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隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「鳥になりたい」から「新月」まで~スピッツ Jabboree Tour 2011 “TOGEMARENA” 初日

2011年07月05日 16時27分07秒 | ライブリポート(スピッツ)

2011.7.2 (土)

SPITZ Jabboree Tour 2011 “TOGEMARENA”
   at さいたまスーパーアリーナ


 夕方の雷雨を覚悟していたけれど、実際は雲のあいまから太陽がのぞく「夏」でした。
 北与野に行く途中、友人と戸田公園で急きょ下車して、荒川沿いの土手でおしゃべり。
 風が心地よくのんびりできたけど、予想外の日焼けをしてしまった・・・。


 もう5時半近くになっていたけれど、アリーナ前のグッズ売り場にはおおぜいの人。
 アリーナ内はもうすでに8割くらいの人が席についていたけれど、開演間際には満員。ああ、すごい迫力だな。


セットリスト
01 聞かせてよ
02 俺のすべて
03 恋する凡人
04 ビギナー
05 ロビンソン
06 幻のドラゴン
07 メモリーズ・カスタム
08 TRABANT
09 冷たい頬
10 猫になりたい
11 鳥になって
12 ラズベリー
13 ひばりのこころ
14 ガーベラ
15 新月
16 大宮サンセット
17 シロクマ
18 夢追い虫
19 どんどどん
20 探検隊
21 けもの道
22 トンガり95
23 8823
24 君は太陽

ENCORE
01 スパイダー
02 チェリー


 ちなみに私の席は200レベルの田村側3列目。
 番号を見たときはあまり期待しなかったけれど、ステージに近いし、遮るものはないし、スタンド席と言っても大満足だった。
 (ま、基本的にどこにいてもライブは楽しめる体質なんですけど)。

 客電が消えて歓声が高まり、立ち上がるわれわれ。
 その中をもそもそっと登場のスピッツたち。どの会場でも(そう、この前の盛岡でもそうだったし)、変わらないオープニング。
 でもさすがに18000人? 歓声の大きさが違う・・・。

 照明や映像の演出はたぶんツアーのものを基本にアリーナ仕様にしたという感じかな。
 相変わらず照明は美しく妖しく・・・、映像は4分割あり、メンバー全員あり、それぞれの4表情ありの変化を楽しめた。前回のアリーナのようにステージの両脇ではなくステージのバックに。
 ステージの天井からつるされた「とげまる」たちがさまざまな光を放ったり、映像のメンバーの表情を「適度に」(笑)さえぎったり、すごくポイントをついていて、いいのです。

■■「とげまる」の曲たち
 名古屋に行かれた方たちから、「オープニングでフ~っときました」と聞いていたので、なんだろう・・・と楽しみにしていました。
 「聞かせてよ」か~。
 今回のとげまるツアーでは披露してなかったしなあ。聴きたいのに・・・」という声がたくさんあったし。
 封印してた分、「やってくれた~」というこちらの思いがあふれた瞬間だったかも。
 草野の声がせつなく、でも力強く響き渡っていた。
 そのあと、暗転から崎ちゃんのカウントがすぐに聞こえて、「俺のすべて」。
 「聞かせてよ」の余韻にひたる余裕も与えないかのような流れに、会場が一気に揺れた。もういい・・・という声も聴くけど(その気持ちもわかるけど)、でもやっぱり盛り上がります。
 そしてそこからすぐに「恋する凡人」。演奏も歌もタイトで、かっこいい。
 「幻のドラゴン」「TRABANT」、どちらもライブ映えするノリのよさ。とくに「TRABANT」は曲のはかないイメージとは裏腹な疾走感のある曲調がアリーナ全体を盛り上げた感じ。
 ツアーと同じように、おなじみの「メモリーズカスタム」を間にはさんでの盛り上がりも心地よいけど、この曲たちって妄想系のイメージを広げてくれる楽曲だなあ、と。照明の赤と白が幾重にも重なってストップするところがほんとうにきれい。
 ツアーレポにも書いたと思うけど(
コココッチ ←どちらも恥ずかしいほど同じようなこと書いていることに今気づく)、「ガーベラ」~「新月」は壮大な音と光と映像の流れに力強いサウンドと草野の切ないけどすごく強い声が編みこまれて、今回もやはり感動。うまく言えないけどたしかに「世界」がある、と思い。
 ちょっとむりやりな紹介MCから「シロクマ」のかわいいイントロへの流れは笑えたけれど、バックの、ちょっと「慌ただしい毎日」を象徴する映像から、この曲にこめられた意味をそれぞれに再確認できる。
 「どんどどん」と「探検隊」はツアーでもそうだったように間にネタ的なMCをはさんでいるけど、どちらもセルフプロデュースの楽曲。軽く牽引力のある曲で、ライブで楽しめる。
 本編ラストはアルバムでもラストを締める「君は太陽」。精神的に「昇れる」曲。「理想の世界じゃないけど 大丈夫そう♪」で、ホッとする。ステージでばらけて客席にアピールするメンバーと、崎ちゃんの周囲でライブハウス状態になるメンバー。遠方からも目で見て盛り上がれる感じ。
 そういえば、今回は田村側のスタンド席だったので、ベースの音がいつもよりクリアに強く聴こえて、おなかにズンズンきました。心地よい。でもその代わりテツヤのギターの音があまり聴こえない不満も。ま、場所にもよるんだろうけど。

■■「チュチュ、君の愛を~♪」
 アルバムをつくるたびに「ライブで聴きたい」新しい曲たちが増えるけど、「またやってほしい」曲たちが増えるのも事実。 
 今回も、草野の「最近あまりやってなかったけれど、『冷たい頬』」というMCで、あちこちから歓声が・・・。映像は遊園地の遊具たち?だったと思う。ピンクを基調にした映像だけど、私にはなんだか夜のイメージだった。田村のベースのメロディーラインがなんとなく切ない。
 「猫になりたい」は2000年以降、ライブごとに演奏していた時期もあったけど、ゴースカのランキングで「殿堂入り」してからはあまり聴かれなくなったような印象。・・・と思ったら、去年横浜のアンコールでやっていました(笑)。
ココです。
 「鳥になって」はとげまるツアーと同じようにインディーズの頃のアレンジで。すぐにボーカルの声が入るやつ。会場から「おお」という声。ボーカルの感じもなんとなくやんちゃな感じで突き放したような歌い方が「若い」。意識してそうしたのかな。それにしても、メンバーの演奏も若いなあ。
 そして、「ラズベリー」だー! イントロの崎ちゃんのドラミングがほんとうにかっこいい!! 私にとっては2007年のゴースカ以来(
ココです)。草野はしら~っとこういう歌を40代になっても歌っちゃって全然違和感ないけど(笑)、きっとこういう歌詞はもう作れないんだろうなあと思う(勝手に)。だからこそ、20代でちゃんと作ってくれたことに、ファンとしてはほんとうにうれしい。つくづく思います。きわどい内容と、きれいなメロディーと、ぎりぎり保つバランスと、あの声・・・。考えたら、スピッツの真骨頂的作品なのかも。
 そしてデビュー曲「ヒバリのこころ」。これを聴くたびに、そしてレポを書くたびに思うけど、これがデビュー曲でよかった。この疾走感と清々しさは、これから先、バンド「ん十周年」になっても、きっとこのままこんな感じで演奏して、そして会場は盛り上がると思う。ずっと何度も聴きたい曲です。
 そして「大宮サンセット」。崎ちゃんも加わるアレンジで聴かせてくれた。前回のアリーナではやらなかったし(だってここは大宮じゃない?)、2001年のツアーで大宮ソニックシティに行ったときにはまだこの曲は生まれてなかったはずだし・・・(たしかボーカルが体調不良でライブを延期したときに「次のライブまでに作ってくる」と約束した曲)。だから大宮でしか演奏しないし、私はライブで聴いたのははじめてです。「今夜 オレは寝ないよ」とか言うけど、なんだかかわいい歌ですよね。

■■一気にラストへ
 「探検隊」から「けもの道」~「とんがり'95」~「8823」は楽しく暴れましたね。
 「けもの道」のイントロまでの田村ベースはちょっとブルージーな感じで、メチャクチャかっこよかった。「フレー フレー」のところのテツヤのギターが異常なほど好きなのですが、残念ながら今回は音響の関係でちょっと欲求不満でした。でも会場の盛り上がりが目の前に広がっていて、こちらのテンションも上昇。スタンド席も悪くない!
 「とんがり'95」はすっかりライブの盛り上げ曲として最近は定着した感じ。『ハチミツ』リリース後のツアー中のインタビューでは(1995年)、「こういう曲はすごく疲れる」とか言ってたのに、40過ぎて復活なんて、「スピッツ兄さんたち」、やるじゃないですか(笑)。
 「8823」、田村、何度もスピン、ジャンプしてましたね。テツヤサイドにも駆けていって、シールドをぐいぐいやってたし。崎ちゃんのプレイもよく見えたし、ステージ前方に出るテツヤや腰を落としてプレイする草野もかっこよかったです。


                   


 ここからは覚えている限りの「いつものMC集」。
 「貴重なSaturday night をスピッツのために来てくださってありがとうございます」から始まったMCは、順番、正確な発言などは期待せずに(すみません)、ニュアンスと雰囲気だけ想像してください。

★思い出話
 この夏でバンド結成24年、3月でメジャーデビュー20周年という話から(すごいなあ)、「思い出すのはどうでもいい話ばかり」。
 アマチュアの頃、ヒロトさんみたいに客をあおったり飛び跳ねたりしてたらMCがしゃべれなくなって、
 「テツヤにまかせたんだよね。あの頃はけっこう頑張ってしゃべってたじゃん」と草野。
 それに対してテツヤは「どーですねえ」(笑)。なんじゃ、「どーですねえ」って。草野も突っ込んでたけど。
 ステージに上がってくるようにお客さんを煽ってたら、「ホントに上がってきちゃって」。
 「かたまって歌ってました」とマイクを握りしめて突っ立っているポーズ。ああ、そんな感じでしたね~。
 「肩でも組んで歌えばよかったんだよね」と今さらながらですが。
 「そうそう、田村がさあ、熱出して、舞台で仰向けになって演奏したことあったよね」
 それについては、「愉快な仲間たち」のコーナーで田村くんが話していました。
 「バックの映像で上から映しているところがあったから、あそこで」仰向けになって演奏すればよかったかな、と。
 「でもあれ、草野の映像なんだよね」
 「じゃ、オレがこのあたりで仰向けになって?」と草野がマイクの前あたりを指していましたが・・・。そういうパフォーマンスができるようになるには、この人は結成24年くらいじゃ無理かも?(笑)

★届きにくい声
 前回のアリーナライブで「注文を忘れられたりする・・・」MCありましたが(ライブ音源のCD聴くたびに笑えますが)、のちにエンジニアの高山徹さんの話では、
 「マサムネくんの声は周波数的に届きにくい声だ」ということを科学的に説明して「納得した」と。
 
ココでも、その説明をされていますね。
 「そういえば、人込みで誰かと話していても通じていないことがよくある。『・・・・・・なの?』と疑問形で尋ねても、『ああ、そうだよね~』と返ってきて悲しくなることがある」って。
 「でも、こういう声だからこそ、24年続けてこれたのかも」に温かい拍手。
 「『しょうが焼き定食』って頼んでちゃんとそれが来るようになったら、オレの歌手人生も潮時かも」なんて言ってましたね。
 あの声は「国宝だ」と言っている人もいるくらいですからね。
 そういえば、最初のほうでうしろの席の人たちに、
 「大丈夫ですか? 届いてる?」みたいなことを言ったあとで、指さして「あなたのために歌ってるよ」って。
 正面の三階席の人たちがみんな手を振っているのが見えました。
 「自分に酔ってるみたい」って本人は恥ずかしそうでしたが。

★「シロクマ」までのむりやりMC
 急に弾き語りで「ホタテのロックンロール」(笑)。これがまたきれいなハイトーンの「ホタテ~」である意味感動。
 「ホタテは北の冷たい海にいる、そのうえには流氷がやってきて、その流氷に乗って、シロクマが・・・、シロクマが・・・」だって。
 お客さんたちは微妙な笑い。
 このために彼なりに考えたようで(とげまるツアーから、シロクマは親父ギャグ的なものも含めて、こんな紹介のしかただったんだけど)、
 テツヤが「だから楽屋で練習してたのか~」って。

★「鼻の穴も・・・」
 寒いMC(笑)のあとでだったか、「こんな感じですが、大丈夫でしょうか」という草野に会場から拍手。
 このときに「鼻の穴もふくらむぜ」って。得意になっちゃうってことか?
 これも今回の恒例の「ネタ」っぽくなっていますが、「探検隊」の曲紹介の前。
 「みんな、オレたちと・・・一緒に・・・もう少し熱く・・・ならないか? こんな黄色いギターも作ったし」
 という「いわゆる草野らしいMC」に会場が苦笑しているなか、黄色いギターを「ギュイ~ン」と鳴らしたあとで、
 「と言いながら、次の曲はアコギなんですよね」とギターをとりかえてました。

★「旬な人」ガガ様
 
ガガ様 Part 1
 こんな広いところで・・・みたいな発言のあとでだったか?
 「オレたちだけでいいの? ゲストでガガ様とか?」なんて草野。
 すかさずテツヤが「ガガ様、もう帰っちゃったけどね」と。
 
ガガ様 Part 2
 「鳥になって」とか「ヒバリのこころ」のあたりでのMCで。
 「アマチュアの頃に友だちに聴かせようと思ってつくった歌をこうやってこんな広い会場で演奏している」という話の流れで、「それは手作りのチャーハンをガガ様に食べてもらっているような感じ?」って。
 うーん、その比喩、ちょっとわかんないけど。
 そうしたらテツヤが「今夜はレディーガガにこだわるね」
 草野「うん、旬な人だしね」って。
 「でもがんばって作りましたよ、強火で一気に」

★田村君の話の邪魔をする草野
 田村君が、「今日は客席を見るとおおぜいの人がいて、ああ、アリーナなんだなと緊張するけど、崎ちゃんのそばに行くと、なんだライブハウスと同じじゃんと思えて・・・」と話しているとき、ああ、いい話だなあと思っていたんだけど、チョコチョコと「話をまとめようとする」草野がうざかったです(笑)。黙ってて!という感じ。
 「アリーナとライブハウスが両方味わえて、幸せな一日を過ごしています。ありがとう!」

★話が見えなかった草野(笑)
 クージーは、「前回のアリーナでのMCで、この次ここに出るならK1にでも出場しないと・・・と言った」ことを説明。
 こんな大きな会場で出られたのもスピッツのサポートキーボーディストだから、というような意味合いだったと思うんだけど。
 それに対して草野は、「え、何? 何をおっしゃいますか? オレたちだって・・・」
 クージー「キミたちは(K1じゃなくても)アリーナに出ることはできるでしょ」、つまり「スピッツなんだから」というような意味のことを言ったんだけど。
 草野はたぶん「K1に自分たちも出る」というような意味でとらえてしまったようで、「出たら秒殺ですよ」と言ってました。
 このあたりはちょっとニュアンス的にも自信ないのですが・・・。
 そのあと、珍しい名前の話になって、「とげまるっていう名前の人、いますか?」と会場に。続いて、「崎山は?」「三輪は?」とメンバーの名前を会場に問いかけていた。最後に草野が「佐藤さんは?」と。
 「とげまる」という名字の人がいるかどうか、「次までに調べておくように」と草野に命じて?いました。

★「成長したね」
 「一万人以上いるんだよね」とテツヤ。感慨深そうに2回も言ってましたっけ。
 「サングラスの下はガガ様みたいな目になってる」という話だったか、で会場の笑いがイマイチだったときに、
 「おもしろいことを言ったつもりでも、会場がさ~っと引いていく・・・。昔はすぐには立ち直れなくて・・・、プレイに響くこともあったからね」
 草野「あったあった(笑)」
 テツヤ「今は大丈夫だから」
 草野「成長したね」
 なんてやりとりが。
 そういえば、「さっきからオレの近くだけ虫が飛んでんだけど」とも。
 「小型カメラで撮影してるのかな?」って。
 「臭いの?」とも。

★懐かしい「恥ずかしい」映像
 田村・草野の会話で、「アマチュアの頃、大宮フリークスというライブハウスに出てたときにTV埼玉から取材がきたよね。でも映像はないよね」「YouTubeにアップされたりしたらメンバーが必死で削除する」みたいなことがあって。
 それを受けて崎ちゃんが、「最近ビデオをブルーレイに保存しなおしてたら、その映像があった」と。
 自分がやたらかっこつけて、「ドラムの崎山っ!」(今の崎ちゃんには考えられない感じで)なんて自己紹介しててかっこ悪かったらしい。
 昔の映像は今見ると恥ずかしいよね、ということから、草野が、
 「前に寒い日に昔のライブ映像見てたら汗かいて暑くなった(あったかくなった?)」と言ってました。

★最後に
 「今年は大変なこともあり、自分も心配をおかけしたりしましたが、これからもいつでも曲を届けていけるようにがんばりたいと思っています。これからもよろしく。今日は本当にありがとうございました」という草野からのメッセージ。

                   
 

 この夜は、いつもとは違う開放感を「ロビンソン」から感じたり、大好きな「夢追い虫」からも、いつもとは違う、「妖しい」ではない「心地よい力強さ」をもらったりしました。
 私も少しずつでいいから「夢に見た あの場所」を探してみるのもいいかな、って。
 スピッツはずっとこうやって24年もの間、ひとつひとつ確認しながら、「自分たちらしさ」を追求してきたというより、「自分たちらしくないもの」を避けるアンテナを育ててきたのかもしれないなとも思いました。もちろん私の勝手な思い込みですが。

 いい夜でした。
 外に出て、ケヤキ広場で水分をとりながら、心地よい夜風に吹かれて30分。
 ありがとう、スピッツ!


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