万華舎

宗家藤間流日本舞踊「万の会」と藤間勘舞恵の活動記録です。

時雨

2011-11-19 21:07:26 | 日記
こんばんは
今日は高輪の師匠宅の稽古でした。
朝からずいぶん強く降りましたが、皆さん雨は大丈夫でしたか?

今の時期にザッと降ったり止んだりする雨の事を「時雨」といいます。

長唄に「時雨西行」という曲があります。謡曲「江口」から題材をとり、先日、都鳥でお話した杵屋勝三郎の作曲、作詞は河竹黙阿弥です。
西行法師は元は佐藤義清という鳥羽上皇の北面の武士でしたが若くして出家します。
西行法師が江口の里で時雨にあい、遊女の家に一夜の宿を請い、お互いの身の上話や歌を詠みあううちに、いつしか遊女は普賢菩薩に変じます。
人間の、我が身の上を歎く遊女から、人間ではない仏への変容…、素踊りに近い簡素な舞台ですがかえってドラマチックな展開を盛り上げます。
いつか演じてみたい役の一つです。