しい試合を見たいです。だって他人の試合なら勝敗よりも内容でしょ。)その攻撃姿勢は、相手によって変わることはありませんでした。ここがオランダ、ドイツとの本質的な違いです。なぜオランダ、ドイツは自分たちの試合ができなかったのか?攻撃的であり、クオリティが高いことでキックオフ前から優位にたっていたのでしょうか。
スペインのクオリティは群を抜いていました。シャビ、イニエスタ、ビジャ、シャビアロンソ、それに途中から出てくるセスクもいるのですが、まずボールのワンタッチのコントロールが抜群であったと思います。そしてボール保持者をどんどん追い抜いていく動き、小さなチャンスを複数人で大きくしていく動きにはわくわくしました。また攻撃的と書きましたが、スペインは数値的には堅守のサッカーでした。決勝トーナメントで無失点は初だそうですが、「引かない」「相手の良さを潰さない」「ファールで止めない」上で失点が少なかったのは驚異でした。ボールを大事にして、バランスよく味方の密集をつくる(コレクティブ)であったことがその要因であったと思いますが、無失点の理由はプロの評論家の方々の分析をこれから学んでいきたいと思います。
それにしても体が「小さい」スペインが優勝したのは、日本にとって福音でした。スペインのサッカーをそのままマネできるとは思いませんが、パワー指向のサッカーではなく、テクニックのサッカーが世界を制したということは、日本の未来にとって悪いことではありません。しかもストライカーもいなかった。フェルナンドトーレスは外れてしまいましたし、ビジャもセンターフォワードとは少し違う存在でした。でかくて強いフォワードがいなくてもできるんです。日本もやればできると思いませんか。
いい優勝でした。