万華舎

宗家藤間流日本舞踊「万の会」と藤間勘舞恵の活動記録です。

扇の話

2011-11-26 23:44:20 | 日記
こんばんは
今日は高輪の師匠宅の稽古でした。
すっかり寒くなって、コートの他にショールが必要になってきました。

今日は扇の話をします。
通常、日本舞踊の稽古の時に携帯するものは扇二本と手ぬぐいになります。
この三つがあればほとんどの踊りを踊ることが出来ます。

扇は踊りの中で様々なものに変化します。団扇、鏡、傘、編笠、刀、薙刀、山、海、波、風、馬の手綱…相手の男性や子供…。
役や踊りによって決まっているものも多く、藤娘の扇、鏡獅子の扇…といえば柄や骨の種類(白竹、煤竹、塗り…など)がわかるものもあります。
扇の大きさは骨の長さで表されます。九寸五分が一般的です。(藤間流では一尺)
また、役の身分や衣装によって使う扇もあります。

例えば、姫扇は小振りな金銀の地紙に黒骨、朱色の小さな房のついた可愛い扇で名前の通り、姫君が持ちます。
その姫扇の房無しを女扇といって、奥女中や腰元が持ちます。
天紅は扇の天(地紙の上部)が紅に染めてあるもので芸者が持ちます。
中啓は能などで持つ扇ですが日本舞踊では能取りものや烏帽子、長絹、つぼおりなどの衣装の際に使います。
仕舞扇もお仕舞の時に持つ扇ですが、踊りによっては日本舞踊でも使います。

まだまだ扇にはたくさんの種類や柄の決まりがありますが、おいおいお話ししたいと思います。

秋好日

2011-11-25 15:49:09 | 日記
昨日、今日と綺麗な夕焼け空が望めました。
夕日に透けたハナミズキの紅葉を撮ってみました。
今日はこれから高輪区民センターの稽古です。

今呼んでいる本を紹介します。以前読んだはずなのですが、改めて読み直すと新しい発見しきりです。

渡辺 保著
「日本の舞踊」岩波新書

日本の舞踊の歴史や歌舞伎、能、伴奏としての邦楽の成り立ちと共に、亡くなられたご宗家六世藤間勘十郎師と宗家藤間流にも触れられています。

稽古場

2011-11-24 14:35:22 | 日記
こんにちは
今日は暖かな一日です。
木曜日は高輪の師匠宅のお泊り当番です。

師匠宅の稽古場です。
総檜舞台で四間半×二間半くらいの広さです。
床下には壷を埋めて足を踏むとよく響くようになっています。
稽古前には水に牛乳を入れ堅く絞った布で拭き清めます。(牛乳だと白く、糠袋だと黒々と艶が出るそうです)
建て直してから二十年以上拭き込んで、大分艶が出て、影が映るようになりました。

この舞台が一番足に馴染んで踊り易いです。

写真の右手奥は窓になっていて庭に面しています。
お庭には金刀比羅さまのお社があり、毎朝、お神酒とお米、お塩、お水をお供えして祝詞を上げます。

子供の時から神様に見守られ稽古してきた、大事な大事な稽古場です。

髪型

2011-11-23 13:56:06 | 日記
こんにちは
今日は二十四節気の「小雪」にあたり、勤労感謝の日で祭日ですが、高輪の師匠宅稽古はあります。
この勤労感謝の日、元々は「新嘗祭」という新穀を神様にお供えして豊饒を寿ぎ感謝を捧げるお祭りでした。今でも宮中や神社などでは行われています。


さて、今日の題材は「髪型」
先日、原宿で上の写真そっくりな髪型をした女の子がいました。
上の写真の髪型は、「唐輪」といって、桃山時代から江戸初期の遊女や歌舞伎役者が結ったものです。
いつの時代もお洒落な人の考える事は共通するのだなぁと感心して女の子を見送りました。きっと、自分の髪型が桃山時代の遊女のものだとは思ってもみないだろうな…と。