片岡礼子 日記帳

女優:片岡礼子本人が送る日記。

『めぐる色たち』

2007年02月28日 | movie
染め物と向き合い
琵琶湖の側で
草や木々たちといきる

志村ふく子さん


着物が好きな人や
染め物を勉強していたり興味のある人は
ご存じかもしれない

なんの前置きもなく
このかたの
ドキュメンタリー番組を見ていたら…

息をのむ光景に出会ってしまった。

それは、
藍の色をした湖に
沈みかけた夕日が

淡い色彩の段を…
時間と共に
表情を…重ねてゆく

そんな時間のながれに
自然という温度や
湿度まで感じる…。
そんな景色のような

着物を  観た

ほんとうにその眺めの
美しさに息をのんだ。

こんな体験は久々で
とてもとても
豊かな気分になったので
お裾分けに…
その番組名は
『日曜美術館』。
アンコールリクエストをしたら再放送するかも。

いつの日か…
すっかり着物がなじむような人になれたなら
一度、そでを…
一度でいいから通してみたい。

こんな上品な夢をもてただけで幸せを感じる
今日このごろ

若くても
さりげなく
着物を着ているひと

長い年月かけて着物と
共に生活をしているひと
どちらも素敵だ…。

藍の色
新月にかけて咲く
ある花の色

人間国宝である
志村ふく子さんの
着物の糸の
青は… 蒼は…

水とも空とも
いのち であるとも
おっしゃっていた。

…つづく…

『葉』

2007年02月08日 | movie
(つづき)

あれ…
映画「ハッシュ!」のなかで
勝裕が直也に言ったセリフみたいになってきたぞ…。


でもほんと、
つくづく思う。
脳出血で倒れて…
あきらめたことが
たくさんあった。

正直あきらめというより意識が戻った時、
現実の状態を
受け入れることに
悩んだりする体力が、
もう残ってなかったんだと思う。

何も考えもしなかった。
考える間もなく 
また、眠ったのか 
気を失ったのか…。

とぎれとぎれに
目に写るのは、

私を心配させないように…疲れさせないように
だけど真っ赤な目で
大丈夫かとほほえむ夫。看護婦さん。
そして遠く愛媛から
仕事もほうり出して、
飛んできてくれた親たち友人。

気持ちも静かに
「ごめんね心配かけたね」
と繰り返し言ってたらしい。
なんとなく記憶にある。

長くかかった手術の間中祈って下さった方々
仕事仲間から届いた励ましの手紙の数々。

縁あって出会った人たちに心配をかけたぶん恩返しをしたいなあ…

脳出血、片岡、今月手術…と書かれた新聞がひとごとのように思えてならなかった。あの時の自分を思い出したらなんでもできる気がする。

人生の上で、大きな分岐点がひとつ過ぎて
明らかに自分は変わってきたと思う…。

あきらめることが上手くなってきてる。
それは冬を越すために葉を落とす感じ…
そうやってこそ春に向かって新芽が出る感じ。

自分自身という木を育てていこう。それは、夢を掲げることから始まるのかもしれない。
一枚の葉っぱまで生き生きとなるように…

冬のせいか木々を見ても少しさみしくなって、
倒れた頃をつい思いだします。

皆さん!水分と睡眠はちゃんと取って下さいね~
春が待ち遠しいですね。