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売れない作家の日本定点観測

新しい総理大臣の誕生

2020-09-14 15:58:34 | 日記
テレビのニュースを拝見いたしますと、自民党の次期総裁が管義偉先生にお決まりになられた模様で、お慶び申し上げます。総理大臣職は激務と多忙に挟まれた名誉のあるお仕事ですが、実直そうなお人柄がメディア越しに覗かれます。イチゴを育成するように大地に一つ一つ結果を積み込まれ、日本の最高権力の座をめでたく射止められましたことを、庶民の一員として言祝ぎます。民謡なのでこうした表記は正当なのか疑問ですが、岩井きよ子「秋田大黒舞」は〽明きの方から福大黒 舞い込んだなー さあさ舞い込んだ 舞い込んだなー・・・で始まりますが、管政権成立は合理的帰趨です。土を鍬で耕し、雑草を取り除いたその御手で政権をつかみました。私は農夫ではないので印象で申し上げますが、今年は作柄もよろしく、手塩に掛けて作った農作物は高値で市場に回され、秋の豊穣をひととき彩り、祖国の礎は盤石かと思われます。しかし一点、曇りがあることが見て取れます。私は一滴の読書で心を潤さなければ眠れないのですが、中国古典の論語に、このような記述があります。「或人の曰く、徳を持って怨みに報いば、何如。子の曰わく、何を以てか徳に報いん。直きを以て怨みに報い、徳をもって徳に報ゆ。」このようなことを日本の最高権力をお持ちの方に申し上げるのは私ははなはだ能力不足であることを痛感いたしますが、時と場合に応じて小雀も鳳の役を果たさなければなりません。続けますが、もとは道家の老子さんが、紛争を解決させる意味合いで「怨みに対して徳をもって返礼する」という意味合いを主張したところ、儒家の孔子さんが「それで徳を与えられた場合何で返礼すればいいのか分からなくなり、ケジメがなくなってしまうので、怨みにはケジメを付ける形を取らなければなりませんよ」と訳されるそうです。いま世界情勢は混乱していますが、一つの問題として中華人民共和国が威勢を張り、アメリカと敵対している環境に日本は挟まれていることを痛感します。そして日本人の心情として、旧民主党政権の時に日本人は中国にラブ・コールをお送りしていたところ、向こうからは返礼として尖閣諸島中国漁船衝突事件を起こされ、日本人の多くはいまでも怨みに感じ、中国のリーダーである習近平委員長が国賓待遇で来日していままでの行為をごまかそうとして、より複雑な様相となってしまっています。日本の庶民として訴えます。中国人に対するこの怨みをごまかされては困ります。言うなれば論語を生み出したのは中国の魯国人ですが、その中国人に何らかの形でケジメを取らなければならないことは論理的帰趨です。それでも私はおおらかな気分で論語を読みます。河上の嘆なんていまの歳になると分かります。全ては流動的ですが、流れる川面に、いろいろな懸想が浮かんでは沈みます。むかし欧米のどこかで、湖のほとりでランチを取っていた人たちがいました。いまでは伝説のようになって詳しい帰趨はしれませんが、手にしていた銀のスプーンを水面に落とすとゆらゆらと白光を棚引かして沈み、虹色のイロズクを翻した鱒が咥え去りました。ここからスプーンに釣り針をつけたルアー・フィッシィングの始まりだと言います。しかし銀のスプーンというと、南コリアでは中産階級の象徴です。冥界の鱒に日本の庶民が咥え去られることがないお取引がされることをお祈り申し上げます。