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ローマとカルタゴ(13)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

ROMANS AND CARTHAGINIANS (13)
    While the battle was thus progressing in the centre-without decided results-Hanno, who commanded the Carthaginian right wing, instead of engaging the left Roman column in flank, stretched far out to sea, and bore down upon the Roman reserve, which carried the soldiers of the Triarii. The Carthaginians reserve, instead of attacking the Roman right column, as they evidently should have done, also bore down upon the Roman reserve.

    Thus three distinct and separate engagements were going on at once-all fought most valiantly. Just as the Roman reserve was overpowered, and about to yield, they saw that the Carthaginian centre was in full retreat, chased by the Roman van, while the Roman second division was hastening to the assistance of their sorely pressed reserve. This sight inspired the latter with new courage, and although they had had many vessels sunk, and a few captured, they continued the fight until the arrival of their friends caused their assailant, Hanno, to hoist the signal for retreat.

ローマとカルタゴ(13)
     戦闘は決定的な結果のでないまま中央で進んでいた。  その間に、カルタゴ軍の右翼を指揮していたハンノは、ローマ軍船団左側面に戦いをしかける代わりに、海側に大きく進み、トライアリからの兵士を運んでいたローマ軍予備船団を突いた。  カルタゴ軍の予備船団も、ローマ軍右側船団を攻撃するかわりに、ローマ軍の予備船団に襲い掛かった。  彼らは、明らかにローマ軍の右側船団を攻撃すべきであったのに。

     このようにして、3つの別々の孤立した戦いが同時に行われた。  それらの戦闘、すべては最高に勇敢に戦われた。  ローマ軍予備船団が圧倒され、降伏しかかったまさにその時、彼らはカルタゴ軍の中央がローマ軍船に追われ、全面的に退却しているのを見たのである。  その間に、ローマ軍の第2船団が、激しく押されている予備船団を助けるため急行していた。  この光景はローマの予備船団に新たな勇気を吹き込んだ。  既に多くの船を沈められ、少数の船は捕獲されていたが、彼らは友軍の到着まで戦い続けた。  友軍は敵、ハンノに退却の合図を高く上げさせたのである。

(ひとこと)
     当時の海戦での主要武器は、弓矢、投げやり、火矢、投石器、槍、刀剣などである。  映画やテレビ・ドラマでの接近戦では、刀による切りあいがよく見られるが、実際は主に槍、弓矢による集団戦だったと思われる。  何と言っても、単位面積当たりの打撃力は刀より槍、矢の方が優れている。  刀ではなかなか致命傷は与えられない。  それに、敵にはなるべく近づきたくないのが人の気持ちである。  日本の戦国時代でも鉄砲が登場するまでは、槍、弓矢での戦いが多く、刀の出番は少なかったようである。
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