ランは自転車競技選手にとって有用か?

2017年02月12日 | ケア/故障
今朝の大阪市は、午前9時で気温が3℃(予報ベース)でした。
吾輩のココロも折れました。本Blogのタイトルに見合わない弱さです。猛省。

さて、標記の件、TrainingPeaksのサイトに掲載されていたので日本語化→掲載します。出典元はこちら
吾輩としては、骨の強化という観点から、サイクリストも時々(≒1回/週)はランニングすることを推奨します。

ランは自転車競技選手にとって有用か?
Monday, February 6, 2017 by Daniel Pazek


 自転車選手が、休養期間を終えて迎えるシーズン当初に於いて常に考えてしまう問いは、「ランニングをすべきかすべきでないか?」である。この問いに対する解答は、取り組んでいる競技=ロード/MTB/シクロクロスによって異なる。しかしその前に抑えておくべき点は、ランもサイクリングも同じ有酸素運動ではあるが、使っている筋肉は全く異なるということである。ランでは、1サイクルの動作の中で求心性収縮(訳者注:筋肉を収縮させながら筋力を発揮すること)と伸張性収縮(訳者注:筋肉を伸張させながら筋力を発揮すること)を行っている(訳者注:大腿四頭筋を対象とすると、脚を接地する際は伸張性収縮、地面を蹴った後で脚を前方に運ぶのは求心性収縮となります)。他方、サイクリングでは、求心性収縮のみを行っている。従って、ランとサイクリングでは、筋肉にかかる負荷もかなり異なる。具体的には、ランの方が筋肉にかかる負荷が大きい。もう一つの問題は、サイクリングで要求される筋神経系の連携は、ランでは要求されない=発達しないということである。言い換えると、いくらランに取り組んでも、サイクリングでの機能的閾値パワー(FTP)は向上しないし、ペダリング技術も向上しない。以上を踏まえた上で、ランとサイクリングの関係を競技別に考察する。

①ロード選手にとってのラン
 ここでは、休養期間を終え、全身の包括的なコンディション調整期にあるロード選手を対象とする。このような対象者の場合、ラン/ウォーキングを交互に反復する運動(例:4分間のラン→2分間のウォーキングを、総運動時間が20〜30分間となる迄繰り返す)、に取り組むのも良いだろう。この時期に於いては筋骨格系を活性化させることが目的なので、ランについては走行距離ではなく、トレーニング頻度を重視すべきである。例えば、1時間30分のロング走を1回/週行うより、30分間のインターバル走を3回/週行う方が良い。この時期にランをすることは、循環器系の状態を維持/向上させることも期待出来るし、気分転換ともなる。なお、本格的にサイクリングに取り組む段階に移行したら、故障防止の観点から、ランニングは止めた方が良い。

②MTB選手にとってのラン

 MTB選手にとっては、全身の包括的なコンディションを向上させることはとても重要であり、その点に於いてランは、有酸素ベース構築期のトレーニング種目の一つである。またランは、目標としているレースの終了後に於いてトレーニング種目のバリエーションを拡げる一手段となるし、オフシーズン期のトレーニング種目の一つにもなる。更にランでは、MTB選手にとって大切なバランス感覚≒筋神経系の連携能力の向上が図られると期待出来る。身体の安定性/全身の包括的なコンディションが向上すると、故障する可能性が低下する。心理面でも、ランに取り組むことでトレーニングの”マンネリ感”が低減し、オーバートレーニング状態に陥っている競技者を再生することも期待出来る。

③シクロクロス選手にとってのラン
 シクロクロス選手は、有酸素ベース構築期に於いては、ロード/MTB選手よりかは頻繁にランに取り組んでいる。著名なシクロクロス選手であるニールス・アルベルト(Niels Albert、2009年シクロクロス世界選手権男子エリート優勝)は、シーズンを通じて30分間のランを1回/週実践している。具体的には、起伏のあるコースをダッシュで走っている。ここで注目したいのが、1回の走行時間は絶対に30分間を超えない、ということである。またトレーニングに於いては、ランとサイクリングは明確に区別している。この例を鑑みると、シクロクロス選手はトレーニングの一部として、定期的に比較的短時間のランを行うべきである。

 以上をまとめると、競技種目/シーズンに於ける時期に応じて、ラントレーニングの意味は異なる。そして、トレーニングによる故障を避ける為には、きちんとした指導/観察の下で取り組むのも重要となる。
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