出産と産後うつを振り返って

長女の妊娠・出産とその後の産後うつ、9か月で完治後、次女の妊娠・出産を振り返りました。

2人目出産 ⑤出産後・当日

2012-03-18 | 出産と産後うつのこと
麻酔が切れて、脚が動くようになるまで、そのまま待たないといけませんでした。
私の場合は、特別よく麻酔が効いていたようで、下半身に感覚が戻るまで3時間半ほどかかり、
結局、LDRには、出産前よりも出産後のほうが、よっぽど長く居たことになりました。

看護師さんが何度も、子どもと私の様子を見に来てくれ、
この時から、ここはずいぶん手厚い病院なんだ、と感じました。

出産の少し後から、ものすごい寒気に襲われ始めました。
歯の根元がカチカチと合わなくなるぐらいの悪寒でしたが、
「よくあることですよ。血圧も正常だし、大丈夫、すぐ収まります。」とのことでした。
暑いほど暖房が入っていたようでしたが、毛布の上から布団を掛けてもらい、
震えながらも空腹を覚えつつ、麻酔が切れるのと、点滴が終わるのを、待ちました。

やがて悪寒も収まり、無事、脚に感覚が戻って動くようになってきて、
点滴や麻酔の管が抜かれ、2人の看護師さんに支えてもらいながら、部屋に移りました。


部屋は、改築した後というだけあって、ホテル並かそれ以上のキレイな個室でした。
そして、最大にありがたいことに、部屋に、トイレがついていました。
私が「トイレになるべく近い部屋」をお願いしたから、特別なのかと思っていましたが、
ここでは、お産を終えた後の人は、希望を聞かれることもなく全員、
当たり前のように、同じタイプの個室に入っているようでした。

家族が帰るまで、子どもは部屋にいましたが、その後は、
「今日は、とにかくゆっくり休んでください。」と、預かってくれました。

「ゆっくり休んで。」
・・・これこそ、待ち望んでいた言葉でした。
お昼過ぎに出産し、その日は、本当に食事以外は何もすることがなく、授乳もしなくてよく、
ただただ横になって、ぼーっと身体を休めることができました。


もちろん、無痛分娩で、安産だったとはいえ、
身体がぴんぴんに元気だったかというと、全くそんなことはありません。

麻酔が切れると、最初に痛みを感じたのが、意外なことに、お尻でした。
ほとんど「いきむ」ということが無かったので、今回は痔にはならなかった、と思いこんでいて、
お尻に激痛を感じ始めた時は、「いったいどこをどんなふうに切ったのだろう」と思わず考え、
それが、痔の痛みだと分かるまでに、時間がかかりました。
上の娘の出産後まで、一度も痔を経験したことがなく、
それが治ってしまうと、妊娠中ですら、再び痔で苦労することも全くなかったのに、
やっぱり、麻酔のもとであれ何であれ、
3キロほどのものが身体から一気に出てくるパワーというのは、それだけ凄いものなのでしょう。
肛門の内側が、全部めくれ上がって腫れている、とでも表現すればよいのか、
とにかく激痛で、切った傷の痛みなど、かすんでしまうぐらいでした。

その日の夜には、38度を超える熱が出ました。
発熱の辛さをまったく感じていなかったので、体温計を見て自分でも驚いたのですが、
どんな安産であっても、それだけ体力は消耗している、ということなのだと思いました。

下半身が痛むので、立つも座るも寝るも、ひと苦労、そろそろと何をするにも時間がかかり、
立ちくらみを覚えながら、脚をひきずって歩いている、その状況は、
かなり楽なお産だった今回でも、前回となんら変わりません。

これが、もし再び、
「今日からべったり母子同室、今日から1日10回以上の授乳、
しかも授乳室へいったん入ったが最後、小一時間かかる」
あの、T病院だったら。
     
上の娘を産んだ日、あの3日間の難産の後、あの痛む下半身、ふらふらに疲れきった身体で、
7回だけとはいえ、よく授乳やオムツ替え等ができたものだと、
自分でも感心しながら、思い出していました。
明け方5時前に産まれたのでしたが、その日一日は、時間との戦いのように過ぎ、
気がついたら、もう夜になっていたという感じで、訳が分かりませんでした。
食事も口にできず、ほとんど夫に食べてもらっていました。

今回は、お腹が減って仕方なくて、結構な量のものをしっかり完食しました。
私は、ばくばくと食事を取りながら、この時はじめて、
「今度は大丈夫。うつにはならない。」と、思いました。

それでも、その日の晩は、なかなか眠れませんでした。
看護師さんから、
「痛いときは早めに言ってください。早めに言ってもらうほうが、こちらもありがたいんです。」
「痛み止めの座薬もありますから。」
と言われていましたが、
座薬を入れるほうがよっぽど苦痛そうで恐ろしい、と思い、飲み薬だけ飲んで、
寝返りも打てずに、じーっと転がったまま時間を過ごしました。