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おわりに

 おわりに

 (何故、モンゴルのような少数民族が世界帝国を築けたのか?)

 人口が30万人、周辺部族を加えてもせいぜい100万人に満たないモンゴルが、何故1億人もの人が住む広大な領域を支配し得たのであろうか。

 要因は2つあると思われる。

(1)革新的な軍事力
 モンゴル騎馬軍団は、他を圧する機動力と柔軟な作戦遂行能力を持っていた。
また、攻城戦には弱い欠点を、属国の軍事力を取り入れることにより、補った。
そしてその軍は、自給自足能力を持つ独立性を持っていた。

 これらのことから、モンゴル騎馬軍団は近代における艦隊に類似している。
強力な打撃力を持って機動することにより、少数で、多数の敵がいる広い領域を制圧できる。
ポルトガルが、少数だが強力な艦隊によりインド洋の制海権を確保し、世界帝国になったのと同じである。

(2)間接支配
 モンゴル帝国では、征服した土地を間接統治した。
征服した土地において、ハンは土着の統治者を任命し、その者をリモート・コントロールした。
その土地の習慣や宗教には口出ししなかったが、軍事力の提供を求め、重い税を徴収した。
近代における大英帝国のアジア・アフリカ支配の原型である。

 そのたぐいまれなる軍事力により、モンゴル帝国はユーラシア大陸を席巻した。
しかし、軍事力による植民地支配が長くは続かないことは、歴史が繰り返し示しているのではあるが、この蒼き狼たち物語には、何か心を沸き立たせるものがある。


 参考図:「大航海時代」、森村宗冬、新紀元社、2003
      
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