ボランティアにリーダーはいない

県教育委員会主催の事業「読書ボランティアリーダー講座」があります。

まず、ボランティアという言葉の認識から、説明します。
私の認識が古いのかもしれませんので、そのように前置きしておきます。

1 ボランティアの特徴に、「対等性」というのがあります。
世の中の人を皆、対等に見ます。相手のニーズに合わせますが、対等なので出来ないことはできないと言います。
つまり、ボランティアの中に「リーダーという上に立つ人」はいないのです。
ボランティアに「ステップアップ」という概念はありません。相手や仲間より高くなるのは「ボランティアではない」のです。
「子どもへの読み聞かせを行う」のは、どこまで行っても何年経っても、「ボランティア」であり、「ボランティアリーダー」「指導者」ではないのです。
 昨日始めた人も、二十年やっている人も、いつでも対等です。ですので、新人であっても、早めに現場に出てもらいます。
半年も内輪で練習するとか、選ぶ本まで系統を決められる、というのは、会のスタイルに問題があり、それはボランティア団体とは ずれてきているのでしょう。

数年前まで、市立図書館でも「ボランティアステップアップ」などと言っていましたが、もう、言いません。ボランティアとは何かという、基本的なことをその時に理解したのだと思います。


2 ボランティアは利用者から学びます。仲間であるお互いから学びます。それでワークショップ形式をとることが多いのです。何らかの方法でお互いの情報交換をしようとします。先生から一方的に教わるのではありません。


3 ボランティアは時として、その分野の専門家の講習を受けることがありますが、それは情報の一部です。その情報も対等に吟味して自分で考えます。

4 ボランティアは自発的に行動します。先進性もあります。相手のニーズに合わせるために、自発的にアイデアを出していきます。
つまり、個々に独立してアイデアを出すためには、指導者に枠を決められるものではないのです。
 もちろん、行政や権力者に「図ってもらって」ネットワークを作る物ではないのです。自分たちが必要だと思えば、思った人がやり始めるのだし、思わなければやらないのです。ネットワークが出来ても、それに振り回されるのでなく、あくまで個人が主体です。

5 何年もやっていると、知識や経験が増え、新人にアドバイスしたりする人も出てきますが、それは情報交換であり、新人から学ぶことも当然しています。
新人をA、経験者をBとしましょう。
A「これこれで困っている」
B「このケースは、自分はこうやって来た」
A「了解。ありがとう。しかし、別の方法としてこれこれはどうか。」
B「何年も同じ困りごとがあるのだな、何かそこで根本的な問題がないのだろうか。Aの提案ははじめて聞く。検討してみよう」
で、Bは新しい方法を考えていきます。こうしてお互いに成長していきます。

ところが自分は指導者だと思っているB”は
B”「このケースはこれに違いない。自分は何年もやっているし、先生がそういったし講習で習った。」
B”の団体の発想は常にそこで止まります。これでは情報交換にならない。
斉藤某”のような指導者もいます。「そんなことも分からないボランティアは切り捨てよ」

ボランティアというのは、お互いから学ぶことを忘れてはなりません。そして、これは、現場にいなくては分からないことなのです。人間は神様ではないのだと思いませんか?

以上、もろもろのボランティアの基本概念を、県の行政担当者は理解していないのではないでしょうか。

6 ひとつ、嫌味を言います。チラシの 講師の名前の後ろの「様」とは何でしょうか。ボランティアは対等、お互いは学び合うのです。講師も対等なのです。講座企画者は、偉い人から下の者が習うのだという概念を、どうぞ見直してください。育成されなくてはならないのは、企画側の行政なのではないでしょうか。
 それでも私は団体の代表ですから、連絡事項は会員さんに全て流します。会員さんがそれらの講習を受けて、「自分はリーダーだ」と思って高くなったら、また黙って険しい道を行かなくてはなりません。


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