２００７年のサクラ

■２００７年のサクラ

痛々しいほどにふくらんだピンク
突き上げる思いを抑えるように
季節の流れを食い止める
それでも　もう力尽きて
明日はきっと　青空に踊りだす
ゆっくりでいい　急がなくていい
限りのある時間だとわかっているのに
焦る愚か者ばかりが雄弁だ
過去も　逝った人も　見えない日々も
無言で開く花のもとに　集うだろう
それぞれの場面で見た風の舞いを
明日はきっと思い出す
戻ってくる足音に　耳をすませて
名前を呼んでみよう