いま再び「良い本」を考える

良い本を子どもに届けたい、という気持ちは、私にもわかりますし、私もそう思います。ただ、その「良い本」とは何かということについて、深く思うことがあります。
 私は「良い本は人によって違う」と思っています。Aさんにとって不愉快な本でもBさんにとって「いい本だなー」と思うことはあるに違いないと思うのです。だから、数人が集まって一番良い本を決めるのは、無理があるように思います。そこには忖度や仲間とうまくやりたいという無意識が働くからです。会の内部で交流したい気持ちも大事ですが、行き過ぎた深いつながりには気を付けたほうが良い。ボランティアは一人ひとり自立したほうが良いですね。それに読み聞かせですから、その読み手の個性や聞き手との関係で本の受け取り方は違ってきますから、良しあしはますますわからなくなります。

 もっと言えば、よい本を決めることに慣れていくと、無難な本に目が行くようになります。見知らぬ本の悪いところを探し始めるからです。悪いところは、「悪い」のでなく「作者の個性や工夫」が現れた部分でもあるということに考えが行きません。無難な、ロングセラーを選ぶことになるでしょう。プログラム作りに行き詰まったら、そういうのも入れるという方法もありますが。「おばあさん好み」の本ばかり集まっていかないよう、十分気を付けることが必要ですね。相手は、子どもや若い保護者の場合が多いので。子どもの心を開放させるような、子ども目線の奇抜な本も入るといいですよね。お料理のメニューに目先の変わったものがあるといいのと同じ理屈です。

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