一昨日見た夢
どこかの地方を訪れていた
その晩は雨で、町のお祭りを目当てに来たけれど、ほとんどの屋台はしまっている
そんな中でも、町の若者と思われる人だろう
白のふんどしと白を基調とした装束で、雨とも汗ともつかぬ水しぶきが飛び交って
それを見ている自分は、その集まりを少し離れたところから見ている中で、躍動感を感じながら、傘をさして祭りの雰囲気を味わっていた
汗と雨の雫を浴びながら
一晩が明けて、空は青空が広がっている
雨上がりの地面は、昨晩の雨の凄さを物語っているように、いたるところでぬかるみや水溜りが残っている
その中をゆっくり抜けていくと、昨日のお祭りの出店が、店閉まい前に少しでも売ろうと、昨晩の祭りの勢いそのままに威勢良く声を張りあげている
そんな中、ひっそりと民芸品や佃煮などの田舎らしいものを売っている店があった
隣にいた人が、店閉まい前に少しでも安くしちゃいなよと、自分にはっぱをかけてくる
それになんとなく乗って、900円する瓶詰の ものを「600円は?」と言ってしまう自分
お店の女性は、仕方ないなぁという表情で900の数字に二重線を引き600と赤字で書き直す
「安く見せればそれにつられて買いに来る客がいるから、儲けが増えるよ」と、
さっき自分にはっぱをかけた人が、まるでそんな実績があるかのように気楽に言う
店員の女性は、そんな言葉にもやや迷惑そうな表情をしながも、仕方ないという表情でいる
自分はそこに、変わった風車があるのを見つけた
一つは、わらを巻いたようにしたもの
もう一つは4枚羽がつい、よく見かけるもの
でも両方とも風で回すのではなく、紐を引っ張って回す仕組み
わらでできたものを回していると、引っ張る紐が二重になっていたこともあって、途中で絡まってしまった
「ごめんなさい」と店員に謝りながら、もう一つの4枚羽のものをすすめられる
「これは引っ張りながら、自分の身体の悪いところの側で紐を引っ張るんだよ。『ウルナス、ウルナス』といいながらね」
そういえば、自分の右腰は痛めやすいだっけ、と、右手で紐を持って
「ウルナス、ウルナス」
と呪文のように、
意味はわからないけれど
20回紐を引っ張る
そのメカニカルな機構が紐を引くたびに
カチッ、カチッ
と軽い音を立てて
自分はその町のお祭りに
最後に小さく参加した
そして朝が訪れていた