片割れ月おもちゃ箱

お笑い系エッセイです~

秋暑し

2020年08月28日 | おもちゃ箱
 風呂敷に訴状を包む秋暑し …駄句である(_ _;)…パタリ



 ここ3日間は35度の猛暑日となり、これから先も暑さが治まらないようだ。

 山王の官庁街には仕事柄よく出掛けるが、なかでもこの一角に行くことが多い。
 向こうから裁判所、検察庁、労働局、財務事務所、法務局、気象台など国の機関が軒を連ねている。残念ながら幸せな人はあまり行くことの無い場所かもしれない。
 裁判所には人に訴えられている人、検察庁には捕まった人、労働局には働いた賃金を払ってもらえない人、入国管理事務所には外国人パブに売り飛ばされて来た人、法務局にはお金を借りて抵当権の設定登記に来る人。気象台には天気予報がハズレたとの苦情に耐え兼ね頭を抱えている予報士…

 駐車場に車を止めていると、40代くらいの女性を先頭に、その後を親子と思われる十代半ばの男の子と40過ぎの女性の三人連れが検察庁に入って行った。
 先頭を歩く女性は事務的な歩き方をしている。弁護士なのだろうか、はたまた男の子の学校の担任教師なのだろうか。男の子といっても、髪は斑茶髪でいかにも悪そうな雰囲気を醸し出している。どう見ても俗にいう手の付けられない不良少年である。
 到底事務的とは言い難い笹みどりのようなよろめき歩きをして最後を行くのはその母親のようだ。何を仕出かしてこんな所に来たのかは知らないが母親にとっては不幸の極みに違いない。
 しかし、何回か遭遇している同じような場面に男親が登場する場面は見たことが無いのは何故だろう。

 そういえば、遠い昔に我が家にもそんなことがあった。
 私の弟が仲間とつるんでカツアゲをやらかし、母と弟が家庭裁判所に呼び出されたことがあった。家に帰って来ると、母は大いに嘆き悲しみ、もうこんなことはしないでくれと泣きくずれ、弟に懇願していた。弟もこれ以上は母を悲しませるようなことは絶対にしないと思ったに違いない。その後は改心したようである。
 女がうそ泣きをする動物だと知ったのはずーっと後になってからである。
 母は不幸の主人公を演じきったということだろうが、兄の方は陰に隠れてもっと悪いことをしていた。私は捕まらないだけ親孝行だったということかヾ( ̄o ̄;)オイオイ