「なんだか俺たち、似た者同士ですね」
大学のサークルの飲み会帰り、酔ったあなたを介抱してくれたのは、
同じく仕事の飲み会帰りの秋山颯真(あきやま そうま)だった。
お互いお酒は好きなものの、慣れ合いの酒席は苦手で、仕方なく参加した……という境遇に意気投合。
「自分に自信がなく、周りについていくのに必死」と悩みを打ち明けたあなたに、
颯真はヘアサロンのオーナーとして力になりたいとプロデュースを名乗り出た。
早速彼のサロンを訪れ、ヘアスタイルからメイク、ファッションにいたるまで
的確なアドバイスを受け、あなたは徐々に自分に自信をつけていく。
上京したての控えめだった頃から一変。交友関係も広がり、今時の若者らしい充実した毎日に変わっていく。
あれだけ嫌だった飲み会にも自ら参加するようになり、まるで魔法をかけられたシンデレラのような気分だった。
〝きっかけひとつで人は変われるんだ”
その時は、そう思わずにはいられなかった――
ヤンデレとサスペンスが交錯する物語の真の結末とは……。
この執着は、『愛』か『狂気』か。
シナリオ:七原みさ 制作:BULLET (2021年)
ついに、とでも言えばいいのか、土門くんが執着eyeシリーズに参戦です。
美容師さんでヒロインちゃんを変身させてあげて恋仲になって~と思ってたら
恋仲にはならなかった件。いや、彼的には達成できてるみたいなんだけど、
ヒロインちゃん的にそんなつもりないだろうな、と思いまして。
一体、いつから彼に「執着」されてたのか。駅で出会う前から彼はヒロインちゃんに
狙いを定めていた…?
そう想像させるセリフもあったので、出発点をそっと考えながら、聞き終えました。
このシリーズの特徴なのか、前半は普通にいい人なんですよね。その彼がとある切っ掛けから
どんどん本性が見えてくる感じ。颯真もご多分に漏れず、ヒロインちゃんを助けてあげて
話をしてくれるその間はとてもいい人。好感度が高めなんです。
ただ、ちょっと兆候はあったかな。彼の過去話が出た時、ちょっと語り方に違和感があるというか…
んで、私的に彼のスイッチが入ったのってピアスの穴を開けてあげるシーンだった気がしてる。
もとから狙ってたとしても、感情のギアの入った瞬間というか。
生唾飲み込む颯真がごく近くにいて、「あ、これは…」って感じたので。
にしても、本来の彼のが出てきてからがまた怖い。店で押し倒すだけかと思ったら、まさか
バリカン持ち出しちゃうとは夢にも思わず、ヒロインちゃんじゃないけど一瞬動けなくなったです。
ことに及べば当たり前の如くゴムなし2回戦。執着と狂気に満ちててこれはまた凄い。
ただ、颯真って彼女を見てるようでなんかそうじゃない気がしてたんだけど、フリトの土門くんの
言葉とメイト版の特典を聞いて腑に落ちた。あぁ、颯真は「理想」に執着してたんじゃないのかなって。
抱きながら「愉悦」してる彼は、彼女を見ているようで他の何かに浸ってる感じ。
気持ちが嘘だとか無いないのだとか、そういう訳じゃないけど、きっとヒロインちゃんには正しく
彼の気持ちも意図も伝わってる感じがしない行為に聞こえました。
そして、この距離感がまた怖さを助長させてる気もした。
あ、最終トラックで土門くんによる短いフリートークがございます。
キャラの空気感を壊さずそこに佇むようなトーンと話し方の土門くん。なんていうか静かに話す声音から
颯真の残香が感じられた雰囲気。
そんな彼から紡がれる役の解釈が知れて納得できましたし、最後まで聞くことをおすすめします。
ただし、最後まで気を抜かれませんよう。私は最後で変な声が出ました。あれはずるい。
ちなみにシリーズ他作品の感想は