元々、文庫本が大好きな文学少年だったんです。
それが、日経文庫という新書に騙され、新書サイコー!と叫ぶオヤジと化し、
いつの頃からか文庫本を受け付けない体にされてしまいました(除くラノベ)。
それが、最近、ハヤカワのSFが楽しくて仕方ありません。
本屋さんでハヤカワの棚に行くだけで胸がキュンとなっちゃう位です。
とりあえずブログ更新を怠るようになってから読んだ本は下記のとおりです。
「言壺」 神林長平 著
「あなたのための物語」 長谷敏司 著
「あなたの人生の物語」 テッド・チャン 著:これは表題作だけしか読みませんでした。
「囮物語」 西尾維新 著:これは講談社BOXですね。
「宇宙の戦士」 ロバート・A・ハインライン 著
「ハーモニー」 伊藤計劃 著
「2001年宇宙の旅」 アーサー・C・クラーク 著
「星の舞台からみてる」 木本雅彦 著
「虐殺器官」 伊藤計劃 著
「われはロボット」 アイザック・アシモフ 著
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック 著
「青い星まで飛んでいけ」 小川一水 著
「天国と地獄」 小林泰三 著
「希望」 瀬名秀明 著
そして、現在読んでいる本は「ニューロマンサー」 ウィリアム・ギブスン 著です。
挙げてみて自分でも驚きました。ブログ更新を怠るようになってから...と書きましたが、実際は6月中旬頃から読み始めましたので、だいたい3日で1冊って感じですか。うーんハヤカワ文庫のSFって面白いですね。まぁ正直なところ外国作家の作品(訳者のセンスも問われますので)よりも日本の作家の作品の方が読みやすくていいっす。
というわけで何回かに分けてハヤカワ文庫のSFについて書いていこうと思います。
さて、今回は世界SF界のビックスリーのひとり、ロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』についてです。
ロボットアニメの中で最も成功した作品は1979年~1980年にかけて放送された『機動戦士ガンダム』といっていいでしょう。
当時の私は、ガンダムになんてちっとも興味の無い小学生でしたので、知り合いのアニヲタの兄ちゃんからの「ガンダムって面白いよ」というオススメをノラリクラリとかわし続けていたのです。
宇宙戦艦ヤマトでいいじゃん。と思っていたので。
今思えば、ボロボロになっても戦い続けて勝利を掴むヤマトの姿に子供ながら熱いモノを感じていたのでしょう。
しかし最後は強硬なススメを断ることができず、兄ちゃんの家で正座させられつつ、ガンダムを見ることと相成りました。
忘れもしません。初見で第41話『光る宇宙』はキツ過ぎでした。いきなりクライマックスじゃないですか。意味が分からないよー。
いまだにあのシーンの意味がわからないです。
宇宙での生活が当たり前になると、誰の中にも、人同士が分かり合えるような感覚が生まれるはず。そうすれば争いなんて無くなるよね。
ぐらいの感じで理解しているんですが...。
今、ふっと思うのですが、カラオケで「哀戦士」を歌える人って幸せですね。私なんかは、ニュータイプ同士の邂逅シーンで流れた曲、テレビ版では「いまはおやすみ」映画版では「beginning」、一般に映画の三部作とテレビ版で食い違いが生じる場合は映画版の方が正しいとされているようですので、そうなると「beginning」こそ歌わなければならない曲だと思ってしまうのですが...。ええ、理屈で勝負だぁのA型ですとも。
さて、ガンダムに出てくるロボットはモビルスーツと呼ばれ、このモビルスーツの元ネタになったものが、ハインラインの『宇宙の戦士』に出てくる強化防護服(パワード・スーツ)といわれています。そのためこの本はもっと早く読みたかったのですが、ハヤカワの文庫にあるってことすら知らなくって(自分の中では伝説の書物だと思っていたのと、上記のごとく文庫本を読まなくなっていたので)...。今回、ハヤカワの棚でみつけてビックリした次第です。
『宇宙の戦士』を読んでいて思ったのは、「熱い」ということでした。
体育会系のノリとでもいいますか、作品の内容自体がアメリカ人の考える正義についてという印象で、あまり良い感じはしないのですが、この部下想いの組織というか、師弟の関係といいますか、ここは学校ですか?という内容にただただ感じ入りました。
というか、泣かされました。
いくら涙腺のゆるい私でも、あとがきにすら泣かされた本っていうのはなかなか無いですよ。
「この訳書をわたしは早川経重軍曹に捧げる。あなたは、わたしが入隊した善通寺第三十五騎兵連隊戦車兵中隊の名班長であり、日本陸軍の有した最高の下士官であった。わたしはあなたに鍛えられた日々を心から誇りとする。」
早川経重という人はハヤカワの関係者かなと思って調べたのですが、よくわかりませんでした。どうもそうではないらしい...。
『宇宙の戦士』、最近ドライアイで目が渇き気味の方にオススメです。