■カンダタのブログ■

日々の雑感+コラム、現在不定期更新です。

「ユダ」

2006年04月09日 10時44分18秒 | Weblog
すごいのが出てきたね。

勝谷誠彦氏の日記にこんな記事があった。

(引用はじめ)
■2006/04/07 (金) 私の衣となっている男を、お前は犠牲に捧げるだろう。

6時起床。この日記の読者は幸せである。時には大マスコミに先駆けて世界的なスクープを目にするのだから(笑)。もっともテレビも報じていないというのは価値に気付いていないのかな。昨日深夜アメリカでひとつの情報が解禁された。それはエジプトの砂漠で『ユダの福音書』が見つかったというものだ。正確に言うと発見されたのは1970年代。パピルスに記されたその文書は人々の間を転々として数奇な運命をたどる。奇しくもキリスト生誕から2000年という年をまたぐころに文書はようやくきちんとした分析を行える研究者たちの手に入り長い調査を経て今回の発表となった。発表したのは研究を支援してきたナショナルジオグラフィック協会。言うまでもなく地理や歴史において最も権威ある『ナショナルジオグラフィック』誌を発行している組織だ。『ユダの福音書』はナショジオの最新号に掲載され日本版は日経BP社から4月28日に発売される。http://www.nationalgeographic.jp/。ちなみに日本のプレス向けの記者会見は今夜行われるので興味のある方は版元にお問い合わせを。専門家の間では1947年の『死海文書』の発見に匹敵するかそれ以上の衝撃と受け止められているようだ。『死海文書』がこれまでの半世紀でどれほどのドキュメントや小説を生んできたかを思って欲しい。炭素年代測定法での試料分析によると文書が書かれたのは紀元220年から340年ごろ。初期キリスト教の時代である。文書のもっとも重要な一文はイエスのユダに対するこの言葉だ。「私の衣となっている男をお前は犠牲に捧げるだろう」。つまりイエスは自らの魂を肉体から解放するために官憲に売れとユダに命じたのである。ユダがそれに値する「一番弟子」だったと文書は随所に示唆している。ナショジオに敬意を表して詳細はこれ以上記さない。イエスを殺した総督ピラトについてはさほど悪しざまに書かずにユダに全てを押しつけた背景にはキリスト教成立の時も権力者であったローマに傷を付けずにユダヤ人を貶めようという意図があったと考えられる。あまたの福音書があった中で聖書には4つのみが収録されている。そこにある「意図」があったと考えることは無理ではあるまい。裏切り者と呼ばれることを承知でイエスを売り渡したユダはある意味で彼こそが十字架を背負ったとも言える。今後多くの文学がここから生まれるに違いない。桎梏からの魂の解放。物語は私の背中も押すかもしれない。
(引用終わり)

ナショラルジオグラフィックの記事
ヤフーニュース

常々お釈迦様の話というのは腑に落ちるんだけど、キリストの方はもうひとつしっくりきませんでした。
ユダもなんで裏切ったのかよくわかりませんでした。
まあ、もちろん不勉強というのがあるんだけど。

翻訳者のインタビューにある

「イエスはユダに12使徒の他の弟子と違ってイエスの教えを正しく理解していたユダに対し、他の弟子たちから離れてお前にしかできない役割を果たせと説いています。
 そして、物質である肉体を取り除き、真のイエスを解放することが必要だと語り、その行為を敵ではなく、友により行ってほしいと語っています。そして、イエスはユダに官憲に密告するように託したと記されているのです。」

「イエスがユダに対し、ユダが使命を果たしたため、彼を司る星が他の使徒のそれよりも明るく光ると語りかける記述があります」

というくだりは泣けてきますよね。

イエスとユダの人物像が時空を越えて伝わってきます。