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日本海海戦(32)

 第2次世界大戦ものが著作権の関係でできなかったための窮余の「海戦史」でしたが、調べて見ると、いろいろな新発見がありました。  ローマ帝国が後の帝国と異なり、他者に対し寛容な帝国であったこと、近代ヨーロッパは戦争の連続であり、その中で鍛えられた軍事、経済、政治システムが後の世界制覇に寄与したこと、日本海海戦の勝利が後の日本帝国海軍の戦略、戦術の中核をつくったことなどです。
一休みして「海賊もの」でもやってみよう、と思っています。

Battle of the Japan Sea (32)
[by Sydney Tyler]
 Experts the world around failed to find adequate explanation for this amazing disparity. As summarized at Tokyo, these are reasons which in part contributed to Admiral Rojestvensky’s defeat:

 “First. An imperfect reconnaissance and incomplete, faulty and misleading intelligence.”
 “Second. An imperfect battle formation, which indicated that Rojestvensky did not expect to meet Togo off Tsushima.”
 “Third. The weather, the direction of the wind and the sunlight were unfavorable to the Russians, Togo having the sun behind him and firing with the wind, while the Russians had the sunlight in their eyes and fired against the wind.”
 “Fourth. The Russians wasted their ammunition and eventually their supply ran short. It is believed that the surrender of Nebogatoff was necessary because his ammunition had been expended.”
 “Fifth. The marked inferiority of the Russian gunnery.”

 Japan hailed Togo as the nation’s hero. A popular subscription will raise to him a giant lighthouse on lofty Tsu Island, commanding the sea for a radius of eighty miles, the area through which the battle was waged.

日本海海戦(32)
[シドニー・タイラー著]
 世界中の専門家は、この日本艦隊の圧倒的勝利について十分な説明ができなかった。  東京での分析によれば、この原因はある部分、ロジェストウェンスキー提督の失敗に帰する、としている。

 1. 不完全な偵察と不十分で誤った情報
 2. 艦隊の不完全な戦闘フォーメーション。  そのことは、ロジェストウェンスキーが対馬沖で東郷と会敵することを予測していなかったことを示している。
 3. 天候。  風向きと太陽の位置はロシア側に不利だった。  東郷艦隊は太陽を背に受け、風にのせて砲撃したが、ロシア艦隊は太陽光を目に受け、風に逆らって砲撃した。
 4. ロシア艦隊は弾薬を浪費し、結局足りなくなった。  ネガボトフ艦隊は弾薬を使い果たしたため、降伏したと信じられている。
 5. ロシア側の砲撃能力が著しく劣っていた。

 日本は東郷を国の英雄として称えた。  一般の寄付により対馬の高台に巨大な灯台が建てられ、東郷に贈られる予定である。  その灯台は、戦いが行われた海域を含む、半径80マイルの海を睥睨するだろう。

(ひとこと)
 日本海海戦の勝利を契機として、日本は列強に伍する海軍力をつくりあげて行く。  そのバックボーンとなったのは、日本海海戦の延長線上にある「艦隊決戦」思想と「夜間水雷攻撃」戦術だった。  「艦隊決戦」思想を追い求めた究極が、マンモス戦艦大和と武蔵の建造となった。  しかし、36年後の太平洋戦争時には時代遅れになっていたのである。
〔参考図:檜山良昭著「戦艦大和の謎」、光文社〕
     
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