もやいマンション日記

マンション役員の体験を綴った「マンション日記」に、プライベート所感を綴った「nonnon日記」が混ざっています。

No.275 「Nさんの悲運」

2015-01-28 | 健康・病気

             nonnon日記

夫の病室、向かいのベッドは、80代男性Nさん。

2年前、水頭症で入院したが、完治して自宅で普通に生活していた。

町内会の役員もし、友人も多く、麻雀も楽しむ日々に戻っていたそう。

積極的に外出もしていたところ、半年前、バスの中で転んで、脳内出血。

救急車でこの病院に運ばれ、大手術。主治医は、「すっかり血は取り切れて

いない」と言ったそうである。それでも、夫の病室に移ってきた時は、

意識不明の重体から、ウーとかアーとか、家族の呼びかけに答えるように。

「良くなるかもしれない」と、家族が期待したところで、今度は肺炎になって

10日間。酸素マスクの下で、苦しそうに痰にむせる様子は、痛々しかった。

まめに痰をとってくれる看護師さんが、部屋担当の時は、穏やかだが、

なかなか取ってくれない看護師さんの時には、患者はひたすら痰と格闘。

傍で見ているこちらが、辛くなる程であった。

そして今日、胸に付けた心電図センサーの異常で、看護師さんが、5人、

飛んできて、Nさんは、特別室へ運ばれた。

私は思う。

これでNさんが、天国に召されるならば、Nさんのここ6か月の苦痛、苦難は

何だったのだろう?

70代後半の奥さんが、雪の中、交通機関を3っ乗り継いで通ってきた日々は?

Nさんは、バスの中で、脳出血を起こして、そのまま天国に直行した方が、

ずーっと苦痛が少なかったのではないだろうか?

夫の病院付添いの日々のお蔭で、私は 『予行練習』 を沢山、沢山させられ

ている気がする。 スーパー銭湯に浸かり、晩御飯をしっかり食べて、そして

また明日、『予行練習』 に元気に出掛けていくのだ。

病院の中で、強い人、弱い人、に出会い、優しい人、きつい人に出会う。

これもまた、夫と私が共有している、大事な人生の数頁であるのだ。

 

 

 

 

 

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No.274「厚生労働省にお願い(その1)痰の自動吸引装置」

2015-01-12 | 健康・病気

                            nonnon日記

ここ数年の‘夫の入院生活の付添い’の経験から言わせてもらえば、

病気の種類や症状によって、病院に入院できる期間は、~3週間、3~4か月、

数年、と区分けされているようだ。それは、病状を基に、厚生労働省の定める

診療報酬の体系として‘セット’されているようなのである。そして、概ね、

短期入院の一般病棟は、看護スタッフの数が多く配置され、中、長期入院の

障害者、長期療養病棟は、患者数に対する看護スタッフの人数が少ない、

のが実情である。

しっかりと、‘経済的要因’を基盤として、医療制度が成立しているのだ。

我が夫は、進行性の神経難病なので、長期入院コースに入れてもらい、

(自宅介護があのまま続いていたら、私の体はもたなかったと思うので、)

病院には、大変感謝している。

しかし、どうしても、是非にも、訴えたいことがある。

それは、「痰の吸引」についてである。

癌患者の末期も同じようだと聞くが、事故、脳卒中、夫のような神経難病等、

重度の障害で、嚥下能力の弱った人、気管切開や気管挿管をしている

病人にとって、日々の最大の苦しみは「痰」である。

詰まると、呼吸が苦しくて、ズルズル、ズルズル・・・と、

病室では、あっちでもこっちでも、痰を吹き上げる苦しそうな音がする。

尿路感染症や、肺炎で熱を出した時は、特に、痰が多くなる。

たまった痰を、本人が必死でジュジュジューと、カフス(喉に穴をあけて

挿入したプラスチックの筒)から吹き出し、胸元がベチャベチャになるので、

いつもタオルを置いておく。夫を含めて、周囲にはそんな病人が多い。

特に、人手が少なくなる夜間と、土日祝日等は、まめに痰はとって

もらえないのが実情である。

時間を決めて、回ってケアして、指の先で、血液中の酸素濃度を測り、

数値が下がっていれば、酸素マスクをつける。

だから痰をあまりとらなくても、滅多に死ぬことはない。

つまり、「死なない程度に、痰を取る 」 のが実情である。

家族が傍に付いていて、コールすれば、取ってもらえる。

でも、一気に長い時間吸引する看護師さんにしてもらうと・・・

肺の中の空気がなくなって、病人はとても苦しいので、

顔が赤紫色になり、その瞬間、反り返ってもだえる。

日々、拷問を受けているようだ。

 

夫の気管切開手術をしてもらう前、

(周囲の‘先輩’を見て、痰が辛いのが分かっていたので)

心配してくれた  従姉に情報をもらい、

「痰の自動吸引装置」 について調べた。

自宅介護では、認可されていると知り、「徳永装器」 という会社

にも問い合わせた。

ところが・・・病院の看護師長さんと主治医に尋ねたところ・・・

「この病院では、検討したことはあるが、まだそのような装置の導入はない。」

と、断られてしまった。

近所の病院では、病院長が、「金魚の水槽の浄化装置」にヒントを得て、

独自に痰の吸引装置を開発した、という話も聞く。

病人の痰の苦しみは、自宅にいても病院にいても同じである。

厚生労働省の方が、もしもこの文面を見てくださったら、どうかお願いです。

病院でも、痰の自動吸引装置を導入して、少しでも痰による苦しみを

軽減できるよう、装置を導入しやすいように、

診療報酬体系に組み込むなどして、導入促進策を講じてください。

(機械を導入すると、さらに人員を減らす・・・という制度は困るけれど)

今、痰に苦しむ病人の姿は、決して他人事でなく、いつ、何時、

あなたや、あなたの家族、そして私を含め、誰の身にも起こりうる

人生最後の‘苦難’かも知れないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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No.273 「新年のジミな神頼み」

2015-01-03 | 日記

               nonnon日記

 明けまして おめでとうございます。

 断捨離を  断捨離しては  年を越し

(あれもしなけりゃ、これもしなけりゃ、と気忙しい年末・・・。

いよいよ日が迫ってくると、・・・ええいっ、このままでいいっ。

と、開き直ることも、心の健康の為にはいいのだ。・・・・)

というポリシーの元、新年になってから、シオシオと、‘ジミー’に

整理整頓している私です。

でもお正月なので、ちょっと‘暗い中にも明るい話題’を書きます。

最近、夫の病室に来た‘隣人’は70代男性。

水頭症の病歴あり、回復して普通に日常生活を送っていたが、バスの中で、

転倒。脳出血の大手術。ご家族によると かなりの血を取り除いたそうで、

もう意識は戻らないのでは・・・という主治医の話だったそうだ。

こちらのベッドから見ていると・・・確かに、目も開かず、寝たきりである。

しかし、それにしては、手足が良く動く。その上、・・・他の付添い奥さんと、

‘彼’のことをちょっと話題にすると・・すぐ首を振ったり・・・反応するのだ。

(耳がしっかり、聞こえている・・・)そんな風に私は感じていた。

先日、40代のとても感じの良い御嬢さんが見えて、おっしゃるにjは・・・

ある看護師さんに「父はもう意識は戻らないのでしょうか?」と尋ねたら、

「いえねェ、ご家族にこんなことを申し上げていいのかどうか・・と思うのです

けどねェ。・・・この間、検査で移動中に・・・どうもねェ、私のおシリをさわ

ったようなんです。だから、大丈夫じゃないですか?」

その話を聞いて、私と御嬢さん、一緒にニッ と笑ってしまった。

そうか、それじゃ大丈夫だ。きっと回復する・・・・。

一体、若い女性のおシリを触って、‘希望’と受け止められる‘世界’が他のどこに

あるだろうか・・・・?満員電車の中なら、社会的地位も失いかねない。

・・・・それにしても、恐るべしは人間の本能・・・。

脳の中のどこかが破損した時に露わに出てくる・・・・。

いつか私も、脳梗塞等で倒れて・・・イケメンリハビリスタッフなぞに・・・

無意識にすがりついたりなどして・・・ブルル・・そんなことのないよう・・・・

どうか神様、お願いしますよッ!

 

 

 

 

 

 

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