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珈琲ひらり

熱い珈琲、もしくは冷珈なんかを飲む片手間に読めるようなそんな文章をお楽しみください。

夢に見ていた

2008年01月17日 | 降る雨のウタ

 夢に見ていた明日の自分は誰でしょう?
 それは今日のあなたですか?
 誰かを当てにしても求めるモノじゃないのだから、夢に見ていた自分にはしてはくれない。
 ガラクタ染みた自分。そう嘆いていた自分を、どうか抱きしめて。
 明日の自分に求め続けた答えは、抱き締めたガラクタ染みた自分にあるよ。
 だから、夜を飛び越えていける。
 本当の自分は、そこにいるよ。
 見せ掛けの自分は捨てて、ただありのままで。
 私はそんなあなたを愛してる。

星屑たちよ

2008年01月17日 | 降る雨のウタ

 星屑が落ちてくるよう。
 真っ暗な空から舞い降る夜の雪は、星の成れの果て。
 静かに舞い積もる雪の上に広がる空にはそうして明かりは消えるのだわ。
 そうしていつも下ばかりを見て歩く私は、自分の歩いて行く道が光りに満ち満ちてるのを悟るの。

運命さえ飲み込まれる闇

2008年01月17日 | 降る雨のウタ

 あなたの運命はドロドロ。
 あなたは悲劇の王子様。
 ねえ、でも知っていらっしゃる?
 それは他の方々にとっては喜劇でいらっしゃるのよ?
 だってあなたは澄み切った明日から目を逸らしていらっしゃるのですもの。
 おかしなお方。
 あなたはピエロ。
 楽しい楽しい玉乗りをしていらっしゃる。
 だからあたしがあなたと一緒にその玉に乗ってさしあげる。
 運命さえ飲み込まれる闇?
 あなたと一緒に喜劇を演じられるのなら、それは本望だわ。

届かない運命

2008年01月16日 | 降る雨のウタ

 届かない運命。
 ぼくの心の翼を沈めるものなんて断ち切りたいのに、断ち切れない。
 だからぼくは、靴紐を結びなおす。
 いつだって探していた。
 空を飛んでいけないのなら、今は届かない場所に居るキミの手を触れられる場所。
 信じられている時間をぼくは独りにしない。
 靴紐を結んだら、ぼくは歩いていく。
 届かない運命なんて絶対に無い。
 廻りめく運命を絶対に離さない。
 逃げていく運命を追いかける。
 届かない運命を断ち切って、キミを追いかけて、二度と離さない。
 眩しすぎるキミを抱き閉めて、ぼくたちの想いを結びなおす。
 もう二度と、別れないように。
 投げ出さない。
 傷つけない。
 応えていきたい。言葉じゃなくて、想いを。
 全ての答えは、どこまでも消えることの無い過ちを溶かして、行き着いたぼくとキミの未来。

あなたの話す夢

2008年01月16日 | 降る雨のウタ

 あなたの話してくれる夢が好きでした。
 あなたが私に歌うようにあなたの夢を話してくれるたびに私も夢を見てました。
 夢を叶えたあなたの横であなたを応援している私を夢見ていました。
 あなたの夢は私の夢でした。
 だからずっと輝いていて欲しかった。
 私はずっと夢を追いかけるあなたを抱いていたかった。
 生まれた夢がたとえ小さくても、あなたの瞳にうつる夢を私は信じていたかった。
 私にはその夢を消す事なんて出来なかった。
 だからずっとあなたの夢を守りたかった。
 傷つくあなたの涙を明日への希望に私のキスで変えたかった。
 未来への扉を開けて欲しい。
 私は今でもあなたの話していた夢が好き。
 だからいつだって私は、あなたがまた歯車を回して立ち上がるのを祈って、信じてる。
 私はあなたがいつだって、どこにいたって、見つけられるように輝いておくから、あなたも天使の羽根を抱いて、もう一度夢を追いかけて。
 私はいつだって輝いておく。
 あなたが見つけられるように。
 あなたを照らせるように。

はぐれた心

2008年01月16日 | 降る雨のウタ


 はぐれた心はどこへいくのでしょう?
 青く煙る水平線をこの目はまだ覚えてるのに、心はとても遠くまできてしまった。
 はぐれた心で行き着ける場所はあとどれだけ迷えば行けるのでしょう?
 もう全て、何も無かった事にしてしまえば、心はあなたに出逢えますか?

永遠の雪

2008年01月08日 | 降る雨のウタ
 雪のように、ただ静かに降り積もっていき続ける、君への想いが。
 好きだよ。
 君が気づいているのかわからないそう言いたくなる想いは、ため息になって、窓硝子ばかりを曇らせていく。
 言えたらいいのに、この言葉を君に。
 遠くに居る君に。
 曇った硝子に指先であたしは君の名前を書いて、
 口付けをする。
 それはあたしだけの秘め事。
 あたしは君のお姉さんになるって決めたから。
 だからこれはあたしだけの秘密。
 弟になった君の笑顔は温かで、この雪を溶かして、ともすればあたしに雪解けの春の予感を、あたしと君の幸せを願わせるけれども、
 でも、
 君はあたしに微笑むから、
 その微笑だけで充分にあたしの心は、
 ただしんしんと君への想いを隠すように降り積もらせ続けていく雪に覆われた心は温かくなるから、
 溶かしてはいけないから、
 吹雪になっても、君を想うたびに、君への好きを込めて編んだこのマフラーを抱きしめるから、
 胸にこみ上げる泣き叫びたくなる想いも、
 君に会いたくなるこの衝動も、
 雪に隠せるから。
 あたしは君を好きになって、嬉しかったよ。
 好きだったよ。
 膨らんでいく想いは蕾をなして、花を開かせたくなるけれども、
 ただ静かに降り積もり続けていく雪で、
 春は、来ない。
 知りたくなかったなんて思わない。
 会わなければ良かったなんて思わない。
 君を思い続けていく。
 君を思い続けながら、雪を降り積もらせ続けていく。
 春は、来ない。
 寒くないように、網掛けのこのマフラーを抱きしめて、
 君へと続くこの想い、永遠に降る雪で、隠すの。
 あたしはお姉ちゃんで、君は弟。
 

水溜り

2007年07月09日 | 降る雨のウタ



 下を向いて歩いていた。
 ただ見えるのは暗鬱なでこぼこのアスファルト。
 僕の歩く道は大人にたくさんの可能性の芽を出すはずの土をアスファルトで固められた道。
 鬱屈とした思いで暗澹と道を進む。
 ただ進む。
 道は決められていた。
 ただアスファルトで固められた道を。
 下を向いて歩いていた。
 だけど、
 そしたら僕はアスファルトに溜まった水溜りを見つけたんだ。
 水溜りが映していたのは空だった。
 青い空は大人の手が付けられていなくって、
 無限の広がりを見せていた。
 それを見ていた僕の気持ちは何ともいえない悦びに花開いたんだ。
 僕は両手を開いて、飛行機が滑走路を走るように道を走った。
 僕は空が飛びたかった。
 その空に飛び出せるのなら、僕は僕の好きな場所に飛んでいける。
 両手を広げて、
 全ての可能性を覆い潰してしまったアスファルトの道を蹴って、
 僕は空に飛び上がった。
 空から見た地上は全てアスファルトに覆いつくされていたけど、
 それでもそれはたくさんの道に枝分かれしていて、その行く先は空からでも見えなかった。
 憧れていた空は、飛びあがった瞬間に、足のつかぬ事が恐怖に思えて、僕はただひたすら空で飛び続ける事に専念する。
 ただ僕はがむしゃらだった。落ちないようにするために。
 アスファルトの道を歩いていた時のある意味の安全はもう無い。
 僕はあれだけ憧れた空に飛び上がったくせに太陽に向かって飛ぶ勇気は無くて、ただ空を落ちない様に飛んでいる。
 飛ぶ前に飛ぶ事に対して抱いていた憧れや想いなんてもう遠い向こう。
 何もかも忘れてただ飛ぶだけの僕。
 そんな僕に、その枝は優しかったんだ。
 疲れた僕はその枝にとまる。
 とまれる事が嬉しかった。
 安心できた。
 僕はいつの間にか鳥になっていた。
 枝にとまって羽を休めた。
 枝を手に入れた僕は空を飛びまわり、枝にとまる日々。
 ただそれだけの繰り返し。
 それでもそれは僕にとっては僕が心に抱く全てを騙す事が出来る優しい日常だった。
 

ゴム飛行機

2007年05月28日 | 降る雨のウタ


 僕の目から涙が零れた。

 青い空を飛んでいくゴム飛行機を見て。

 君は笑いながら僕に言ってくれた。

 後悔や自戒は、自身に対して想う事は、ゴム飛行機のゴムを巻く行為なんだって。

 何かをして傷つくのは痛いけど、

 それでも傷つくたびに想う後悔や自戒、どうしてあの時できなかったんだろう? 言えなかったんだろう? 仕出かした失敗に凹む心。だけどそれはいつか飛ぶための大事な動力源。

 そうやって自分というモノを見る事で人はいつか飛ぶためのゴムを巻いているんだって。

 僕らはゴム飛行機。

 僕らは生きて傷つくたびに、

 自分を見て、知って、思いを抱くたびに、

 心のゴムを巻いているんだ。

 巻いて、

 巻いて、

 巻いて、

 そして僕らはゴムを巻き終わった瞬間に、あの青い空に飛べるんだ。

 今は傷つくだけで、何も出来ない僕だけど、でもこのゴムを巻く日々の先に、僕はいつか絶対にあの青い空を飛べる。

 飛べるんだ。

 僕らはゴム飛行機。

 僕の日々は未だゴムを巻く日々なだけ。

 いつか絶対にあの青い空を飛ぶんだ。

あたしは知っている。

2006年07月14日 | 降る雨のウタ

 あたしは知っている。
 あなたが頑張っていた事を。


 あたしは知っている。
 あなたが空回りしていた事を。


 あたしは知っている。
 あなたが必死に自分の存在意義を探していた事を。


 だからあたしは教えてあげる。
 あなたはあたしの存在意義である事を。



                     フリーデリーケ・ベルンカステル

2006年07月04日 | 降る雨のウタ



 どこまでも飛んでいけると想った。
 この翼に不可能は無いと想った。
 翼を固めた蝋が溶けて、落ちていくその瞬間までは。
 私は落ちていく。
 太陽の前で。
 灼熱の円盤に歯牙にもかけられずに。
 それでも私は翼を蝋で固めていた時の私には敵わない。
 私は落ちていく。
 愚かにもまだ、翼を蝋で固める計画を思案しながら。
 おちて行く私にはもう、未来など無いにもかかわらずに。


                    フリーデリーケ・ベルンカステル

ぞくりとする

2006年07月02日 | 降る雨のウタ


 ああ、ぞくりとする。
 あなたのその幸せを、壊せる時が。


 ああ、ぞくりとする。
 光りの世界に居るあなたを、闇の世界に引きずり込む時が。


 ああ、ぞくりとする。
 あなたの転落を願う私の念が、願った時が。


                    フリーデリーケ・ベルンカステル


馬鹿ね

2006年07月02日 | 降る雨のウタ



 くすくすくす。
 馬鹿ね。
 謝る必要など無いのに。
 誰も嘘つきのあなたの言葉なんてもう、信じてはいないのだから。


 くすくすくす。
 馬鹿ね。
 そんなに嬉しそうにはしゃいで。
 もう誰も嘘つきのあなたの言葉なんか言葉半分、嘘をつかれて、また言った事を護らないで、って最初から言葉半分も聞いてはいないのに。


 くすくすくす。
 馬鹿ね。
 何もかも性格のせいにして、それで逃げられるほど周りの人間全てが優しいって、本当にそう思っているの? 世間知らずのお姫様。



                     フリーデリーケ・ベルンカステル