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英語で読む海戦史(91)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩIII The Navy in the Invasion of France( 1944 )
91.
     On D-day plus 12, June 18, everything in both sectors was “all tickety-boo,” to use a favorite phrase of Field Marshal Montgomery for describing military perfection. By the end of that day 314,514 troops, 41,000 vehicles and 116,000 tons of supplies had been landed over the American beaches; 314,547 troops, 54,000 vehicles and 102,000 tons of supplies over the British beaches. Then Nature intervened with the worst June storm in forty years.

At midnight 18-19 June, a strong wind with heavy rain began to blow on the assault beaches. During the day the wind increased and the sea built up so rapidly that by mid-afternoon unloading had to stop on Omaha beach. This state of affairs continued for two more days. Heavy surf pounded the beaches, small craft took shelter behind the block-ships, all work stopped, ships anchored off shore dragged anchors and fouled one another, beaching craft were driven ashore, Mulberry A began to break up, and the crash of small craft, dukws, vehicles and derelict units grinding together was heard above the din of war.
            
(訳)
第13章 フランス侵攻での海軍( 1944年 )
91.
     Dディプラス12日の6月18日、英米両地区での全てのことは、軍事上の完璧さを述べる時のモントゴメリー陸軍元帥の好きなフレーズを使えば、“すべて快調!”だった。  その日までに、31万4,514人の兵士と4万1,000台の車両、11万6,000トンの補給品がアメリカ軍の浜辺に揚陸された。  また、イギリス軍の浜辺には31万4,547人の兵士、5万4,000台の車両、10万2,000トンの補給品が揚陸された。  その後、“自然”は40年で一番ひどい6月の嵐により、妨害したのである。

     6月18日から19日の真夜中に、豪雨を伴った強風が橋頭堡に吹きつけ始めた。  その日の間、風は強まり、海は急速に盛り上がったので、昼下がりまでにオマハ海岸の揚陸作業は停止させねばならなかった。  この事態はさらに2日間続いた。  激しい白波が浜辺に打ち寄せ、小さな船は封鎖船の背後に避難した。  すべての作業は停止し、沖合に停泊した船は錨を引きずり、お互いに絡み合った。  浜辺用艇は岸に打ち上げられ、マルベリーAはばらばらになり始めた。  そして互いにぶつかり合う、小さな船やダック、車両、廃棄された部品のすさまじい音は戦争の騒音を超えて聞こえた。   

(注釈)
         艦船は速度を上げるためや被弾を避けるため、船の長さと船の幅の比が一般商船に比較して大きい。  上空からみると、細長いすっきりした形をしており、いかにも速そうである。  しかし、この船型は横揺れに弱い。  暴風雨にあうと、特に駆逐艦などの小艦艇は被害にあいやすい。  大戦中、ソ連への援助物資を輸送する船団は、スカンジナビア半島沖のバレンツ海を通過した。  バレンツ海は世界でも有数の荒れる海であり、ここを舞台に連合軍の船団、護衛艦隊とドイツのUボートや爆撃機、水上艦隊との息詰まる死闘が繰り返された。

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