万華舎

宗家藤間流日本舞踊「万の会」と藤間勘舞恵の活動記録です。

花の心

2012-02-23 23:54:05 | 日記
今回、チャリティー公演「結」の会の最後に踊らせて頂きます予定の東明流「花の心」は高橋箒庵作詞、東明柳舟作曲の東明節の名曲です。
変化に富むとても美しい曲に「因果はめぐる小車や有為転変のことわりは 昨日盛りと見し花の今日は無常の風に散る」、「よし花は散るこそ咲くの始めなれ今はとばかり根にかへる」など無常感や、輪廻の思想をうたい、いさぎよく咲き、いさぎよく散る花の心の雄々しさを讃えています。
踊りの振り付けも素晴らしく、風に散りしきる桜の光景がいつしか鎮まり、やがて明日の糧となる…、そんな鎮魂と再生のメッセージが伝えられましたらと最後の演目とさせて頂きました。


東明流「花の心」

それ花心あるときは 流るゝ水もおのづから さそふ情のありと聞く
しほらしや
今年より春知り初むる初桜
ふくむつぼみの口もとに つつみかねたるうれしさは春告げ鳥やもらすらん
ひかりのどけき天津空
山も笑へば霞さへ浮き立つ野辺にとぶ蝶の羽袖にうつる花の色
人の心もいつしかにあこがれ出でて
我や花 花や我なる夢のうち
寂光の浄土 喜見城まのあたり見る心地して
花の盛りぞ面白き
花心散るをうらむと誰かいふ
思ひしらずや散ればこそ桜はいとゝ゛目出度けれ
因果はめぐる小車や そのおやみなき世の中に有為転変のことわりは 昨日盛りと見し花も今日は無常の風に散る
アラ惜しと思ひもあへず
散りくるはちらちら
散りくるは風のまにまにちらちらと
いさぎよく散る心地よさ
よし花は散るこそ咲くの始めなれ
今はとばかり根にかへる
花の心の雄々しさよ
花の心の雄々しさよ



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第三回万の会及び、チャリティー公演「結」の会開催のお知らせ

2012-02-21 09:35:42 | 日記
私の主宰いたします万の会の開催をお知らせいたします。
今回は定例の万の会に続きまして、チャリティー公演 結の会を開催させて頂きます。


第三回 万の会
3月11日午後1時開演
日本橋社会教育会館8Fホールにて
〈演目〉寿/京の四季/吾妻八景/汐汲/潮来出島/あやめ/供奴/松の緑/屋敷娘/出雲梅/松の翁/廓八景

昨年の万の会は3月11日の震災によって3月20日の予定を5月1日に延期せざるをえませんでした。
やむを得ず、第二回のところ、勉強会として開催致しました。
今年は第三回に戻し、開催させて頂きます。


チャリティー公演
「結」の会
3月11日午後5時開演
日本橋社会教育会館8Fホールにて
入場料千円(下記の団体へ寄附させて頂きます)
〈演目〉日舞/ベリーダンス/講談/朗読
〈寄附先〉
・希望の牧場
htt://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/
・福島給餌プロジェクト
http://blogs.yahoo.co.jp/nanatohanasuke

先年3月の東日本大震災で被災された東北、及び関東の方々、そしてその直後に起こった原発事故によって被害を被り、住み慣れた土地を離れざるをえない方、放射能に怯えながらも留まる方、見捨てられようとしている動物たち…。
小さな小さなチャリティー公演ですが、私達の「想い」を届ける事が出来ましたら、と思います。




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無事終了しました

2012-02-19 21:38:43 | 日記
本日、日本舞踊協会公演「阿国歌舞伎夢華」の舞台、無事終了致しました。
お出まし頂いた方々、また、お力添え頂いた方々、まことにありがとうございました。


戸惑う事も多々ありましたが、たくさんの優しいお仲間に恵まれ、貴重な体験をさせて頂きました。


後は3月11日「万の会」とチャリティー公演「結」の会に力を注ぎたいと思います。



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八島

2012-02-10 13:28:26 | 日記
あかし会の踊り初めに踊らせていただきます荻江「八島(屋島)」は謡曲「八島」の後半を主題に地唄に作曲され、荻江にうつされたものです。
西国行脚の僧が讃岐の八島の浦で源義経の亡霊に逢い、壇之浦の合戦の物語を聞くというあらすじです。


荻江「八島」
釣の閑も波の上 霞み渡りて沖行くや 海士の小舟のほのぼのと 見えてぞ残る夕暮れや
浦風までも長閑なる しかも今宵は照りもせず 曇りも果てぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなし
また修羅道の鬨の声 矢叫びの音 振動せり

今日の修羅の敵は誰そ なに能登守教経とや
あら物々しや 手並みは知りぬ 思いぞいづる壇之浦の
その船軍 今は早や 閻浮に帰る生死の 海山一同に振動して
船よりは鬨の声 陸には波の楯 月に白むは剣の光 潮に映るは兜の星の影
水や空 空 行くもまた雲の波の 打ち合い刺し違ふる船軍の駆け引き 浮き沈みとせし程に
春の夜の波より明けて 敵と見えしは群れ居る鴎 鬨の声と聞こえしは浦風なりけり高松の 浦風なりけり高松の 朝嵐とぞなりにけり




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節分

2012-02-05 13:00:14 | 日記
二月三日は節分、明けて四日は立春でした。暦は不思議なもので、少し寒さが和らいだように思われます。

節分は本来、年に四回、立春、立夏、立秋、立冬の前日の事を言うのだそうです。

高輪の師匠宅では、節分の夜中、24時に「一陽来復」さんを恵方へ向けて張ります。
「一陽来復」さんは新宿区の早稲田にある穴八幡さまが有名ですが、師匠宅は近くの御田八幡さまで毎年、頂いて参ります。頂いたら真っすぐ、帰宅しなければなりません。何処かに寄ると、寄った所に福を落として来てしまいます。
そして、大晦日か節分の夜中に恵方へ向けて張り、一年のご加護を願うのです。

節分といえば、昔、浅草の知人宅で芸妓さんの「おばけ」に遭遇した事があります。「おばけ」とは主に現代では、花柳界で節分に仮装してお得意様を廻る風習の事です。
年若の芸妓さんが二人、大黒さまと布袋さまの格好で、「おばけです。よろしくお願いいたします」とお得意様を廻って、挨拶していました。お得意様からはご祝儀が。まだ、そういう風情が残っているのだなぁと感心したのを覚えています。