日本カナダ文学会公式ブログ

日本カナダ文学会の活動と紹介

NEWSLETTER Number 80

2023-09-30 | Newsletter

NEWSLETTER

THE CANADIAN LITERARY SOCIETY OF JAPAN
L’association japonaise de la littérature canadienne

Number 80

Fall, 2023

 

 会長挨拶

日本カナダ文学会会長 佐藤 アヤ子

 

秋風のなか、虫の音が聞こえる季節となりました。会員の皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し 上げます。NEWSLETTER 80 号をお届けします。

相変わらず収束が見えないコロナ禍の中、日本カナダ文学会は第 41 回年次研究大会をハイブリッド方 式で 6 月 17 日に近畿大学で開催し、無事終了することができました。開催校の岸野 英美会員には周到 なご準備をいただき、改めてお礼申し上げます。午前の部では、若い研究者 2 名の発表がありました。若 い研究者間でカナダ文学研究が着実に浸透していることを実感し、嬉しく思いました。大会後の懇親会では、近畿大学水産研究所が手塩にかけて育てた〈近大マグロ〉を満喫することができました。岸野先生、ありがとうございました。

今年の年次研究大会のシンポジウムに映画参加した私の古い友人である Midi Onodera さんが、5 月に 自身の映像撮影のために来日しました。4 回目の日本訪問です。ミディさんは、2018 年に Visual and Media Arts 部門でカナダ総督賞を受賞したトロント在住の日系 3 世の映像作家です。今回は、撮影の合 間をぬって、新潟と名古屋の会員の大学で一緒に講演を行うことができました。

もう 20 年以上前のことですが、カナダに渡った彼女の父方の祖父、小野寺巳之助さんの出身地である宮城と岩手の県境に暮らすミディさんの親類を一緒に訪れたことがあります。今で言う、ルーツ探しでした。そこは、東北のなかでもへき地と言われていたところ。おじいさんの巳之助さんが生まれたころはかなり僻村だったそうです。そこに暮らしていた農民たちは「やませ」がもたらす冷害に毎年苦しんでいた ということ。そこで一家の生活を支えるためにとった行動が海外、カナダへの出稼ぎでした。この辺の事情は、新田次郎の小説『密航船水安丸』(1979)に詳しく語られています。

巳之助さんは密航船(明治 39 年 10 月ヴィクトリ アに上陸)には乗船していませんでしたが、同じ頃、カナダに渡っています。上陸後、巳之助さんは、厳しい条件のもと、カナダ大陸横断鉄道開設 工事に携わっていたそうです。ルーツ探しのあと、ミディさんに感想を聞くと、「おじいさんはカナダ に渡って広い世界をみることができた」という答えが返ってきました。

コロナ禍がまだまだ続きそうです。会員の皆様の一層のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

 

日本カナダ文学会 第41回年次研究大会を振り返って

副会長 室淳子

2023 年度の大会は、6 月 17 日(土)に近畿大学東大阪キャンパスで開催されました。関西には長く暮ら したはずであったものの、近大に伺うのはどういうわけか初めてで、大学までのコテコテの街並みを面白 く歩きました。「近大生の近大生による近大生の為のカラオケ」や、「急げ~遅刻するぞぉ 歩いて2分 20秒 走って56秒 ムーンウォークで12分 竹馬で15分 フラフープで20分 行かない→休み」 など、店の看板や壁一面に笑いが満載で、思わず写真を何枚も撮りながら会場に向かいました。コロナ禍 もあり、他大学を訪れる機会をめっきり減らしておりましたが、時に足を運んでみることはやはり大切であるように感じました。

大会は昨年度と同様にハイブリッド方式によって行い、20 名近くの参加を得ることができました。午 前は、私たちの学会では比較的新しいメンバーでいらっしゃる風早悟史会員によるマルカム・ラウリーの 作品に関するご論考と、池村彰子会員のアトウッド版『クリスマス・キャロル』のご論考を拝聴する機会に恵まれました。午後のシンポジウムは、LGBTQ+への社会的な関心が急速に高まるなかで、カナダに おいて、そしてカナダの日系またはムスリムあるいはケベックのコミュニティにおいて、クィアであるこ とがいかに困難でありうるか、またクィアが社会や文学においてどのような可能性をもたらしうるかを考察するとても貴重な機会となりました。ご登壇の皆様、またご参加頂きました皆様には、本当にありがとうございました。特に会場校の岸野会員には、長い期間にわたって開催のためのご準備をして頂きましたこと、心より御礼申し上げます。大会後にキャンパス内の The Lounge にて近大マグロに舌鼓を打ちつつ、親しくお話をすることができたことも嬉しい限りでした。

 

 

第 41 回年次研究大会報告 <研究発表>(Research Presentations)

 

<1> 雨の波紋− “The Forest Path to the Spring” における楽園の表象−
《Ripples of Raindrops: The Representation of Paradise in Malcolm Lowry’s “The Forest Path to the Spring”》

(風早 悟史会員)

 本発表では、マルカム・ラウリーの中編小説「泉への森の道」(“The Forest Path to the Spring,” 1961) を取り上げた。ラウリーは、1940 年から 10 年以上にわたってノース・バンクーバー地区のドラートン (Dollarton)の浜辺で暮らし、精力的に作品を書き続けた。「泉への森の道」は、ドラートンでの楽園的 な生活を色濃く反映した小説である。ラウリーといえば、死者の日のメキシコを舞台に、スペイン内戦に よるヨーロッパ世界の動揺を背景にして、駐メキシコ英国領事の悲劇的な死を描いた『火山の下』(Under the Volcano, 1947)が最も有名であるが、この小説の大部分が書かれたのもカナダであった。ラウリー の小説は、自伝的といってもよいほどに作者の実体験を題材にして書かれているので、ラウリーの文学を論じるためには、彼とカナダとの関わりを無視することはできない。
 司会の先生、フロアおよびオンラインの先生方からは、ラウリー独自の文体や、自身の破滅的な人生を作品に昇華するその創作スタイルについて、示唆に富むご質問やご意見をいくつも頂いた。先住民の円環 的・循環的な時間認識についてご教示いただけたことも、円環を共通のモチーフととらえて『火山の下』 と「泉への森の道」を比較考察した本発表にとって有益だった。
「泉への森の道」が収録されている作品集 Hear Us O Lord From Heaven Thy Dwelling Place には、他 にもカナダを舞台にした短編小説が含まれている。また、October Ferry to Gabriola という、同じく作者のカナダでの体験にもとづいて書かれた長編小説もある。『火山の下』に比べると注目されることは少ないが、ラウリー本人が「果てしない航海」(“The Voyage That Never Ends”)と名づけたその文学世界 の全体像を論じるためには、それらの作品への考察は欠かせない。今回の発表での収穫を活かし、今後 も、カナダ文学作家としてのラウリーの一面を明らかにするための研究を進めていきたい。

 

<2>マーガレット・アトウッド『負債と報い』とチャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』考察―アダプテーションと新しいスクルージたち―
《A Consideration of Atwood’s Payback and Dickens’s A Christmas Carol:
Focusing on the Adaptation and New Scrooges》

(池村 彰子会員)

 日本カナダ文学会第 41 回年次研究大会における発表では、マーガレット・アトウッド (Margaret Atwood, 1939- ) が Payback (2008)という社会文化論的作品にどのようにチャールズ・ディケンズ (Charles Dickens, 1812-70) の A Christmas Carol: A Ghost Story of Christmas (1842) のプロットを 織り込んだのか、またアトウッドが創作したスクルージ・ヌーボーの眼をとおして導かれた結論とアトウ ッドが俯瞰した負債の世界とは何か?ディケンズとアトウッドのリアリズムとファンタジーが融和する二つの作品を比較分析・考察しました。
 スクルージ・ヌーボーは、オリジナル・スクルージやライト・スクルージという分析の上に、現代的経済問題や負債という太古からの歴史につきものの意義や意味合い、さらに深化して人間存在そのものに ついての負債、また、地球環境に依存するという負債を重ね合わせて考案されたキャラクタリゼーション です。また、エンディングの部分では、現代的負債の本質、地球環境に対する人類の負債をどうやって返 すことができるのか?どうやって地球に報いることが可能なのか?というやがて人類滅亡の危機に瀕す るというテーマを扱った『マッドアダム』三部作で問われることになる「水なし洪水」など、人類の未来 が予測不可能の危機に陥るという、まさにアトウッドの起点であった『サバイバル』の原理が、本作品によって今一度試されていると言えます。先生方からいただいた貴重なご意見を参考に、より具体的な分析 を続けていきたいと思います。司会を務めてくださった佐藤アヤ子会長をはじめ、貴重なご意見をくださ った先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 

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シンポジウム (Symposium)
カナダに見る LGBTQ+文学《Canadian LGBTQ+ Literature》

ミディ・オノデラ作 Ten Cents a Dance 上映

Screening of《Ten Cents a Dance by Midi Onodera》

(紹介:荒木 陽子会員)

第 41 回大会午後の部は、諸事情で当初の企画から大きく変更された。最終的に当日登壇可能となった 2 人のシンポジウム発表者のみで、午後の部を開催するのは現実的ではない。そこで、5 月に日本各地で映画の上映と講演会を行った映像作家ミディ・オノデラ(1961-)の代表的実験映画、“Ten Cents A Dance: Parallax”(1985)を上映することになった。オノデラは 2018 年カナダ総督賞(ビジュアル・メ ディア・アンド・アーツ部門)の受賞者だ。LGBTQ コミュニティに勇気と希望を与え、その存在を可視 化したことを称えられ、CBC の“Super Queeroes”の 1 人にも選ばれているから、このシンポジウムには上手く収まる。そしてこの選択は女性、フェミニスト、日系、レズビアンなど、様々なマイノリティ性が 自分の中で交差していることを意識しながら創作されるオノデラの作品は、私たちそれぞれのどこかに 様々なアングルから呼びかけてくる点でも適切に思われた。

映像はアジア系のレズビアン女性(実はオノデラ自身)と同性愛に関心のある女性、同性愛の男性同士、仕事としてテレフォンセックスの相手をする女性とクライアント男性と、異なる関係性を持つ 3 つ のカップルの逢瀬を描く、3 つのシーンから構成される。アジア系は一人だけ。カメラの位置は各カップ ルの社会的位置づけをあらわすために調整され、それぞれの場面を構成するスクリーンは、ふたりの意識 のずれを表現するべく仕切られる。私は、撮影者には見えていても、映像には映らない、つまり見る側の私たちにはわからない世界があることを示唆する、“parallax”(視差)という副題に端的にみられるような、言葉選びのセンスも評価したいし、タイトルに埋め込まれた含蓄についても書きたいが、もう字数オ ーバーだから、またどこかで書かせてもらうことにしよう。

何度か映像を見た私はこのように冷静に分析してしまうが、会場のオーディエンスは普段正面から大 画面、大音量で見る機会が少ないであろう性的描写に対峙し、静かに情報処理に徹している様子だった。 実のところ Zoom を使って会場で上映する映像を共有することは容易ではない。オンライン参加者に快 く無料で映像のリンクをお貸しくださったミディさんに感謝したい。

 

発表者:戸田 由紀子会員・佐々木 菜緒会員

(戸田 由紀子会員)

1980 年以降のフェミニズム、反人種主義、(ポスト)コロニアリズム、トランスナショナリズム、 グローバリズムといった社会や思想の動きを反映し、多くのエスニックマイノリティ作家が彼らの所属 するエスニック集団の文化的伝統や価値観、経験した苦難や成功について綴った作品を出版してきた。 しかし、ビジブルマイノリティであるだけではなく、クィアでもある Samra Habib は、クィア・ムス リムの声が十分に表現されていないと指摘し、彼らの経験の多様性と複雑さを文章や写真で紹介してき た。本発表では、その中の Habib の回想録 We Have Always Been Here を取り上げ、Habib の、自己 同定する性的アイデンティティを見出す過程を追った。同時多発テロ以降、ムスリムとしての立場が難 しくなった上、クィアであることをカミングアウトすることは、Habib 自身の言葉が示すように、まさ に “terrifying” であった。また、生まれた性別や、それに基づく性の役割・異性への指向に縛られてき た Habib にとって、それ以外の可能性があることに気づき、それを模索していくことがいかに複雑なプ ロセスかを読み取ることができた。発表後の質疑応答からは、「エスニック文学」や「クィア」、「ムスリム」といったカテゴリーの必要性について考えさせられた。社会的マイノリティからのカテゴリー の主張は、存在する社会的不平等に対する抵抗として捉えられ、そのカテゴリーが必要とされる限り、その存在もまた必要であると確認できた。

 

(佐々木 菜緒会員)

2010 年代以降、ケベック文学において「クィア」は注目を集めている分野である。ただ、「クィア」という名称はなくとも、ケベックの想像世界にはクィアの考えは存在していたといえる。この点を検証する ために、ミシェル・トランブレーの『むき出しのこころ』(1986)、モニック・プルーの『星々の性別』 (1987)、アンヌ・エベールの『光の衣服』(1999)にみられる主体の表現方法を「クィア」の観点から 読解分析することを試みた。まずケベック文学と「クィア」の関係を確認するために、本報告で取り上げ る 3 作にみられる共通点を明確化した。すなわち複数の人物の視点からなる断片章形式であること、お よび LGBTQ+の登場人物の自己構築が物質的・経済的な環境の影響下に強くあること等である。これら の点を、実際に各作品分析読解を通して検証した。

報告後は、ゲイ文学とトランブレーの関わりについて、および彼の作品内のゲイ像の変遷について質問 があった。また、浮動的な自己をクィアとして名づけることの意味、それによって今後どのような自己像 があり得るのかといった貴重な質問を頂戴した。いずれも LGBTQ+やクィアといった名称の問題と関わるもので、今後深めていきたい課題である。

 

第 41 回 日本カナダ文学会 2023 年度総会議事録

日時:2023 年 6 月 17 日(土)13:00~13:20
場所:近畿大学東大阪キャンパス
会員総数 56 名中 18 名参加(オンライン参加者含む)、委任 14 名、計 32 名(総会成立)

審議事項

*2024 年第 42 回年次研究大会について 大会開催校:名古屋外国語大学 大会シンポジウムテーマ:カナダ文学と動物

*紀要関係 投稿希望者を一斉メールで募る(6 月末) 投稿希望届提出(7 月末) 原稿締め切り(10 月 15 日)

報告事項

*会計報告 *会員異動

 新会員:柿原妙子
 退会会員:前田悦子、濱奈々恵
 名誉会員辞退:長尾知子

*『カナダ文化辞典』(丸善出版部)進捗状況 カナダ文学会は、文学関係章に参加。

 

事務局からのお知らせ

第 42 回日本カナダ文学会年次研究大会のお知らせ

「第 42 回日本カナダ文学会年次研究大会」は、室 淳子会員のご協力で、2024 年 6 月 15 日(土)に名 古屋外国語大学での開催を予定しています。シンポジウムのテーマは「カナダ文学と動物」です。午前 の部の 2 発表、及びシンポジウムの 3 名の発表者を募ります。発表希望の会員は、佐藤アヤ子会長 (ayasato@eco.meijigakuin.ac.jp)までご連絡ください。

 

<新入会員紹介>

柿原 妙子(武蔵大学非常勤講師)

専門はアイルランド文学で、W. B. イェイツが主な研究対象です。またそれとは別に英語圏の詩の翻訳を しており、様々な詩人の作品を訳すうちにマーガレット・アトウッドの詩に出会いました。詩の背景に感 じられるアトウッドの歴史観や女性観に興味を持っています。また、イェイツの影響がみられる詩がある ことにも気づき、面白く思っています。現在知人とアトウッドの詩を読む勉強会をしていますが、カナダ のことをもっと知る必要を感じるようになり、このたび入会させていただきました。よろしくお願いいた します。

 

会員による新刊書紹介

神崎舞 著『ロベール・ルパージュとケベックー舞台表象に見る国際性と地域性』

(彩流社 2023 年)4000 円 ISBN 978-4-7791-2909-4

 

<学会費のご案内>

2023 年度の学会費のお済みでない方は、下記の口座までお納めください。なお、2022 年度以前の学会費 がお済みでない方は合わせてお振込み頂けましたら幸いです。振込手数料につきましては、恐れ入ります がご負担ください。

振込先:
郵便振替口座: 00990-9-183161 日本カナダ文学会 銀行口座: 三菱 UFJ 銀行 茨木西支店(087) 普通 4517257

日本カナダ文学会代表 室 淳子 正会員 7,000 円

学生会員 3,000 円

 

編集後記 

いつまでも続く残暑に辟易しながらも、日が落ちてしばらくすると聞こえ始めた秋の虫たちの声に待 ち望んだ秋の到来を感じます。対話型 AI の登場により、教育を含め世界がどう変容していくのか想像 がつきません。(Y)

学会にて、久しぶりの対面のひとときを味わうことができ、デジタルな交流とは異なる、物理的な空 間を共有する温もりを改めて感じました。人と対面で会えない状況を経験してきたからこそ、身近な家 族も含め、人との関わりにほんの少しこれまで以上に心を寄せたいと思いました。(T)

今年の研究大会ではラウリーでのご発表の司会を承り、おかげさまで新たに美しい物語に触れること ができました。不勉強な LGBTQ+文学を扱ったシンポジウムには体調の加減で参加が叶わず残念でした。 専門分野の方では、7 月末、遅ればせながら久しぶりにスコットランド国立図書館を訪れ、心おちつくリ ーディング・ルームで資料を読み耽りました。図書館を一歩出ると、フェスティバル前にもかかわらず多 くのツーリストが行き交い、コロナ前のエディンバラに戻ったよう...。その一方で連日報じられていたギ リシャの山火事のことなどを思い、複雑な気持ちになりつつ、今たまたま自分が享受している自由の空気 を吸いこんで異国の地を踏みしめました。(S)

 

NEWSLETTER THE CANADIAN LITERARY SOCIETY OF JAPAN 第80号

発行者 日本カナダ文学会

代 表  佐藤アヤ子
編 集  沢田知香子 & 戸田由紀子 & 山本かおり
事務局 名古屋外国語大学 現代国際学部
    室 淳子(副会長)研究室
    〒470-0197 愛知県日進市岩崎町竹ノ山57 TEL: 0561(75)2671
    EMAIL: muro@nufs.ac.jp
        http://www.canadianlit.jp/

会長連絡先:ayasato@eco.meijigakuin.ac.jp

学会ホームページ: https://blog.goo.ne.jp/kanadabungakukai84burogudayo

 


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