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英語で読む海戦史(90)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩIII The Navy in the Invasion of France( 1944 )
90.
Leaving it to others to describe the movements of troops ashore, we must record German counterattacks on the naval forces, which stood by for call fire for two weeks. The German Air Force flew up about a thousand aircraft from Germany and Italy, and expended them freely in a vain endeavor to hamper the Allied buildup. Their attacks began on the night of 7-8 June, when they sank destroyer Meredith with a glide-bomb, and next day they got a Liberty ship. Within a few days, fighter interception became so well organized that Luftwaffe raids became less frequent.

The German weapon that gave sailors the greatest concern was the mine. One of the most fortunate things that happened to the Allies was the enemy’s delay in planting the “oyster” mines that he had recently developed; these lay on the bottom and were exploded by the pressure applied by a ship going over them. Most of the mines that did the damage off the beaches were delayed-action magnetic or sonic mines, laid before D-day. At o820 June 7, Susan B. Anthony exploded one of these while approaching Omaha, and went down quickly. Her troops were rescued by small craft. Next day saw the loss by mines of destroyer escort Rich and of destroyer Glennon. Up to 3 July, 261 mines were swept in the American sector and 291 in the British.
            
(訳)
第13章 フランス侵攻での海軍( 1944年 )
90.
     海岸における部隊の動きに記述を進める前に、ドイツ軍の我々の艦隊、火力支援に応えるため2週間の間、待機していた艦隊に対する反撃について書き留めておこう。  ドイツとイタリアから約1千機の空軍機が飛来したが、連合軍の強化を防ぐという虚しい努力の中で、彼らは浪費されてしまった。  ドイツ空軍の攻撃は6月7日から8日にかけての夜、始まった。  その時、やつらは駆逐艦“メレディス”を滑空爆弾で沈め、次の日、1隻のリバティ貨物船を屠った。  しかしながら、2,3日の内に、戦闘機による邀撃がうまく組織されたので、ドイツ空軍の来襲はまれになった。

     水兵にとって最大の関心を引くドイツ軍の兵器は機雷だった。  連合軍に起こった最も幸運なことの1つは、最近開発された“オイスター(かき)”機雷の敵軍による設置の遅れだった。  それらの機雷は海底に横たわり、頭上を通過する船により加えられる水圧で爆発した。  海岸沖で我々に損傷を与えた機雷の大部分は、Dディ前に設置された、遅延作動の磁気機雷か音響機雷だった。  6月7日8時20分、スーザン・B・アンソニー号はオマハに接近中、これら機雷の1つを爆発させた。  船はすぐに沈んだが、船に同乗していた兵士達は小艦艇により救助された。  次に日、機雷による護衛駆逐艦“リッチ”と駆逐艦“グレノン”の損失を、我々は見ることになった。  7月3日までに、261個の機雷がアメリガ軍担当地域で、291個がイギリス軍担当地域で一掃された。                

(注釈)
     機雷の除去作業は、地雷除去作業と同様、大変危険で、忍耐のいる仕事である。  磁気機雷は曳航ケーブルに電流を流して磁場を発生させ、音響機雷は擬似音響を発生させて、誘爆させる。  触発式係維機雷はカッターで係維索を切って浮上させたのち、機銃などで処理する。  本文中の水圧感応式機雷に関しては定かではないが、水中曳航物などで水圧を発生させ、爆発させるものと思われる。  これらの作業は掃海艇が行う。  ちなみに、掃海艇の船体は磁気機雷に反応しないよう、木製である。
〔参考文献:「海上自衛隊パーフェクトガイド」、学習研究社〕
     
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