2021.01.10
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
先週までは「テツヤ、﨑ちゃん、田村の順番で」スピッツメンバーで漫遊していたわけで。
そして、この番組は開始から3年が過ぎ、「今月から4年目に突入」。(すごい!)
草野「なんか、あっという間でしたが、これもひとえに、番組を聴いてくれている『あなた、キミ』のおかげです」
今回が160回目!ということで、「オレもよくネタ切れせずに続けてきたなと自画自賛してしまいますが」。(ホント!)
今回は、【アークティック・モンキーズで漫遊記】 。
「今世紀に入ってブリティッシュロックを代表するバンド!」
草野くんからすれば「若手バンド」な気もするそうですが(20歳近く若い?)。
バンドサウンドが下火な傾向の昨今のミュージックシーンにあって、「今もなおバンドサウンドで頑張っているバンド」。
オンエア曲
01 ガーベラ(スピッツ)
02 I Bet You Look Good On The Dancefloor(Arctic Monkeys)
03 Brianstorm(Arctic Monkeys)
04 Fluorescent Adolescent(Arctic Monkeys)
05 She's Thunderstorms(Arctic Monkeys)
06 R U Mine?(Arctic Monkeys)
07 Tranquility Base Hotel & Casino(Arctic Monkeys)
08 Cosmic Rays(HUSKING BEE)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「ガーベラ」(2001年、24thシングル「さわって・変わって」のカップリング/2002年、10thアルバム「三日月ロック」に収録)。
今日は「ロッケンロー」な曲が多いので、バランスをとって、「スピッツの中でもしっとりめな曲」と。
ハスキーな声も、それに寄り添うバンドのサウンドも、心の芯を狙撃されるような心地よい刺激も、最高級の作品。「猫ちぐらの夕べ」でも聴きたかった、などと贅沢なわがままを。
この曲はずいぶんライブでやっていないので、今年ライブが再開されたら、セットリストに加えてくれるかも。これはうれしい!
2011年、震災のあとのツアーで、「ガーベラ」に聴き入りました(ココとコチラ)。
Arctic Monkeysの最初の曲は、「I Bet You Look Good On The Dancefloor」(2006年、1stアルバム『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』)。
草野くんは、この曲のシングルをジャケ買いしたそうで。
草野「きれいな働く女性の写真で、思わず買っちゃったんですけど」
(バックに「16歳以下にはたばこは・・・」なんて張り紙もあって・・・)
やられてしまった!というイントロのリフを実演。
草野「ブラック・サバスの『Paranoid』のイントロ(Zo-3で弾いて)に匹敵する『来た、来た。来たー!』ってやつですよね」
サバスはこちら。
BLACK SABBATH - "Paranoid" (Official Video)
ここで、Arctic Monkeysのご紹介。
2002年、イングランド北部の工業都市シェフィールドで、音楽教師を父にもつアレックスが、近所のマット、中学の同級生アンディを誘い、サイドギターのジェイミーも加わって、Arctic Monkeysを結成。
地元で腕を磨くうちにラジオや新聞で注目されるようになり、2006年、インディーレーベルと契約(まだ十代)。
デビューシングル「I Bet You Look Good On The Dancefloor」に続いて、1stアルバム、2ndシングルも全英1位を獲得。いきなりトップバンドへ。
そして、次は、「Brianstorm」(2007年、2ndアルバム『Favourite Worst Nightmare』からの先行シングル)。
初期のArctic Monkeysは、「せかされるようなビート」が特徴で、それを堪能できる。草野氏は「青春せかせかビート」と名付ける。
ぶっといギターがズンズンきますね~。
次も同じアルバムから、「Fluorescent Adolescent」(2007年、2ndアルバム『Favourite Worst Nightmare』)。
初期のArctic MonkeysはThe Strokesの影響も強いようだが、「BlurやSuperglassなどのブリットポップの流れの上にもあると思う」。
この曲にはそんな影響がうかがえるそうで、「メロディーが懐メロっぽいんで、ちょっとスピッツに通じるところもあるかな、なんて思って聴いてしまいます」と。
Blurについては、ココで「同世代バンド」として紹介していますね。
この曲は、メロディーがしっかりしていてアレンジも懐かしい感じで、「青春せかせかバンド」とはちょっと異なるおもしろい雰囲気。
Arctic Monkeysは、当時ちょっと盛り上がっていた、The Strokesに代表されるガレージロック・リバイバル、ロックンロール・リバイバルというムーブメントで括られることも多い。
「The White StripesやThe Libertines的な・・・。フランツフェルディナンドあたりの匂いもあるかな」と。
The Strokesからの影響については、彼ら自身が公言しているそうだ。
当時は草野くんにとって「音がドライすぎる」ということで、そのあたりのバンドにはイマイチだった中で、Arctic Monkeysにはまったのは、「彼らが適度な湿り気をもっているからかな」と。
参考に、こちらはThe strokesのMV。
The Strokes - You Only Live Once (Official Music Video)
そして、その湿り気は徐々に多くなってくる。
次は、「She's Thunderstorms」(2011年、4thアルバム『Suck It and See』)。
彼らの中でも、「湿り気多めで、サイケデリックな雰囲気もある」曲。
(この曲もメロディーがしっかり伝わり、サウンドがどこか懐かしく、間奏のアルペジオまで用意されている。)
メッセージコーナー。
運転中に、前の車のトランクが開いたままだったら、「どうやって前の車に知らせる?」
(うーん、これは難しい・・・。ちなみに、開けたまま走って途中で気づいたことはあります・・・。)
積んでいる荷物が落ちそう!など緊急を要する場合は、「#9910の道路緊急ダイヤルに通報!」、もっと危険な状況ならば「110!」と。
かつてスピッツの機材車を運転していた頃の思い出話。
運転していたら、後ろの車の若い女性2人がしきりに手を振ってくる。
リアウィンドウにスピッツのステッカーを貼っていたので、スピッツも有名になったんだなあと助手席のスタッフと盛り上がっていたけれど、 どうも様子がヘン。
彼女たちは掌をグーパーグーパーしながら、「ハザードランプがついたままですよ~」と教えてくれていただけ・・・というオチ(笑)。
次は、「彼らの名前を全世界に知らしめたアルバムから」、「R U Mine?」(2013年、5thアルバム『AM』)。
草野くんにとっては、「問題作」?
青春せかせかバンド、ガレージロック・リバイバルという面で彼らのファンであった人たちには、「あまり評判がよろしくなかったアルバム」。
つまり「ハイテンションで攻撃的なロックンロールから、ブラック・サバスのような重めのハードロックに近づいた」。
これは、そのころアメリカで人気のあった、Queens of the Stone Ageの影響を受けたからだという。
Queens Of The Stone Age - No One Knows (Official Music Video)
(ちょっとクセになるサウンドなのです)
草野「もともとダークでハードなロックは好きなジャンルなので、Arctic Monkeysがこれをやることでクールな面も加わり独特な世界になって、かっこいいですね。これは盛り上がります」。
結果的に、アメリカではこれが大ヒットしたんだそうです。
(ホントだ。さっきの曲とは雰囲気がまったく・・・)
そして最後は、いちばん新しいアルバムから、「Tranquility Base Hotel & Casino」(2018年、6thアルバム『Tranquility Base Hotel & Casino』)。
ヘビーでダークな世界からさらに進化して、ダンディーなロックへ。
こちらは、アルバム収録曲「Four Out Of Five」のMV。
【日本語字幕付】アークティック・モンキーズ「Four Out Of Five」
アルバム『Avaron』を出したころの、Roxy Musicのブライアン・フェリーを思わせるような「ちょっとエロティックな感じで、ジャンルで括れないような世界を創り上げているのはさすが」と。
(『Avaron』のRoxy Musicといえば、これ(「夜に抱かれて」)なんですけど)
Roxy Music - More Than This
草野「同じことを続けていくと退屈しちゃうバンドマンたちなのかなと思いますね」
(「ダンディーって?」と思って聴いてみたら、なんとなく納得。サウンドもボーカルの訴え方も、独特で、ダークだけどハードじゃないし・・・)
特集の最後に。
Arctic Monkeysは変化していくことにどん欲なバンドなので、「今後ますますおもしろいことになっていくのかな、なっていってほしいな」と。
(草野くん自身は語らなかったけれど、ある意味、スピッツとは異なる方向性のもと活動しているバンド・・・ということなのかな? とても興味深いし、アルバムごとの色彩の変化がおもしろい)
そして、メッセージコーナー。
「ワウワウ(エフェクター)の特集希望!」というリスナーさん。
洋楽に限らず邦楽で「ワカチコン!」が鳴り響く楽曲も聴きたい!と。
「ワカチコン」はその音の特徴からこういう言い方をするんだろうけど、「エフェクターのワウワウを踏んでトーンを開いたり締めたりする」ことで生じる音。
スピッツで言えば、「裸のままで」のバッキングで聴こえるギターのカッティングだそうです。
草野「わりとファンクな曲に多くて、(ロックでは)ジミヘンがよく使ってたかな」
例に挙げたのは、ジミ・ヘンドリックスの「Voodoo Child」やユーライア・ヒープの「Sweet Lorraine」
The Jimi Hendrix Experience - Voodoo Child (Slight Return) (Live In M。aui, 1970)
Uriah Heep - Sweet Lorraine - 1976
そのうち、ワウワウで漫遊してくれるみたいですよ。
次の方はフラダンスの先生。
コロナの状況でレッスンなども行うことができず、すっかり怠けていた自分。ステイホーム時、練習に励んだ﨑ちゃんの様子に改心し、先に向けて今こそしっかり準備せねばと思ったと、「﨑ちゃん、ありがとう!」。
「﨑ちゃんに伝えておきます」と。
草野くんのお知り合いに、病気で余命を宣告されてからも勉強を続けていらした方がいて、自分もそうありたいと常々思ってはいたけれど、「やっぱり明確な目標がないとなかなか難しい。「怠けちゃうよね、人間だもんね~」と。
でも常に向上心はもっていたいという理想は失わずにいたい、と。
草野「ま、がんばれる範囲で、頑張っていきましょう」
(こういう言い方に、ホッとします)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
懐かしい「白い炎」で。
曲は、HUSKING BEEの「Cosmic Rays」(2002年、4thアルバム『the steady-state theory』)。
「ハスキン、かなり好きなバンドです」と。
20年くらい前の「ロックロック in 仙台」にも出演したとか。
90年代のエモコア(エモーショナル・ハードコア)シーンのバンドに多く、「ギターサウンドのカッティングが気持ちいいサウンド」。
「アジカンなどもそうだが、ひずんだハムバッカーがザクザク刻む感じ」と。
草野「彼らのバックで歌ってみたいな、などと思っていました」
短い曲ですぐに終わってしまうので、「繰り返し聴いて、一時期、本当にヘビーローテーションでした」
(懐かしい・・・。わくわくさせてくれる曲)
曲終わりで、「ハスキンが昨年リリースしたニューアルバムも、相変わらずかっこいいです」。
HUSKING BEE 10th Album『eye』DIGEST
そして来週は、「ピコピコ ピュンピュン 懐かしめシンセロックで漫遊記」。
1980年前後、一大ブームとなっていたテクノポップ、シンセポップ。
当時の草野くんにとってはあまり好きではなかったジャンルだけれど、(その中でも)彼のプレイリストの中にあった曲たちからロックっぽいものに絞ってセレクト・・・だそうです。
これはこれで興味深い・・・。
そして、「あなたの好きなロックドラマー」を募集。
「プレイでも、ルックスでも、名前の響きでもOK」。ただし、「スピッツの﨑ちゃん以外で」。
久しぶりに、仕事の合間に国会中継を見た。
菅総理の、今までにも増しての、気のない弱弱しい答弁に驚く。
体調が悪いのか? それ以外にも理由があるのか?
相変わらず、用意された原稿を読むだけなので、何を訴えたいのか、ご自身はどう感じているのかが、まったく伝わってこない。