片岡礼子 日記帳

女優:片岡礼子本人が送る日記。

笠木 泉 さま

2014年04月03日 | 舞台
拝啓 笠木泉 さま

舞台「ヒネミの商人」
無事に千秋楽を迎えました。

たくさんのお客様と共に終えることができて。。
また、ヒネミを気にして下さった方々。。からもたくさんのメッセージをいただき。
本当に夢のような時間と
笑顔の打ち上げを終えて。。

感動の覚めぬ中...

また、ひとりに
もどりました。

昨年5月。いただいた、
一通のメールから始まった
この出会い。…。

笠木さんの、作品に対する 想いや、希望や、悩みや、なんやかんやは、私がこの ” ヒネミの商人 ” に体当たりすべく動機と情熱の元でした。

気がつけば1年が経とうとしています。
途中、困難な壁に何度もぶつかりましたが
私が、不安や心配や申し訳なさを口にする度に。。

毎度、
「片岡さん!大丈夫です。」
そう。
力強く言って下さいましたね。
とにかく
そのコトバについてきました。
そのコトバに信じてついていった先には、

数々の素晴らしい出会いと

「二十歳の微熱」から始まった役者人生において、

初体験なアプローチのお芝居との出会いがありました。
大変面白く新しく
毎日刺激的でした!

稽古場から本番最終日まで。。
変わり続ける空間。
私には見たことがない、シンプルであるのに、決して慣れることのないやりとりに...

日々 ヒネミのもつ時代や人柄と空間の使い方に、驚きと発見と感動…それと人の芝居を見て笑いを我慢できないという、明るい現場。

真面目に取り組むほど
”くだらなさ”という不思議なキーワードに
一瞬でひっくりかえされ
脳まで反転。。

くやしいので、
こっそり宮沢さんのエッセイを夜な夜なインターネットで取り寄せては、読み始めるも、公共機関の移動中に吹き笑いする始末。マスク必須でした。

年代のせいか?と中学生息子に読ませると、学校の朝読書という時間に真面目に読んで、笑いが止まらずヤバかった。と返答。
そして、二人でファンになってしまい
宮沢さんのトークショーにまで、夜な夜な出かける始末。もう夜の10時もかなり過ぎてるけど親同伴だから大丈夫だろ。?さすがに言いながらわけがわからなくなっていたあの日の渋谷の雨の夜道。息子とふたりで出かけるなんていつ以来だったろう。

本当に色の濃ゆい
舞台の先輩方にかこまれた緊張感から、解放されたことが
寂しくてなりません。

千秋楽後 ものすごい勢いで
劇場を片付ける中、いただいたお花やメイク道具と共に
私は、ひとり車で一旦劇場を後に…

その車中の中で
笠木さん、貴女としばしお別れかと思うと。。
出会いから、時間の許す限りに費やして下さった本稽古に至るまでの時間、
本稽古に入ってからの
炸裂する宮沢ワールド
舞台の先輩方との出会い...支えてくれる皆さま、
お客様の反応の声...。
はるばる愛媛から広島から駆け付けてくれた家族..と交わした会話に至るまで。。。全てが
本当に一気押し寄せてきて
車中で声をあげて号泣しました。。


笠木さんからいただいた、
たくさんの ” 眼から鱗 ” な言葉の中で、いま自分にずっしりとリフレインしているものがあります。それが今1番 肩のちからを抜ける大好きな言葉になりました。

今日から、私の日々のテーマである、「正直」「笑い」に加わります。

”「稽古は嘘をつかない」”

そのコトバを胸に
もう一度 リスタートしようとしようと誓う春です。

何度も何度も寂しくて
おはようやおやすみなど
メールしちゃいました。
本当に本当に本当に
こちらこそありがとう。
この出会いに感謝しています。

かしこ

2012.3.3


片岡礼子






.....追伸


本稽古が始まり、
宮沢章夫さんの
演出が始まって
稽古が、共演のかたの芝居が
面白過ぎて
笑う自分と、
自分のことでは
ついていくことで必死で
笑っている場合ではないことも
重々承知して稽古場で困惑。

あれだけやったのに。と。
これでもか!と
悔し涙を何度飲んだことか。
初通し稽古、
直後は茫然自失…号泣でした。
もちろん、笑いもしましたが。


何度か通し稽古をやるようになっての
ある日。
初めて、宮沢さんに
今日の七重は随分と良くなったんではと、褒められたと記憶しているその時も 自分のことなのに、思わず笠木さんを見た私。 直後、勝手に感極まり号泣。

そして直後に、たくさんのダメ出しに 笑い泣き。。


絶対やり切って、笠木さんが
自主稽古に付き合ってくれた時間....何気なく語りあった時間...
あの時間が、

私にとって、笠木さんからの
1番最初の光輝く記憶の
舞台のお誘いのメールの文字のように、

どうか、この出会いからの舞台千秋楽までの記憶が笠木さんにとって、私のキラキラ☆みたいな 存在でありますように。。。

今はそんなことを毎日考えておるところです。

感謝の気持ちでいっぱいです。


この場をお借りして...


遊園地再生事業団に係わる
全てのスタッフの皆様
そしてそのご家族の皆様

キャストの
中村ゆうじさん
宮川賢さん
ノゾエ征爾さん
笠木泉さん
上村聡さん
佐々木幸子さん
牛尾千聖さん
山村麻由美さん

そして、
いろんな想いで来て下さった
お客様。。。

昨年10月 舞台「明日は天気になる」にて参加させていただいた。劇団 江戸間十畳 の中井庸友 監督をはじめ劇団員の皆さま。共演 那須野 恵 さま。

一年間見守って支えてくれた
マネージャーの濱野さん。。
私の家族。


最後に宮沢章夫さんに。。

感謝申し上げます。

遊園地再生事業団
「ヒネミの商人」

感動の遊園地体当たり体験記。
まだまだまだエピソードは
山ほどありますが。

面白ろすぎました。





朝、起きると、まだ台本の
位置を確認していたりして。。





これは、本番明けて
劇場前で会えた
役者仲間 青木岳美ちゃん
(写真許可いただきました!
岳美ちゃんありがとう!)
どんだけほっとしたか!



これは、
稽古時悩める渦中のインタビュー。。

遊園地再生事業団プロデュース『ヒネミの商人』 | 片岡礼子×笠木泉http://hinemi.roa-polo.com/interview/kataoka-kasagi