2023.02.05
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
2月第2週!
「心に余裕がある方も、意外とギリギリという方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」と。
そして、今日のテーマは、【スタジオ・ボイス1993年11月号で漫遊記】。
音楽雑誌を地図代わりに漫遊!という特集は今まで何度もやってきた。『ミュージック・ライフ』とか『ロッキン・オン・ジャパン』など・・・。
しかし、この『スタジオ・ボイス』は、どちらかというとおしゃれ系のカルチャー雑誌。「若いころに、オレ、憧れて読んでたんですけど」
その憧れの雑誌にスピッツのアルバムのレビューが載って、「うれしくて2冊買った」草野くん。
その雑誌の新譜コーナーで、スピッツとともに紹介されていた「意識高い系」のナンバーで漫遊です。
オンエア曲
01 夢じゃない(スピッツ)
02 Human Behaviour(Bjork)
03 Louie Louie(Iggy Pop)
04 Lamban(Ami Koita)
05 Cath Carroll(Unrest)
06 Maria Lisboa(Amalia Rodrigues)
07 Chains(His Boy Elroy)
08 LOVIN' YOU(横山輝一)
漫遊前の一曲は、スピッツで、「夢じゃない」(1993年、4thアルバム『Crispy!』/1997年、16thシングル)。
その『スタジオ・ボイス』で紹介されていたのが、アルバム『Crispy!』。そこからの懐かしいナンバー。
(タイトル「夢じゃない」に、ちょっとのげぞった記憶が(笑))
最初の曲は、Bjorkの「Human Behaviour」(1993年、ソロデビューアルバム『Debut』)。
バンド、ザ・シュカーキューブス解散後、初のソロアルバムから。
Bjorkさんについては、ココでも同じように熱い思いを、もう少し詳しく述べている。
「運命的な出会い」と思ったけどすでに結婚されていて、「ひょっとしたら茶飲み友達でも」とか。
ザ・シュカーキューブス時代とは異なり、わかりやすいロックサウンドではなくなってしまったので、「あんまりはまんなかったけど、こうやって何回も聴いているとクセになるような、そういう世界ですね」と。
『スタジオ・ボイス』について。
1976年発刊。スタジオVやハナエモリが主体となって編集され、最初はヘアサロンやアパレル関係向けのインタビュー記事を載せた雑誌。
草野くんが目にしていた80年代後半には、ファッション、アート、映画、音楽、文学の話題で構成されたおしゃれで、ちょっとスノッブなカルチャー雑誌。「読んでる自分までもおしゃれになる」錯覚?
音楽でも、いわゆる売れ線ではなく、ちょっとマニアックなサブカル的なCDが紹介されていたので、「参考にしていました」。
そして、「なんとそこに自分らのアルバムが紹介され」、うれしかったけど、「『スタジオ・ボイス』、大丈夫か?とちょっと思いましたね。こんなハンパなバンド、取り上げちゃって・・・」。
『スタジオ・ボイス』は2009年に一度休刊。で、今は年2回のペースで刊行しているそうだ。
http://www.studiovoice.jp/
次の曲は、「そんな中ではわりと王道なロックナンバー」、Iggy Popの「Louie Louie」(1993年、10thアルバム『American Caesar』/オリジナルは1957年、Richard Berry)。
(草野くんはかつて雑誌のインタビューで何度か、「イギー・ポップのようにシャウトするボーカルに憧れを抱いている」と話している。)
次は、「アフリカ、マリ共和国のシンガー」、Ami Koitaの「Lamban」(1993年、コンピレーションアルバム『Songs of praise』)。
「こういうジャンルの音楽が普通にレビューされているのが、『スタジオ・ボイス』だなあ、と。これとスピッツ『Crispy!』が並んで紹介されているのが、すごくね?と思いますけど」と。
2ndアルバムの『名前をつけてやる』が取り上げられるならまだしも、『Crispy!』はサブカル的な趣味の要素を排除して「売れ線を狙ったアルバム」だったので、「それが取り上げられたのはちょっと皮肉ですが、むしろうれしい」と、赤裸々な、でも有名なお話。
草野「Ami Koitaさん、全然ロックではないのですが、歌声、すごいです。魂を絞り出している声」
Ami Koita - Simba (Clip Officiel)
(映像も声も楽器の音も、私たちのどこかを解放してくれる。)
1993年はどんな年だったか?
冷夏で、夏の気温が上がらなかった。米が不作で、タイなどから輸入していた。
(個人的には、このころ毎年2週間くらい車にテントを積んで夏の北海道を旅していた。旅を終えて戻ると必ず、「暑いなあ。やっぱり北海道はいいなあ」と思うんだけど、この年に限って、家に帰っても「え、涼しい? 北海道と同じ?」と気が抜けた思い出がある。)
アルバムの収録曲「夏が終わる」は、「暑すぎた夏が終わる♪」という歌詞からも明らかなように、「暑い夏を見越して作った楽曲・・・、なのに涼しかった、ということで、よく覚えています」。
邦楽の年間チャート1位は、チャゲアスの「YAH YAH YAH」で、「メチャメチャ流れてました」。
次は、「ロックなナンバー」、Unrestの「Cath Carroll」(1993年、7thアルバム『Perfect Teeth』)。
Unrestは、アメリカ、ワシントンD.C. のバンド。
この曲は、「スピッツの『ローテクロマンティカ』のような雰囲気もあり、XTCやソニックユースっぽい感じも」と。
Parkway Drive - "Unrest"
メッセージコーナー。
中学校で教員をされているリスナーさん。喉が弱くて、のど飴も病院の薬もあまり効果がないとか。授業や「集会などで咳が止まらなくなり困っている(大変だなあ)。
「マサムネさんはどんなふうに喉をケアされているのですか?」
「大変ですよね。年齢的にも40を過ぎるとむせやすくなるし」と。
草野くんがライブ中にステージで飲んでいるのは、「常温の普通の水」だそうです。
喉のケアについては、草野くんも「教えていただきたい」そうだけど。
ふだんいる部屋を乾燥させない、洗濯物を部屋に干す。/お酒はあんまり喉に良くない。/ハチミツがいいって言うけど、金柑もよさそう。冬が旬の果物なので丸ごと食べる。/授業や集会のときにはこまめに水を飲む。
草野「ありきたりなアドバイスばっかりですみません」
「博物館や糜粥感が好きそうなマサムネさん。今まででおもしろかった展示、ありますか」
草野「びっくりしたというか、刺激をもらったのが、アテネの博物館で見た仮面の展示。ギャグ漫画の表紙とか般若みたいな怒りの表情とか、結構衝撃的でした。『ギリシャ 仮面』で検索するといくつか出てきますので見てください」
(ホントだ、怖いのだけじゃなく、滑稽な表情もあって、ちょっと笑えたり)
ところで、『スタジオ・ボイス1993年11月号』はマンガ特集で、タイトルは「マンガ Perspective」。
「あくまで、カルチャーとしてのマンガを特集している感じかなあ」と。で、表紙は、永井豪さんの「デビルマン」。
ジャンルごとにさまざまなマンガが「あんまり軽くない解説で紹介されている」。
アカデミックな視点なので、楳図かずお、つげ義春、白土三平などが大きく取り上げられている。「間違っても、大人気だった『ドラゴンボール』や『ビー・バップ・ハイスクール』みたいなマンガは取り上げられていないですね」。
映画コーナーで紹介されているのも、イランのアッバス・キアロスタミ監督だったり・・・、「そんな感じの雑誌です」。
次は、「ポルトガルのファドの女王と言われていたシンガー」、Amalia Rodriguesの「Maria Lisboa」(1970年、14thアルバム)。
草野くんは7年ほど前にポルトガルに住んでいる友人を訪ねた際に、ファドが聴ける、わりと有名な店を訪れ、ファドを聴いて感動したそうだ。
1993年にアルバムの復刻盤がリリースされたということで、『スタジオ・ボイス』で紹介されていたそうだ。
暗いはしけ / アマリア・ロドリゲス
(Amalia Rodriguesと言えば、映画の主題歌、この曲しか思い浮かばない。これはファドじゃない?)
最後の曲は、「ロックナンバーで」、His Boy Elroyの「Chains」(1993年、デビューアルバム『His Boy Elroy』)。
His Boy Elroyがグランジ全盛期のシアトルのバンドだが、「全然グランジっぽくなくて、イギリスのダンスロックのバンドみたいで、Happy Mondays、Jesus Jonesのような」。
草野「グランジ全盛のころのシアトルにこんなバンドがいたんだな、というような王道じゃないバンドを紹介する天邪鬼さが『スタジオ・ボイス』っぽいな、と思い出しました」
特集の最後に。
『スタジオ・ボイス1993年11月号』のCDレビューでは18作品が紹介されていて、ほかには、Forbes、ボアダムス、突然段ボール。
突然段ボールはかけたかったけれど音源をもっていなかったそうで、「いつか」と。
今回の「ちょっぴりタイムマシン」は、横山輝一さんの「LOVIN' YOU」(1993年、14thシングル)。
(イントロは、「青春生き残りゲーム」? ライブで聴きたい。今のスピッツにやってほしい)
「このコーナーも、1993年に絡めて・・・。この曲はラジオで流れてて、メッチャ印象に残っています」と。
一部メロディーをZO-3弾きながら歌って、「頭から離れないメロディーなんです」。
横山輝一さんはEXILEへの楽曲提供でも有名な方だそうです。
「草野マサムネの中には全くない、ファンキーなポップスを作る方で、当時は、こういうヒット曲と張り合っていかなくちゃならないんだよな、と参考にさせていただいた曲」だそうです。
『Crispy!』のころは、「なんとか売れなくちゃ、と焦っていたので」。
(ふむふむ。それでも、自分の中にあるものを貫いてくれてよかったけど・・・)
(たしかに、この曲は懐かしい)
来週は、「60年代、アメリカのガレージロックで漫遊記」。(これは、またまた楽しみですね~)
ガレージロックは、60年代のアメリカで一大ムーブメントとなったロックのカテゴリー。
フラストレーションがたまった若者たちが初期衝動を持ち寄って、ガレージをスタジオ代わりにラウドなロックを鳴らしていた。それが、70年代以降のパンクロックや、90年代のオルタナティブロックのルーツにもなった。
そのガレージロックを特集!!!
「草野さん、バレンタインデーのおまぬけエピソード、きいてください」
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