老いの坂道(パピー)

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そんな気持ちで送る趣味を中心に日々の一端を書き留めています。

読書日記 『資本主義の「終わりの始まり」』 新潮選書 藤原章生

2013-07-13 | 読書日記

資本主義は継続する「成長」によって成り立つ経済構造なんでしょうね。

「成長」果たして無限に続くものだろうか・・・

結論は明確であって「否」だろう。

本書では、ギリシャ・イタリアといったユーロ圏の二つの国家

いずれも大きな債務を抱えた国の現状を先ず著者の目で、耳で、感触で

今の現実をかなりリアルに描写しているところから始まる。

これら両国、訪れたことが無いボクにも現状の混乱状況が

かなり明確に解るように思った。

この現実は、政治の貧困であり、その政治を作った国民の

尊法・納税意識のなさ、そして政府が出す当てにならない数字が

大きな要因を占めているとのこと。

両国の歴史的背景もまた見逃すことの出来ない要因でもあるとか・・・

 

しかし、もっと大きな根本的な問題があるのではなかろうか、

それは本書の主題「資本主義の終わり」が、今、この

両国で始まろうとしているのではなかろうか。

そしてそれは、ギリシャ・イタリアだけの問題ではなく

地球上の全ての国でもやがて訪れるであろう問題だろう、という内容です。

「資本主義」という経済体制は「成長」が基盤にあって成り立つ体制であって

「成長」は無限に続くものではないはずだ、というのが

今、この両国で明確に裏づけられたことを物語っています。

また、「成長」が無限でないことを具体的な事例でも解いています。

例えば、高齢化社会における生産人口と非生産人口の比率の変化も

そのひとつだろう。資源問題もまたそうだろう・・・

 

では、始まった「資本主義の終わり」がやって来たとき、それは

相当な年数(本書では30~50年)後のことであろうけど、

果たしてその後にやってくる経済体制は、そしてそれを

基盤とした国家体制は果たしてどのようなものだろうか、

というかなり大胆な予測の一端も披露されているようですが

それは、ここでは明かさないことにしよう。

少なくともボクがこの世に生存している間は「資本主義」体制の

国家を主体とした世界であるだろう、かなり多くの具体的な

課題が噴出することだろうけど・・・

例えば今、目の前に迫りつつある課題「原発」問題もそのひとつだ。。。

※ 

◎去る6月9日のブログで紹介しました後楽園の「お田植え祭り」で田植えした井田の今の様子。

http://blog.goo.ne.jp/kasayu0104/c/b87a05547e0b30ec0ad3bea34a1c7461

およそひと月でこんなに立派な田んぼになりました。

 

※今回も最後までご覧いただきありがとうございます。厳しい暑さが続いています。ご自愛くださいませ。


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