かなぶち鍼灸調体堂の「先ずは只管打Jog」なほぼ毎日譚

目標を云々するレベルじゃありません(笑)。

乳化剤と腸管の炎症/メタボリックシンドロームの関係について

2015年03月19日 | 食事
という実験結果を紹介する、米国国立衛生研究所のニュースレターです。原文はこちらです。

マウスでの結果なので即断は出来ませんが、可能なら加工食品は摂らない方が無難でしょう。

NIH Reserch Matters(2015年3月16日付)
食品添加物がマウスの腸内細菌叢を変え、その結果病気が発生する
by Carol Torgan博士


【摘要】

・食品添加物である乳化剤をマウスに与えると、腸内細菌叢が変化し、大腸炎/メタボリックシンドロームの発生を促進する

・今回の実験結果は、特定の食品添加物が肥満/慢性炎症性腸疾患の発生率を増大させる役割を果たしている可能性を示唆する。

【本文】
 消化管に存在する腸内細菌叢は摂取した食物の消化/代謝に関与し、健全な免疫系の維持に役立っている。逆に、腸内細菌叢の変化は慢性病が発生する原因となる。

 腸管は厚い粘液層に覆われており、腸内細菌叢は腸管と直接接触していない。Andrew T. Gewirtz博士(ジョージア州立大学)を代表とする研究グループは、粘液層を破壊する効果のある化学物質が腸内細菌叢を変化せしめ、その結果炎症性疾患(炎症性腸疾患/メタボリックシンドローム等)が発症するという仮説を検証する実験を行った。

 食品添加物としての乳化剤は、食感の向上/品質保持期限の延長を目的として使用されている。乳化剤が腸管の粘液層を破壊すること、及び腸内細菌叢を変化させることは既に確かめられている。そのような乳化剤の作用が慢性疾患の発生と何らかの関係があるかどうかを確かめる目的で、研究グループは以下の実験を行った。なお、この実験には、米国国立衛生研究所傘下の米国糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)が資金を提供している。研究結果はNature誌(2015年3月5日付)で発表された。

<実験方法>
・用いた乳化剤:カルボキシメチルセルロース/ポリソルベート-80の2種

・実験材料:
①普通のマウス
②腸内細菌叢を有しない”無菌マウス”

・実験方法:
実験材料に低濃度の乳化剤溶液を12週間に渡って摂取させた。

<結果>
(1)①では、
・腸管の粘液層が薄くなり、腸内細菌叢が結腸の内壁に接近した
・腸内細菌叢の組成が変化した
・体重が増えた/食事の摂取量が増えた/体脂肪量が増えた/グルコースの
 代謝異常が発生した、といったメタボリックシンドロームの症状が発生した
・低レベルの消化管の炎症が発生した
といった変化が見られた。

(2)②では、 
・腸管には炎症の徴候は見られなかった
・粘液層の厚みは薄くならなかった
・メタボリックシンドロームの症状も発生しなかった
という結果だった。

(3)①の腸内細菌叢を②に移植すると、
・低レベルの消化管の炎症が発生した
・体脂肪量が増えた
・グルコース不耐性となった
といった状態になった。

<考察>
 結果(1)~(3)から、乳化剤を摂取したことで見られた影響(消化管の炎症の発生/代謝の変化)の原因は、腸内細菌叢(の組成)が変化したことと考えられた。
 
 Gewitz博士は、「一般には、肥満/メタボリックシンドロームの原因は過食にあると考えられているし、我々もそうだと考える」と語る。しかし今回の実験結果は、食品添加物が腸内細菌叢に作用し、その結果として炎症の発生/代謝/体重の変化に何らかの影響を及ぼし得ることを示唆している。

 研究グループは現在も、乳化剤に関する実験を遂行している。また、食品添加物が人体に及ぼす影響を調査する臨床試験も計画している.

 
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