世界初の4ビットマイクロプロセッサ「4004」(第1世代)の独占的権利を得たインテル社は、それを“インテル4004シリーズ”として一般企業に販売し、大反響を呼んだ。
世の中が、大型コンピュータの時代からパーソナルコンピュータの時代に移ることを予感したインテル社は、高機能マイクロプロセッサの開発を進める。
1970年代には、マイクロプロセッサ「8008」、「8080シリーズ」(第2世代)を発表した。
これらのマイクロプロセッサと支援ソフトウェアの組み合わせによるマイクロ・コンピュータ・システムが出現し、社会や産業に大きな変化をもたらした。
これらの成功に満足せず、インテル社は新しい技術に挑戦を続ける。
80年代には16ビットマイクロプロセッサ「80286」(第3世代)、32ビットマイクロプロセッサ「i386」(第4世代)を開発した。
続いて90年代には、第5世代「Pentium」、第6世代「Pentium Pro」を発表、インテルの黄金時代を築く。
2000年代にはいると「Pentiumシリーズ」、「Coreシリーズ」を世に送り出し、ARM等競合メーカーとの熾烈な競争を勝ち抜いていく。
インテル社は高性能マイクロプロセッサの分野で40年にわたり、世界一のメーカーとして君臨し続けている。
モバイル分野では後れをとっているが、最先端の技術分野で、長期間にわたり先頭を走り続けていることは奇跡に近い。
個人でも組織でも大成功を経験すると、新しいことへの挑戦時、成功した方法の改良で乗り切ろうとする。
インテル社の場合、“最大のライバルは自分自身”の言葉通り、蓄積したものをリセットし、失敗の危険性は高いが、新しい方法で解決する、という意欲を常に持ち続けている、ということが成功の原因だろうか。
参考図:「日本の半導体開発」、中川靖造、ダイヤモンド社、1981
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