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第2話(2)

 パナマ襲撃(2)

 フランス人がドレーク隊に加わり、ピンネースは4隻になった。
月明かりの中、艇隊はノンブレ・デ・ディオス湾に潜入する。

 ピンネースが水を切る音だけが聞こえる。

 しばらくして、海岸の見張りが不審船の侵入に気づいた。
”カンカンカン”
警鐘が鳴らされる。

 「急げ、砂浜に突っ込むぞ!」
ダニエルらは力一杯オールを漕ぎ、艇は浅瀬に乗り上げた。

 「各自武器を取り、上陸しろ。第一目標は海岸砲台だ!」
ダニエルはマスケット銃と短い槍を持ち、飛び降りる。

 膝下までの水をかき分け砂浜に上がり、右側の石造りの堡塁の上に駆け上がる。

 寝込みを襲われて、慌てて逃げ出したと見え、スペイン兵の姿はない。
大砲が6門、海を向いていた。

 大部隊が上陸したと思わせるため、ドレーク隊はラッパを吹き、太鼓を打ち鳴らしながら、街の広場に向け、大通りを突き進んだ。

 “タン タン タタン”
広場の入口にさしかかったとき、広場の反対側に銃火が閃いた。
ドレーク隊はパッと散開する。

 ダニエルは石造りの建物の影に隠れ、マスケット銃の火縄に点火し、銃火が光ったあたりに向け、引き金を引く。
“ドン!”
音と煙は盛大にでるが、至近距離でなければ、まず命中しない。
暗闇の中、次の発射まで1,2分かかる。

 「相手は住民の義勇兵だ。押し出せ!」
皆、槍や刀を手に“わっ”と飛び出す。
敵は1,2発撃った後、どっと逃げ出した。

 一人、逃げ遅れたやつを捕らえる。
恐怖におびえ、命乞いをする。
「総督の屋敷と、お宝をしまってある宝庫に案内しろ!」

 ドレークらの一隊は、総督の屋敷を捜索に出かけた。
残ったダニエルらは、スペイン兵の逆襲に備えたが、すぐには攻撃してくる気配はない。

 「おい、少しはお宝があるかもしれない。捜そう。」
近くの家に押し入り、衣装箱をひっくり返して、金目のものを捜した。

 「何かあったか?」
「少しばかりの金貨と宝石だ。どこかに隠してあるのだろう。」

     
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